25歳の時に『不思議の扉のかずこちゃん』で「GET THE SUN 新人賞」の佳作を受賞したかんばまゆこによる作品。「週刊少年サンデーS」にて2017年7月号より連載が開始され、累計発行部数は100万部を突破しています。最新刊は3巻。その他の著作 に『バレてるよ!ジャンボリーヌ』『迷宮入り探偵』などがあります。 今回は、犯沢さんのキャラクターや設定を中心に、本作の魅力をご紹介します。
青山剛昌による漫画『名探偵コナン』を原作とする、かんばまゆこによるクリミナルギャグ・スピンオフ作品。 犯罪都市、米花町(笑)を舞台にしたコメディで、田舎から上京した謎の人物、犯沢さんの日常や出会い、米花町で乱発する事件などが描かれています。作中には犯沢さんをはじめとするオリジナルキャラクターのほか、江戸川コナンなど、原作『名探偵コナン』の主要人物も多数登場しています。 あの黒塗りの犯人が主人公という破天荒な作品です。
世界トップレベルの事件が起きる日本の犯罪都市、米花町。 電車の人々に引き止められながらも、この危険な町に降り立った漆黒の人物、犯沢さんは、ある男を殺すために田舎から上京して来ました。犯沢さんはまず、殺人計画を練るための家探しを始めます。 米花不動産の林かず夫に部屋を紹介してもらうが、米花町の賃貸物件はどれも事故物件ばかりで、普通の物件の家賃はかなり高額になっていました。犯沢さんは、常識が通じない米花町に驚きつつも、ほかの住人がいれば怖くないと思い、最終的にシェアハウスに住むことを決める。 引っ越し当日、犯沢さんはシェアハウスの住人の犯林つとむと意気投合し、友人となるが、早速つとむが逮捕さえてしまったりと波乱万丈な模様。こうして犯沢さんは、ある男を殺すための新生活をスタートさせるのでした。
本作の主人公。推定20代、性別不詳。島根県某所の片田舎出身で、「ある男」への復讐のために米花町に上京してきました。帰りたいと思ったり、犯罪都市・米花町にビビりながらも、シェアハウスで生活を開始しました。 殺人計画中の上に、短気で人付き合いもあまりよくないため、他作品であれば間違いなく危険人物(実際にコナンに尾行されていますが)だが、米花町は荒廃しているので、相対的に危険人物には見えないようにも思えます。
原作「名探偵コナン」の主人公で、事件(ほぼ殺人事件)を呼び寄せているのは彼ではないかとの噂!?もある人物。犯沢さんを怪しく思い、服部平次と共に追跡をします。 作中でも殺人事件の犯人を逮捕したり、観覧車に仕掛けられた時限爆弾を数十秒で解体処理するなどの活躍を見せています。なお、このマンガの初登場時ではこのマンガの主人公のような目つき(危険人物!?)で犯沢さんを睨んでいる描写もありました。 今後の犯沢さんとの絡みが期待されます。
原作のヒロインで毛利小五郎の娘。ぼったくりバーで苦しめられていた父・小五郎と犯沢さんを助けます。原作でも空手の描写はありますが、本作ではそれよりも明らかに強くなっており、気合だけでヤクザ店員を全員吹き飛ばして倒したり、発射された銃弾も素手で軽く掴み取って握力でグチャグチャにしたりと見かけによらない強さを発揮しています。 「わたしを殺人犯にしないでもらえます?」と無表情で言い放ち、他の店員も退散させました。犯沢さんの持っていた刃物も片手で折り曲げてしまい、「やめてくださいね。うんざりなんですよ」と、犯沢さんにも強さを誇示しています。 原作とは違い、なぜか髪型が前髪ではなく、てっぺんが尖った感じに描かれています。2巻帯でも原作者・青山剛昌から「あんな髪型じゃない」と突っ込まれているが、特に修正はされていません。(笑)
私立探偵事務所「毛利探偵事務所」の代表。”迷”探偵と呼ばれることも!?あります。 犯沢さんがある夜に入ったぼったくりバーでベロベロに酔っぱらっている姿で登場しています。
蘭の親友。本作の最初の方で、駅の改札前で犯沢さんとやり取りがあり、犯沢さんを笑ってしまったため脳内で攻撃されてしまいます。
自称・天才科学者で、コナンの使用している道具の発明者。ある日、犯沢さんが警察署を訪れた際に、灰原哀と共に免許の書き換えに警察署を訪れていました。本人曰く「爆発は春の季語」と目の前のビルが爆破されても、驚きもせず、「爆発音 永遠(とわ)繰り返す ラビリンス」とまで謡ってしまっています。求職中の犯沢さんに再会した際、治験を勧誘したりとたまに登場しています。
メンバー:江戸川コナン、灰原哀、吉田歩美、円谷光彦、小嶋元太 ぽつりとおにぎり頭の元太が「赤信号みんなで渡れば怖くない」と言ったのを聞いた犯沢さんは、それによってシェアハウスを探すことを思いつきます。
検挙率100%を誇る優秀な警察であるが、この実績が犯罪の抑止にならず犯罪が多すぎて全く休みがないという状態です。警察署も忙しすぎて全員駆り出されてしまうため、免許更新の職務すら滞ってしまっています。
大阪出身の高校生探偵。コナンと共にシャンプーを探す犯沢を尾行しています。
名探偵コナンの原作好きのなかでもこれに気付いた人は少ないかもしれませんが、実はこれ、昔のコナンのアニメに出てくるポーズなのです!笑 2000年代の愛内里菜によるコナンのオープニング曲『恋はスリル、ショック、サスペンス』の中で、コナンが曲に合わせてパラパラを踊っているのですが、このポーズが出てきます。また、表紙を取った裏側には、コナン君が…!?パラパラという時点で時代を感じますが、今の20代後半~世代には懐かしいですね。
犯沢さんは、ヤツと呼ばれている誰かを殺すために、米花町に上京してきていますが、1巻ではそれが誰なのか明かされていません。 名探偵コナンのストーリーからすると、いつか誰かを殺すことになるのだと思いますが、本作を読んでいるとコメディ要素があり、ちょっとお茶目な犯沢さんが本当に誰かを殺すのか?と半信半疑になってきます。
本作では、田舎から上京してきた犯沢さんが、犯罪都市・米花町に引っ越してくることから始まります。名探偵コナンの中では、米花町はもう少し治安のいいところという印象でしたが、確かにあれだけコナン君の周りで犯罪が起きていたら、マンション・アパートは事故物件ばかりとなっていてもおかしくないはずですね。
名探偵コナンに登場するメインキャストの面々も登場します!上京し、駅から出ることが できない犯沢さんに対し、園子が「あやしい人」と言ったり、犯沢さんを怪しいと思ったコナンと平次が犯沢さんを尾行したりと、原作ファンも楽しめる演出がなされています。
第6話(FILE.6)で、犯沢さんと小五郎がボッタクリバーでぼったくられそうになった際、小五郎の娘・蘭が登場し、悪い奴らを撃退します。名探偵コナンでも蘭が空手を披露するシーンがありますが、その比にならないくらい強すぎます!どれくらい強いかは、ぜひ本作を読んで、確かめてみてください。
人気アンケート1位を独走し、朝のニュース番組で取り上げられる等、唯一にして正統なる(?)コナンのスピンオフ漫画として、異例のスピードで認知度を上げています。 第1巻の巻末には特別編として、日清食品とコラボした「日清コラボ~謎肉の正体~」が収録されています。 最新の第3巻は、週刊少年サンデー2018年27号に掲載された、安室透が登場するFILE.特別編「黒の日常」も収録!
いかがでしたでしょうか。1話完結型の読みやすい構成となっていて、面白おかしく、コナンの世界観を楽しんでいただける作品だと思います。犯沢さんは罪を犯すのか?コナンと対決することはあるのか?等、今後のストーリーに期待大です!