1992年より『少女コミック』(小学館)に連載され、テレビアニメでも大人気だった渡瀬悠宇さんの代表作『ふしぎ遊戯』(全18巻)。「四神天地書」という不思議な本の世界で、四神を巡る戦いに巻き込まれながら主人公の美朱が神獣・朱雀の力を借りて世界を救っていくファンタジー恋愛漫画。 「遙かなる時空の中で」など、異世界にトリップしてしまう恋愛漫画が好きな人にオススメの漫画です。
『ふしぎ遊戯』とは
主人公である夕城美朱と本郷唯が、図書館に安置されていた禁書「四神天地書」に吸い込まれることから、物語が始まります。古代中国の四神や二十八宿などが題材となっていて、舞台は古代中国風の異世界。親友でありながら美朱と唯が命を懸けて戦う苦悩や、美朱と鬼宿の恋、美朱を命懸けで助けてくれる魅力的な朱雀七星士たちなど、これでもかっていうほどドラマチックな要素満載です。少女漫画ですがバトル描写も多く、意外にも男性読者も多ようです。
あらすじ
高校受験を控えた中学3年生の夕城美朱と本郷唯。受験勉強をしていた図書館で“四神天地書”という古い本を偶然見つけ、手に取った瞬間本の中に吸い込まれてしまう。 そこは青龍、朱雀、玄武、白虎の四神を守護神とする4つの国が治める古代中国に似た異世界。異世界から来た少女が神獣を呼び出し、3つの願いを叶えられる巫女の力を持つという。 美朱はそこで朱雀の巫女を守る朱雀七星士の鬼宿、星宿らと出会い、紅南国を守るため、現実世界への戻り方を知るために、朱雀の巫女となる。
登場人物たち
本作品の魅力はたくさんありますが、その魅力を引き立てる個性豊かな登場人物が多く出てきます。 その中から主要なキャラクターを紹介していきます。
主人公:夕城美朱(ゆうき みあか)
本作の主人公。 都立第三中学校3年生。天真爛漫かつおおらかな性格。根性と食欲は人並み以上。 親友の本郷唯とともに図書館で見つけた「四神天地書」の中へ吸い込まれ、朱雀の巫女として朱雀七星士を集めるため旅に出る。両親は離婚しており、母親と大学生の兄・夕城奎介と3人暮らしをしている。ただし当初は高校受験で母親から過度なプレッシャーを与えられ、不満を抱いていた。 「四神天地書」の中で鬼宿と出会い恋に落ちる。
鬼宿(たまほめ)
「四神天地書」の世界の住人で朱雀七星士のひとり。 額に「鬼」の赤い文字が浮き上がる。家族思いの純粋で熱血漢。拳法を得意とする。 「四神天地書」の世界に初めて迷い込んだ夕城美朱と本郷唯が街中で絡まれているのを助けた。額に浮き上がる「鬼」の文字が原因で、幼い頃は『おばけちゃん』と呼ばれからかわれたりされており、それを見かねた奎宿(白虎七星士)から拳法を教わる。七星士として旅をする前は、病弱な父の代わりに幼い弟妹達を養うため都で出稼ぎをして働いていた。幼い頃から言い伝えられてきた朱雀の巫女に憧れを抱いており、異世界からやって来た美朱と恋に落ちる。
本郷唯(ほんごう ゆい)
主人公の美朱とは幼馴染みで幼稚園からの親友。都立第三中学校3年生。成績優秀で常に堂々とした強気な美人。美朱とともに「四神天地書」の中へ吸い込まれ、青龍の巫女になる。美朱が危険な目にあっていることを知り、助け出そうと後を追い暴漢に襲われ心宿たちに助けられる。それがきっかけで唯は美朱へ憎悪を抱いてしまう。
心宿(なかご)
「四神天地書」の世界の住人で青龍七星士のひとり。 額に「心」の青い文字が浮き上がる。金髪碧眼の濱族の出身。剣術・気功・拳法に長け、武人としても策略家としても優秀な青年。 紅南国の隣国・倶東国将領として兵力の3分の2を掌握する。世界全てを憎悪しており「四神天地書」の世界を支配する野望を抱いている。野望達成のため、異世界からやって来た本郷唯を利用する。
星宿(ほとほり)
「四神天地書」の世界の住人で朱雀七星士のひとり。 首に「星」の赤い文字が浮き上がる。英明且つ誠実で穏やかな平和的性格。 紅南国第4代皇帝・彩賁帝。主に剣を使った戦闘を得意とする。女性のような美しい美貌に自信を持ち極度のナルシスト。星宿も鬼宿同様、幼いころから朱雀の巫女という存在に心の拠り所を得ており、美朱に想いを寄せる。
朱雀七星士(すざくしちせいし)
鬼宿(たまほめ)、星宿(ほとほり)、柳宿(ぬりこ)、翼宿(たすき)、井宿(ちちり)、軫宿(みつかけ)、張宿(ちりこ)の七人。全員男性。 朱雀の巫女を護り神獣を招喚するために選ばれた者たち。それぞれに個別の特殊な能力がある。 朱雀の象徴色が朱のため、朱雀七星士の体に出る文字の色は赤色である。 朱雀は紅南国の守護神。
青龍七星士(せいりゅうしちせいし)
心宿(なかご)、亢宿(あみぼし)、角宿(すぼし)、房宿(そい)、氐宿(とも)、尾宿(あしたれ)、箕宿(みぼし)の七人。 青龍の巫女を護り神獣を招喚するために選ばれた者たち。 青龍の象徴色が青のため、青龍七星士の体に出る文字の色は青色である。 青龍は倶東国の守護神。
魅力ポイント
(1) 一度は言われてみたい胸キュンセリフ!
この作品には、一度でいいから自分も言われてみたい!そんなセリフがたくさんあります。 例えばこのシーン・・・ 恋仲になった鬼宿と美朱ですが、美朱はある事実を知り鬼宿と距離をとろうとします。しかしそれに納得のいかない鬼宿は美朱と軽く口論に。 その様子を見ていた星宿が二人の間に割り入り、どういう事だと問い詰めます。 その時に鬼宿が言ったセリフがこちら! 鬼宿「…オレは美朱が好きです。──だからたとえ誰であろうと渡さない」 皇帝の星宿に剣を向けられても動じず、美朱に対する想いをはっきり言う鬼宿がかっこよすぎです!
(2) 個性豊かで魅力的な朱雀七星士たち
髪型、目、体型、…それぞれのキャラクターに特徴があり、性格も個性的な七星士たち。 そんな各キャラの魅力ポイントをご紹介します! 鬼宿・・・自分ではなく他人の幸福のために行動する優しさもあります。一途でイケメン! 星宿・・・美しい、優しい、見た目によらず割と強い。ナルシストだけど美しいので許せます! 柳宿・・・お兄さんのようなお姉さんのような面倒見のいいキャラ。きれいでかっこいい!左目下のほくろもセクシーです。 翼宿・・・七星士のムードメーカー的キャラ。関西弁で男気のある性格です! 井宿・・・深みがあって大人な冷静な意見をくれるキャラ。語尾の「~なのだ」が可愛いです! 軫宿・・・安心感のあるキャラ。優しいパパ?みたいです! 張宿・・・一生懸命で賢くてとても可愛い!こんな弟がいたら素敵です! 物語が進む度に朱雀七星士たちの過去や抱えてる闇が明かされていくのですが、どれも共感できて感情移入しちゃいます・・・!
(3) 美朱×鬼宿×唯のドロドロ三角関係
お互いに想い合っている美朱と鬼宿ですが、実は美朱の親友である唯も、初めて会ったときに鬼宿に惚れ想いを寄せていたのです。 また、ふたりは親友だったはずが誤解があって唯は美朱を恨んでしまい…。 自分を裏切った美朱に鬼宿を渡したくないという思いもあり、唯は鬼宿を手に入れようと、美朱と鬼宿を引き離そうとします。そんな切なくてドロドロな展開も見どころです。
メディア情報
TVアニメ
1995年4月6日から1996年3月28日までテレビ東京系でアニメ化された。全52話。ほぼ原作通りの進行だが、微妙な相違点も多数ある。美朱の声を担当する荒木香恵が同時期に声を担当していた他作品の物真似など、声優ネタが盛り込まれた部分も。
舞台・ミュージカル
amipro主催で舞台「幻想少女◎アドベンチャー『ふしぎ遊戯』」を2010年~2012年まで上演、ミュージカル『ふしぎ遊戯~朱ノ章~』『ふしぎ遊戯-蒼ノ章-』2016年~2018年まで上演。
ゲーム
2008年5月29日にオトメイトよりPlayStation 2『ふしぎ遊戯 朱雀異聞』のタイトルで発売。2009年6月25日には『ふしぎ遊戯 玄武開伝 外伝 鏡の巫女』と『ふしぎ遊戯 朱雀異聞』がカップリングされたニンテンドーDSソフト『ふしぎ遊戯DS』が発売された。
まとめ
いかがだったでしょうか。「本編全16巻」のこの作品は、ストーリー展開もテンポ良くハラハラ・ワクワクしながら読めるので、一気読みにもおすすめな恋愛漫画です。是非読んでみてください!
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