ネット上でのトラブルを中心に扱う弁護士漫画『『しょせん他人事ですから~とある弁護士の本音の仕事~』の各ストーリーをご紹介! あまりのリアルさに、「タメになった」と言う読者も多数いる本作品の魅力も解説していきます。
しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~(1)
少女・女性マンガ【電子コミックス限定おまけ「清水陽平弁護士特別解説&左藤真通・富士屋カツヒト描き下ろしダブルおまけ/あとがき&マンガ】計6ページ収録あり! ネット炎上・SNSトラブルに遭ったことはありますか? いわれのないガセネタで炎上して誹謗中傷の的になってしまったブロガー主婦が弁護士の無料相談所へ。出会った弁護士はネット案件に強いみたいだけど、だいぶ変わり者…? 誰もが今日にも被害者に、そして加害者になる、現代の闇! 他人事ではいられない誹謗中傷&情報開示請求のリアルドラマが幕開けです!(このコミックスには「しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~[ばら売り][黒蜜]第1~5話」を収録しております)
2024年7月からテレビ東京で実写ドラマが始まる本作「しょせん他人事ですから~とある弁護士の本音の仕事~」 今最も旬なリーガルマンガの内容や魅力を徹底的にご紹介していきます!
本作の主人公は、ネット炎上やSNSトラブルなどのネット案件に特化した弁護士・保田 理(やすだ おさむ)です。常に怪しげな笑顔を絶やさない保田ですが、その笑顔とは裏腹に依頼人の相談に対し「所詮は他人事じゃん?」とバッサリ切ってしまうようなサバサバっぷりです。 しかしそこには自殺率の高い弁護士という仕事を全うするうえで、案件に対して一定距離を保ち感情移入をしすぎず冷静にいるというポリシーがありました。
本作で取り上げられた依頼の数々を紹介していきます。 広告で話題になった1巻や3巻の内容は特に読者からの反響も多かった話です!
主婦ブログをやっている桐原こずえが依頼者です。風俗用掲示板サイトに風俗嬢と勘違いされブログ記事が載ったことを皮切りにブログが炎上してしまいます。相談にきた桐原に対して保田は、「中傷コメントをした人物を特定する情報開示請求はお金・労力・時間がかかる割に良いことが少なく、おススメしない」と告げますが、戦うことを決めた桐原は情報開示を依頼します。 情報開示を進めていくうちに中傷コメントをしたのがまさかの人物であることが発覚し… 被害者サイドで法的措置に踏み出す大変さや、加害者サイドが自分のやったことを甘く見ている様子などその描写のリアルさが話題となったお話です。
双子の人気アーティスト「ヌーヌー」のメンバーである兄・リオが依頼者です。中学時代にヌーヌーがいじめをしていたというデマの情報が拡散され、SNSでの誹謗中傷被害を受けたことで妹・リホが鬱状態になってしまいます。リオはリホを救うため中傷コメントをしたユーザーを特定することを保田に依頼し、数千万円かかる依頼費用調達のためのクラウドファンディング実施により世間から絶大な支持を得ます。 そして情報開示が始まって以降、それまでヌーヌーをたたいていた人たちを叩くことでネットは大きく盛り上がってしまい… 中傷した人を中傷する人が出てくる、ネットという匿名の世界。私たちはいつでも被害者にも加害者にもなりうることを痛感するお話です。
配信者のライブコメントに卑猥なコメントなどの嫌がらせをし、開示請求が届いた中学生・西村が依頼者です。嫌がらせ行為をしたことを親にバレたくないという理由から、なにごともなく終わらせたいと保田のもとにおとずれますが、未成年は保護者の同意なしに依頼ができないと断言されてしまいます。 保田が味方になってくれないと感じた西村は、広告で見かけた星川という弁護士のもとを訪れますが、あくまで依頼はお金稼ぎのためと考えている星川が頼りにならないと感じ、結局保田のもとに戻ってきて… 「みんなやっているから」と、ことの重大さを理解していない中学生がモデルの本話は、子供へのいい教材にもなると評価されていたお話です。
SNS上で自分のなりすましアカウントが作られ被害をうけている稲生が依頼者です。この依頼は新しく保田の事務所にやってきた泉という弁護士が担当することになります。 最初は稲生の大学時代の写真など流用したものを用いたなりすましだったのが、稲生の職場の写真やお昼に食べたものなどがあげられはじめ、ストーカーまがいなその悪質性に稲生は精神をすり減らしてしまいます。 やっと情報開示され犯人の名前が明らかになり、友人の情報から稲生はその犯人の居場所を突き止め、犯人のもとへ訪れます。暴走した稲生を止めるため駆け付けた泉の判断でその場で示談が始まるがそこで稲生の過去が明らかになり… なりすましなどの行為はもちろん悪いことですが、気付かないうちに自分がその動機をつくってしまっていることもあると気づかされるお話です。
10年前に起こした傷害事件についてのネット記事や投稿を消したいという黒川が依頼者です。 事件から10年、結婚し子供も生まれ日常を送っていた黒川ですが、現在3歳の娘が大きくなったとき、娘に事件のことがバレて辛い思いをさせるのではないかと不安な日々を送っていました。 ネットが今よりも普及する前は、実名報道が今ほど深刻なものだと捉えられていませんでした。しかし現在は様々な情報がネット上に残り、一度世に出てしまった情報を完全に消すことは非常に困難です。 昔と今で重要性が変わったネットという存在について考えさせられるお話です。
続いては本作の魅力をいくつかご紹介します!
ネット上で起きた被害をメインに扱う本作。SNSが普及した現在、明日は自分の身に起こってしまいそうだと思うほど身近なテーマがとりあげられています。そんな親近感がわくテーマの数々に入り込む読者も多いのではないでしょうか。 また、被害者・加害者両方の視点で描かれているため、一概に加害者が悪いとはいえない深みのあるストーリーがとても魅力になっています。
作中では専門用語が多く出てきますが、保田との会話形式で丁寧に説明されるため、知識が0でも深く理解しながら読み進めることができます。また、どういう手続きが必要でどのくらいのお金がかかるのかなど、実際に活かせる情報も満載です。 弁護士と依頼者のやり取りや、実際に行われる裁判手続などを徹底的にリアルに描かれていることで学術的な作品にもなっています。
一見するとデリカシーがなくやる気がないようにも感じられる保田ですが、依頼者の意思を一番に尊重し、やるときは徹底的にやりきる仕事ぶりが見ていてとても爽快感を感じます。 悩んでいる依頼者に対してもバッサリと切り捨て、スッキリした感情にさせてくれるのは保田特有の雰囲気のひとつではないでしょうか。 また、依頼人に対してメリットもデメリットもちゃんと説明をする姿勢は、信用できる人弁護士だと感じます。
いかがでしたでしょうか? 本作は上記でとりあげたようにリーガルマンガとしてはもちろん、相棒である加賀見とのコミカルなやりとりや、4巻から登場する泉と保田の対極性もユニークで思わずクスッとしてしまうシーンも多数あります。 「実際の手順がよくわかる」「困った人は参考になるかも」など、他人事ではないとリアルに感じながら楽しんでみてはいかがでしょうか?
#しょせん他人事ですから
しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~
少女・女性マンガ【コミックス限定おまけ「清水陽平弁護士特別解説&左藤真通・富士屋カツヒト描き下ろしダブルおまけ/あとがき&マンガ】計5ページ収録あり! 自分の逮捕のニュースがネットに残る黒川。それは10年前の傷害事件によるものだが、本名で検索すると今もたくさんの記事が現れる。結婚し、子供もできたことで家族への迷惑を恐れ悩む黒川は…!? 懲役1年6月、執行猶予4年、ネット情報は……永遠? あなたも自分の名前を検索すると何が出てきますか…? 誰もが今日にも被害者に、そして加害者になる、現代の闇! 他人事ではいられない誹謗中傷&情報開示請求のリアルドラマ!(このコミックスには「しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~[ばら売り][黒蜜]第26~30話」を収録しております。また巻末に「打ち切り漫画家(28歳)、パパになる。」試し読み5話分を収録しております)
しょせん他人事ですからと同じく、広告でたびたび話題になる作品もまとめて紹介します!