『見える子ちゃん』の内容紹介。霊に悩まされる少女の運命は

アニメ化も決定している『見える子ちゃん』の情報や、原作マンガの掲載情報などをまとめました。

『見える子ちゃん』はパッショーネ制作にて、2021年の10月にアニメ化しました。 内容ですが、閲覧注意の注意書きがあるほど刺激の強い内容となっているため、ホラーが苦手な人は注意が必要になります。原作の恐ろしい幽霊達が、アニメになることでより臨場感溢れる描写として楽しめるでしょう。 主題歌は、登場キャラクターである四谷 みこ（よつや みこ）の声優を務める雨宮 天さんが担当します。他にも本渡 楓さんや佐倉 綾音さんなどの人気声優さんが出演し、注目度も抜群です。

マンガは作者の泉 朝樹さんが手がけており、2018年11月から無料マンガサイト『ComicWalker』で連載されていました。 その後、ComicWalkerの新しいレーベルである『WebComicアパンダ』に移籍し、2022年1月現在も好評連載中です。 コミックスは2022年1月時点で6巻まで発売されており、可愛らしい女の子とおぞましい霊の対比が印象的な表紙が目印です。 『全国書店員が選んだおすすめコミック2020』や、『みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞』にもランクインしている、話題の作品でもあります。

本作がどういった内容・ジャンルのマンガで、どのような特徴があるのかを紹介していきましょう。

主人公・四谷みこは普通に学園生活を送る女子高生ですが、彼女には一つだけ他の人と違うところがありました。それは、幽霊がはっきりと見えてしまうというところです。 ただ平和に学園生活を過ごしたいだけのみこですが、行く先々で霊と遭遇してしまいます。霊たちは、霊が見える相手に対してのみ危害を加えようとしてくるのです。 その怖さに内心では怯えていますが、あくまで見えていない風を装うことで、霊と関わらないようにしてきました。 ひたすら霊を無視するみこと、それでも普通に暮らしているだけで視界に入ってきてしまう霊たちの攻防が楽しめる作品です。

みこには仲良しの友人、百合川 ハナ（ゆりかわ はな）がいます。霊そのものは見えませんが、霊を引き寄せてしまう体質のため、彼女の周りにはよく霊がまとわりついているのです。 みこは霊が見えてしまうため、どうにかしてハナから霊を離そうと奮闘するシーンがあります。 たとえば、教室で二人が話している場面では、ハナの机の中から霊の手が伸びてきて、ハナにまとわりつこうとします。それを見たみこは急いで席を立ち、机をどかすことで霊からミコを助けるのです。 優しさや友達思いな性格が伝わるみこだからこそ、読み手側も気持ちが入りやすく、応援したくなってきます。

本作の登場人物を、主人公のみこや彼女と関わりの深いキャラクターを中心に紹介していきましょう。

本作の主人公で、霊がくっきり見えてしまう体質の女子高生です。生まれつき見える体質だったわけではなく、ある時から急に見えるようになってしまいました。 霊と遭遇する度に怯え泣きそうになりますが、反応してはダメだと自分を律し、あくまで見えていない振りを続けています。 性格は優しく、正義感が強い人物です。また、他人に迷惑をかけまいと振る舞う傾向にあり、自分にとって不利益なことを我慢してしまうシーンもあります。

みこの同級生で、明るく元気なスタイル抜群の女子高生です。着替えの後、うっかり下着を履き忘れていることに気付くなど、天然な部分もあります。 食べ物に貪欲で、みこをドーナツセールに誘った際は一人で10個も買ったり、おいしそうという理由で食べ物柄の水着を選んだりしています。 強力なオーラを自覚なしにまとっており、それゆえ霊を引き寄せやすい体質です。しかし、ハナ自身に霊は見えないため、霊側から干渉されることはありません。

みこやハナと同じ学校に通う生徒で、ツインテールと小柄な体格が特徴の女子高生です。 みこと同じように霊が見える体質ですが、彼女の場合は物心つく前から既に見る力を備えていました。ただし、みこほどはっきりとは見えないらしく、霊を見る力はみこのほうが強いようです。 ゴッドマザーの弟子を自称しており、最初はみこに対してライバル心のようなものを燃やしていました。しかし、みこの振る舞いから自分よりも格上だと思い込み、それ以降はみこに一目置いているようです。

占いやお祓いを生業としている霊能力者で、本名はタケダミツエという女性です。登場時は怪しげなブレスレットとサクラを用いて一般客を相手に怪しい商売をしていましたが、その能力は本物で、霊やオーラを感じ取ることができます。 みこが数珠を求めて来店した際に出会い、孫ほどの歳の娘を見捨てられないという理由で力が込められたとっておきの数珠を授けました。しかし数珠は霊によって即座に壊されてしまい、ショックを受けて占いの館を廃業し、田舎へと帰ります。 その後は田舎で過ごしていましたが、みこが写っているある写真を見たことがきっかけで彼女の身を守るため廃業を撤回し、彼女の力になるべく動き出すのです。

長い前髪と、マジシャンのような怪しい風貌をした男性です。みこと同じレベルで霊を見ることができる人物で、オンラインサロンや動画配信などを通じて不可解な現象を紹介しています。 みこと初めて出会った時は、突然謎の石を渡そうとして不審者だと思われてしまいました。しかし、その石が実際に霊を近寄らせなかったため、みこは石と彼の存在を気にするようになるのです。 同様に、ユリアもロムの動画配信を見て彼が本物だと気づき、興味を持っています。

本作が注目を集めている理由を、作品のテイストや登場キャラクターの観点から解説していきましょう。

一見すると女子高生が登場する日常系のお話に思えますが、ページをめくるとヒヤッとするほど恐ろしい姿の霊が登場します。しかしそれをみこはすべてスルーし、関わらないようにしながら過ごすのです。 とはいえあくまで見えない振りをしているだけで、怖い霊は見えているため、みこはすぐ震えたり泣いたりしてしまいます。 日常に霊が潜んでいることと、それを無視し続ける女子高生という構図が面白く、既存のホラーもののように立ち向かったりしない静かな戦いが見どころです。 ホラーというジャンルではありますが、コメディ要素もある不思議な魅力に溢れた作品になっています。 ほのぼの学園コメディかと思いきや、随所で現れる霊たちが恐怖心を煽りに来るため、面白さと怖さを両方楽しめるでしょう。

主人公のみこを始めとして、友達のハナや同じ学校のユリアなど、登場人物にはかわいらしいキャラクターが多く登場します。 霊が軒並みおぞましい容姿をしていてインパクトが大きいため、そのギャップもあり、みこたちの魅力がより強調されている点が特徴です。 ちょっとしたお色気シーンや、女子高生たちの日常も垣間見ることができ、緩急のついた展開の中で一時の癒やしを得られるでしょう。

『見える子ちゃん』は、霊が見えてしまう女子高生がなるべく霊と関わらないようにして生きていこうと奮闘するホラーコメディです。 ただの日常系ストーリーに飽きてしまった人、ホラー要素がある作品が好きな人におすすめできますので、興味がある人はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。