『賢者の孫』は同タイトルの「なろう小説」をコミカライズした作品です。現代日本人の青年が英雄的魔法使いの孫として転生し、圧倒的な力で無双する点が魅力です。ここでは、『賢者の孫』の見どころやあらすじを紹介します。
「賢者の孫」の作品概要
『賢者の孫』はどのような作品なのでしょうか?最初に作品の概要について解説します。
「小説家になろう」作品のコミカライズ
『賢者の孫』は、吉岡剛さんの小説を原作とするマンガです。小説投稿サイト『小説家になろう』で2015年1月より連載がスタートしました。 魔法の存在する世界に転生した主人公・シンの圧倒的な能力や、常識をまったく知らないというコミカルな設定が話題を呼び、同年7月には加筆修正したものが早くも書籍化されています。 コミカライズ版を担当しているのは、漫画家の緒方俊輔さんです。KADOKAWAのWEB無料マンガ雑誌『ヤングエースUP』にて連載が始まりました。連載は現在も継続中で、単行本は18巻まで刊行されています。
2019年にアニメ化
『賢者の孫』は、アニメ化もされています。主人公の圧倒的な能力をスピード感ある映像で表現したアニメは、2019年4月から6月にかけて全12話が放映されました。ヒロインをはじめとする、キュートでセクシーな女性キャラたちにノックアウトされた人も多いのではないでしょうか。 2021年現在、アニメ『賢者の孫』は複数の動画配信サービスで視聴できます。
『賢者の孫』のあらすじ
『賢者の孫』の魅力はどんなところにあるのでしょうか? 読む前につかんでおきたいあらすじを紹介します。
主人公は異世界転生したサラリーマン
主人公は現代日本に生きるサラリーマンです。作品冒頭で夜遅くまで残業していることから社畜かブラック企業に勤めていることが伺え、名前や顔は明らかにされていません。 残業後、疲労困憊で帰る途中、主人公はふと「なぜこの地球に人間が生きているのか」と考えます。彼が交通事故に遭ったのはその瞬間でした。 現世で死んでしまった主人公は、異世界に転生します。赤ん坊のときに家族とともに魔物に襲われますが、ただ1人生き残り、通りがかった賢者マーリンに拾われました。マーリンの孫・シンとして育てられ、異世界での新しい人生を楽しんでいる主人公ですが、日本人の成人男性だった記憶も残っているようです。
賢者に育てられて圧倒的な力を手に入れる
シンが前世の記憶に目覚めたのは、馬車の事故がきっかけでした。物心ついて、自分が転生したのが魔法の存在する世界だと知ると、現代日本の若者らしく単純に興奮します。しかも、祖父代わりのマーリンは魔法使いでした。シンは言葉を覚えると、すぐに魔法を教わるようになります。 しかし、シンのポテンシャルは桁外れでした。マーリンが教える魔法を一度でことごとく吸収し、祖母のような存在であるメリダ直伝の付与魔法も、前世の知恵を活かして自分のものにしてしまいます。 10歳のときには付与魔法を施したブーツや剣を使い、大型の魔物を1人で討伐したことで、シンの能力が規格外であることが明らかになりました。メリダはシンの魔術、武術、付与魔法すべてが常軌を逸したレベルであることから、「別世界から来たのではないか」と冗談交じりに推測します。
この世界の常識を何も知らないことが発覚
シンは15歳になり、マーリンやメリダをはじめ、親戚のような関係の大人たちから誕生日を祝われます。その席で将来どうするつもりなのか聞かれたシンが、この世界の常識を何も知らないことが発覚して一同は驚愕しました。 そしてシンの能力を目の当たりにした皆は、彼の力が世の中の勢力分布を狂わせるレベルであると知ります。常識のないまま社会に出ては、この能力が悪用されかねない、シンの取り合いで世の中が乱れる可能性もあると危惧され、王都にある高等魔法学院への入学をすすめられるのでした。
常識や友人を得るために魔法学院へ
マーリンの古い友人で、シンにとっては叔父のような存在である『ディスおじさん』は、実は国王・ディセウムでした。その正体が明らかになった場で、マーリンとメリダが国民的英雄であること、武術を教えてくれたミッシェルが元騎士団長であることなど、錚々たるメンバーに囲まれて育ったとを知り、今度はシンが驚愕します。 ディセウムはシンの力がいかに規格外か知るため、また森の中で育ったシンが常識や同世代の友人を得るために高等魔法学院入学をすすめます。シンはマーリン、メリダとともに、入試のために王都へ引っ越すことになりました。 初めて1人で出た街で、シンはチンピラから二人連れの女の子を助けます。そのうちの1人・シシリーに一目惚れしてしまいますが、このときシシリーの方もシンに一目惚れしていました。 シンはもう1人の少女・マリアからマーリンとメリダがかつて魔人を倒し、王太子時代の国を救ったことで崇められる伝説的存在であること、二人の孫が高等魔法学院の入試を受けると噂が広まっていることを知らされました。憧れと称賛をあらわにするマリアに、シンはとても真実を告げる勇気がなく、そのまま二人と別れてしまいます。 シンは入試を楽々首席で突破し、ディセウムの息子・アウグストや再会したマリアやシシリーと同じ最上クラスに入ることになります。そして、入学式では新入生代表としてだけでなく、賢者マーリンの孫であることも紹介されてしまいました。こうして、その能力のすごさとともに、否応なく注目を浴びるシンの学院生活が始まるのでした。
『賢者の孫』の面白さ
『賢者の孫』の面白さのポイントの一つが、登場するキャラクターたちの能力や魅力です。詳しく見ていきましょう。
主人公の圧倒的強さ
『賢者の孫』の見どころは、なんといっても主人公の圧倒的強さでしょう。魔法のレベルは、国民的英雄の賢者マーリンや導師メリダが舌を巻くほどです。武術も元騎士団長のミッシェルから直々に教わっていたため、町のチンピラを一瞬で倒せるほどに成長しました。相手が武器を持っていてもお構いなしです。 魔法学院の入試では、試験官から「セーブして」と言われたにもかかわらず、練習場を吹き飛ばしかねない勢いで術を発動してしまいました。学院の教師たちはシンの実力を見て、魔法については教えることはないと判断し、それよりも人付き合いを学ばせるための研究室を作ることを提案します。 同じ最上クラスの仲間たちとともに、「究極魔法研究会」を立ち上げたシンがどのように能力を使いこなし、この世界の人間として成長していくのか楽しみな展開です。
可愛いヒロインたち
ヒロインたちの可愛さも、コミカライズ版『賢者の孫』のポイントの一つです。控えめでおしとやかですが、シンに対する好意を隠さないクロード子爵家の令嬢・シシリー、明るく積極的なメッシーナ伯爵家の令嬢・マリア、二人のヒロインの魅力が存分に堪能できます。 シンが「クリスねーちゃん」と呼ぶ騎士・クリスのクールな雰囲気、若かりし頃のメリダの静かながら自信にあふれた表情のほか、セクシー・インテリ・ロリ系といったさまざまなタイプが見られるシンのクラスメートたちなどにも注目です。
圧倒的強さによる爽快感を味わおう
『賢者の孫』は魔法や武術、恋愛、友情などの要素がたっぷり盛り込まれた、異世界転生ものとしては王道と言っていいストーリーです。「なろう小説」が好きな人は見逃せない作品であるといえるでしょう。また、主人公の圧倒的な強さは爽快ですらあります。もやもやした気分を吹っ飛ばしたいときにもおすすめの作品です。
賢者の孫(1)
少年・青年マンガ事故で死んだはずの青年が、赤ん坊の姿で異世界に転生。そして救国の英雄「賢者」マーリン・ウォルフォードに拾われた彼は、シンと名付けられる。孫として育てられたシンはマーリンから魔法を教わるが、その習得速度は驚くべきもので、メキメキと力をつけていく。一方、山奥で世間から隔離されて育った弊害として、シンには一つ致命的な問題があった…。そう、シンが15歳となった時に祖父・マーリンは言ったのだ――「常識を教えるの忘れとった」! かくして常識と友達を得るためアールスハイド高等魔法学院に入学するシンだったが――。《規格外》な少年の型破り異世界ファンタジーライフ、ここに開幕!!.