『おくることば』はどんなマンガ?3巻で読めるミステリーホラー

『おくることば』はどんなマンガ?3巻で読めるミステリーホラー

主人公がストーリー冒頭で殺されることや、斬新な視点で描かれたストーリーが話題となった『おくることば』は雑誌『月刊少年シリウス』で連載されていたマンガです。今回は『おくることば』の概要、話題となったストーリーのあらすじや、見どころを紹介します。

目次

  1. 1
    『おくることば』の概要
    『月刊少年シリウス』で1年間連載
  2. 2
    『おくることば』ネタバレなしのあらすじ
    幽霊になった元高校生
    死因は事故死ではなかった
    事件の真相を伝えるために行動する
  3. 3
    『おくることば』の見どころ
    3巻でサクッと読めるミステリー
    暴かれていく過去
    他の視点から見える主人公の歪み
  4. 4
    短時間で読める涙ありのミステリー
  • おくることば(3)

    少年・青年マンガ
    4.8
    690

    メイが聞いた声、謙汰が抱える誰にも言えない過去、千秋の笑顔の理由、みったんがそこにいる意味、そして佐原の死の真相。からまった心の糸が解かれた先には、予想だにしない真実が待ち受けていた! 共感と驚愕を禁じ得ない衝撃の青春ミステリ、堂々完結!

    『おくることば』の概要

    マンガ『おくることば』は講談社が発行する少年漫画雑誌『月刊少年シリウス』で連載されていたマンガです。あらすじや見どころを紹介する前に、概要を解説します。

    『月刊少年シリウス』で1年間連載

    少年漫画雑誌『月刊少年シリウス』は講談社が発行する月刊漫画雑誌です。アニメや映画化された作品も多く、数多くの話題作が連載されています。『おくることば』は『月刊少年シリウス』で2017年から約1年間連載されていました。 作者は繊細な絵柄を得意とする漫画家の町田とし子さんで、巻数は全3巻です。主人公が死ぬ場面から始まり、幽霊となった主人公が自身の死の謎や隠された過去を探るストーリーが話題となり、人気作品になりました。 また、連載終了後も安定した人気を誇り、2021年8月には講談社のマンガアプリ『マガポケ』でお気に入り登録が50万件を突破しました。

    『おくることば』ネタバレなしのあらすじ

    主人公が死ぬところから物語が始まり、感動のラストで終わる『おくることば』はどのような物語なのでしょうか。今回はネタバレなしであらすじを紹介します。

    幽霊になった元高校生

    物語は主人公である佐原 真舵(さはら まかじ)が、幼馴染でクラスメイトの哀川 千秋(あいかわ ちあき)と共に学校前の横断歩道で、信号が変わるのを待っている場面から始まります。 親しげに話す2人ですが、そんな日常の幸せは唐突に終わります。信号待ちをしていた佐原はトラックに轢かれてしまったのです。 当初は自身が死んだことに驚く佐原ですが、次第に自分が死んだことを理解します。そして、幽霊となった佐原は教室の自分の机の上に置かれた花瓶や寄せ書きが書かれた写真、佐原が死んだことを悲しむ友達を見て満足しました。 しかし、この時すでに佐原はとあることに気がついていました。それは自身の死因が事故死ではないということです。

    死因は事故死ではなかった

    佐原の本当の死因は事故死ではなく殺人です。幼馴染の千明が、トラックが通りかかる瞬間を狙って佐原を突き飛ばしたのでした。 この事に気が付ついた佐原は一つのことを決意します。それは、自分は殺されたのだとみんなに知らせるということでした。 佐原が決意する場面は、この漫画の印象的な場面の一つです。佐原が教室で自身の死を悲しむ人を眺め、穏やかに教室から立ち去った直後、横断歩道を渡る千明に対し「なんで俺を殺した?」と語りかけます。 もちろん幽霊となった佐原の声は千明には聞こえないのですが、今までの穏やかな雰囲気が一気にサスペンスじみたものに変わるため、非常にインパクトがあります。

    事件の真相を伝えるために行動する

    自身が幼馴染に殺されてしまったこと、そして死んだ結果幼い頃に遊んでいた少女、実知の幽霊が見えるようになったことから、一つの考えに至ります。 それは千明が殺人を繰り返すのではないか?ということです。 そのため、佐原は事件の真相をみんなに伝えると決意します。そして真相を明かすために行動を開始した佐原ですが、その過程で霊である自分が見える人物がいることに気が付きます。 そして、霊が見えるその人物は佐原と接触したことで、佐原の死因が殺人であると知り真犯人探しを開始します。 すると今まで見えてこなかった登場人物たちの葛藤や思いが見え始め、物語が思いがけない方向へ動き始めるのです。

    『おくることば』の見どころ

    ミステリーでありながら、ホラー要素や死後の主人公を基軸とした人間ドラマが展開されるマンガです。今回はそんな『おくることば』の魅力を解説します。

    3巻でサクッと読めるミステリー

    本作の魅力は複雑な謎が3巻で解決するため、サクッと読破できることです。 『おくることば』は言葉を伝えられない主人公が事件を紐解く複雑な設定の上、事件をきっかけに読者を驚かせるさまざまな謎が次から次へと発生します。加えて登場人物たちの思惑が交差する作風で、事件はどんどん複雑になるのです。 しかし、話は複雑ですが全3巻と非常にコンパクトな作品なので、絡み合った謎がテンポよく紐解かれ、物語が解決へと向かいます。 前半は謎が気になりページを捲る手が止まらなくなり、後半はその謎が一気に解き明かされるためサクサクと読むことができるでしょう。

    暴かれていく過去

    主人公の佐原が死ぬことで始まる『おくることば』は、彼の死の真相が明らかになると同時に隠されていた過去が暴かれていきます。 佐原が殺された状況は、10年前に佐原が幼少期に親しくしていた少女、実知が死んだ状況と酷似していたのです。 また、佐原は死んだことで実知の姿を見ることが出来るようになります。そのため、佐原自身も過去のことを探り始め、実知が死んだ10年前の事件や登場人物たちの秘密が明らかになっていきます。 様々な謎が過去とリンクする巧妙なストーリーは本作の魅力の一つといえるでしょう。

    他の視点から見える主人公の歪み

    佐原が殺された原因が明らかになり過去が暴かれるにつれ、実は歪んでいたのは周りだけでなく、佐原も歪んでいたことが明らかになります。 例えば、佐原と親しくしながらも疎ましく思っていた人物が現れたり、とある登場人物の荒んだ言動の原因が、実は佐原にあったことが明かされたりします。 そして、佐原が忘れたかった出来事が彼の死をきっかけに浮上し、佐原の歪みが露呈していくストーリーは斬新で、思わずページをめくる手が止まらなくなるでしょう。 彼の歪みは佐原の口や推理からでなく、周りの言動から明らかになっていきます。主人公の死によって主人公が実は周りからどう認識されていたかが見えてくるストーリーは、他のマンガには無い魅力をもっています。

    短時間で読める涙ありのミステリー

    全3巻とコンパクトながら、ミステリーの他にもホラーや人間ドラマなどの要素を盛り込んだ『おくることば』は短時間で読破が可能な涙あり、感動ありのミステリーです。 ミステリーとしての謎とき要素はさることながら、主人公の死をきっかけに動き出す登場人物たちの心の移ろいが感動的なストーリーとなっています。 また、ネタバレ無しの初見で読んでも楽しめますが、話題となったきっかけである”感動のラスト”を知った上で読むと違うことが見えてくるため、何度も楽しめる作品です。 短時間で読破が可能な心温まるミステリーなので、気になった方はぜひ手にとってみてください。

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    ある日、男子高校生・佐原は交通事故により死亡した。だが、その死は事故によるものではなかった。幼なじみの少女・千秋によって殺されたのだ。なぜ千秋は自分を殺したのか――? 佐原の死をきっかけにクラスメイトたちの本当の想い、そして新たな真実が見えてくる。

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