マンガ『日常』が面白い。京アニがアニメ化した名作を堪能しよう

マンガ『日常』が面白い。京アニがアニメ化した名作を堪能しよう

『日常』は”日常”というタイトルでありながら、カオスでシュールな世界観や怒涛のギャグが展開されるのが特徴のギャグマンガです。一度読んだら忘れられない独特な世界観のギャグマンガ、『日常』の概要やあらすじ、キャラクターを紹介します。

  • 日常(10)

    少年・青年マンガ
    5.0
    580

    連載約10周年を迎えた「日常」もついに最終巻! 時定高校を中心に繰り広げられるよしなし事、そしてその先にある未来は…? はたして、迎えるのは大団円かハタマタ…!?

    『日常』ってどんなマンガ?

    『日常』はKADOKAWAの『月刊少年エース』を始めとした複数媒体で連載されていたギャグマンガです。どんな漫画か詳しく解説します。

    あらゐけいいち氏によるギャグ漫画

    『日常』は漫画家でイラストレーターの、あらゐけいいちさんが手掛けるギャグ漫画作品で、『月刊少年エース』で2006年から連載が開始されました。2015年に最終回を迎えましたが、2021年にあらゐけいいちさんのTwitterで「描きたくなっちゃったので「日常」、連載はじめます。」と同年10月26日発売の少年エース12月号より連載が再開されることが発表されました。 『月刊少年エース』のほか、4コマ漫画を中心とした『4コマnanoエース』でも連載されていました。そのため『日常』には、4コマ版と通常版があります。 『日常』の特徴としてまず挙げられるのが、そのシュールなギャグとカオスな世界観です。不条理や奇想天外なことが”日常”として存在している、投げっぱなしのギャグと同時に、個性的な登場人物たちによるシュールなツッコミが並走して展開されます。 シュールやカオスを売りにしているため面白さの説明が難しいマンガですが、人を引きつける魅力があるため、一度は手にとって読んでほしいマンガです。

    京都アニメーションがアニメ化

    『日常』は2011年にはアニメ化もされています。制作会社は、作画が丁寧なことで知られる京都アニメーションです。 2011年4月から9月まで全26話が全国各地の民法で放送された後、全13話に編集されたバージョンがNHKのEテレで夕方枠として再放送されました。NHKでの再放送が行われた際はSNSで話題となったほか、ファンの声によりNHKでもう一度再放送されるなど、その人気を受けた対応が話題になりました。 監督は『涼宮ハルヒの憂鬱』や『AIR』の監督としても知られる石原立也さんで、本多真梨子さんや相沢 舞さんなどの豪華声優が多数起用されています。

    『日常』のあらすじ

    『日常』は1話完結型のギャグ漫画で、連続したストーリーを持たないシチュエーションコメディ的な側面もあります。そのため、明確にあらすじといえる物がありませんが、物語は天才少女の”はかせ”が開発した人形ロボ”なの”が、近所にある高校に初めて通学する場面から始まります。 ”なの”は普通の人間として学校に通うことを喜びますが、高校は普通の枠を超えた個性的なキャラクターたちが多数いるシュールな学校でした。 そんなシュールな学校で”なの”はロボだとバレないように過ごしたり、学校で巻き起こるカオスなトラブルに巻き込まれたりしながら日常を過ごす事になります。

    『日常』のキャラクター

    『日常』の魅力はシュールな世界で平然と日常を送る個性的なキャラクターが織りなす、不可解な日常風景です。今回はそんな『日常』の面白さを引き立てる個性的なキャラクターたちを紹介します。

    相生 祐子 (あいおい ゆうこ)

    さまざまな登場人物が主役となる『日常』の中でも、主役になることが多いキャラクターが相生 祐子(あいおい ゆうこ)です。 作中で”ゆっこ”と呼ばれている彼女は、明るく元気な姿や天然ボケが特徴です。何故かインドネシア語で”おはよう”を指す「スラマッパギー!」という挨拶をしたり、意味のないギャグを発したりします。 不条理なギャグや言動をすることが多い彼女ですが、ストレートなボケを発することもあり、さまざまなボケを見ることができます。 ”みお”や”麻衣”と共に行動しているときの彼女の言動は、本作の見どころの一つと言えるでしょう。

    長野原 みお (ながのはら みお)

    相生 祐子こと”ゆっこ”と共に主役的に描かれることも多いキャラクターが長野原 みお (ながのはら みお)です。 天然でボケ倒す”ゆっこ”とは対象的にツッコミを担当することの多い彼女ですが、話によっては彼女が大暴走して怒涛のボケをかますこともあります。 淡い水色のツインテールや個性的な髪留めが特徴で、この髪留めが中心となってネタが展開する回もあります。 また、こっそりと同人誌を描いているという設定があり、彼女の同人誌関係のエピソードや髪留め関係のエピソードは人気の回となっています。

    水上 麻衣 (みなかみ まい)

    ”ゆっこ”や”みお”と共に行動している黒髪でメガネの少女が水上 麻衣 (みなかみ まい)です。常に無表情なことが特徴で、無表情のまま繰り出されるシュールなギャグに定評があります。 また、作中ではマイペースな寡黙な少女として描かれていますが、作中でトップクラスに破天荒な行動をしているキャラクターです。 優等生という設定ながら意味不明な言動、無表情で発するシュールなセリフ、斜め上方向のズレなどが見どころです。なぜか仏教関係のものが好きであるという設定があり、高度なギャグがさっと出てくるところも魅力的なキャラクターです。

    東雲 なの(しののめ なの)

    『日常』の1話で物語が始まるきっかけを作る少女が、東雲 なの(しののめ なの)です。 ”はかせ”によって作られた人型ロボットであり、背中に大きなゼンマイが刺さっているのが特徴です。作中ではロボであるがゆえに腕が取れたり爆発したりと、常人離れしたトラブルを巻き起こします。 真面目な性格のお人好しで、どこか不条理でシュールな登場人物たちが多いなかで比較的常識人として描かれています。 周囲にはロボであるとバレていますが、ロボであることをバレないようにごまかしたり、”普通の女の子”にあこがれたりするかわいい言動が魅力のキャラクターです。

    はかせ

    ”なの”を作った人物で、天才を自称する8歳の少女です。作中では”はかせ”として通っており、本名が一度も出てこないキャラクターでもあります。 しゃべる猫である阪本さんや、自身が開発した”なの”との不条理な会話が多く、その言動を元にしたギャグが魅力的なキャラです。 天才研究者らしく、不思議な発明品を開発しそれがトラブルを起こすエピソードや、夜中にトイレに一人で行けないといた少女らしい言動と、不可能を可能にする天才のギャップをテーマにしたエピソードが見どころです。

    阪本

    はかせの作った発明品で人間の言葉をしゃべるようになった黒猫です。 なのと並んで作中では常識人として描かれており、ツッコミを担当することが多いキャラクターです。また、はかせの親代わりを自称し、はかせの面倒を見ますが、彼女によって物理的にも精神的にも振り回されています。 ちなみに『日常』のサブキャラの一人でもある中村先生の飼い猫でしたが、なのに拾われたのを機会にはかせの研究所である東雲研究所で暮らしています。

    『日常』の魅力

    カオスでシュールなギャグが特徴の『日常』はアニメ化もされ、異例の再放送がされた作品です。そんな『日常』はどのような魅力があるのでしょうか。作品の魅力を二つ紹介します。

    個性の強い登場人物たち

    日常は不条理な世界で平然と暮らす、どこか普通でない人々を描いたギャグマンガです。そのため『日常』は密度の濃いシュールな世界観が特徴ですが、そんな密度の濃い世界観に負けない個性的な登場人物が多数登場します。 この個性的なキャラクターたちが織りなす不思議な日常と、その言動からくるおかしさこそが本作の魅力といえるでしょう。

    勢いのあるシュールギャグ

    日常の魅力は勢いのあるシュールなギャグです。カオスな世界観からくる投げっぱなしのギャグと同時に、登場人物たちがテンポの良いシュールなセリフを間髪入れずに発するため、非常に勢いのあるマンガとなっています。 また、テンポの良いギャグやキレの鋭いツッコミも見どころですが、集中線を多く使用したり、登場人物たちがオーバーなアクションを多くとったりするため、絵柄にも勢いがあります。 この勢いとキレのあるシュールなギャグこそが『日常』の醍醐味といえるでしょう。

    カオスでコメディな日常を堪能しよう

    不条理でカオスな世界観やシュールなギャグや、勢いの良いツッコミが日常的に存在する世界を描いた『日常』は他にない独特な世界観を持ったマンガです。 このほかにないシュールさが多くの人を惹きつけており、全国のさまざまな放送局で放送されたほか、NHKでも異例の放送が行われた魅力のある作品です。 まだ読んだことがない方は、この機会にぜひ『日常』を手にとり、その独特な世界観の魅力を実感してみてください。

  • 日常(1)

    少年・青年マンガ
    5.0
    540

    妄想がふくらみがちな夢見る女子高生・ゆっこの回りにはロボやらヤギやら謎なものがいっぱい。今日も微妙にシュールな日常が始まります。