バスケマンガあひるの空の基本情報まとめ。あらすじや見どころを解説

『あひるの空』は「週刊少年マガジン」で連載されているバスケマンガです。『あひるの空』が他のバスケマンガと何が違うのか、そしてアニメについて概要を説明します。

『あひるの空』は「週刊少年マガジン」で2004年から連載されている人気バスケマンガです。 主人公は身長が149cmと小柄ながら、強いバスケへの情熱を持った車谷 空（くるまたに そら）がバスケ部に入部したことをきっかけに物語が動き始めます。 弱小部が主人公の働きで変わっていく姿や、部活への熱意だけでなく、高校生活のリアルな空気も魅力の作品です。 発行部数は累計2400万部を超えている人気作品です。

連載が始まった2004年から15年がたった2019年にアニメ化がされています。 総監督に草川啓造さん、監督に玉木慎吾さんを迎え、全4クール（50話）が約1年をかけ放送されました。 主人公の空役に梶裕貴さん、その他に内田雄馬さんや小西克幸さん、谷山紀章さんや宮野真守さんといった実力ある盤石のキャスト陣が周りを固めました。 アニメの放送は2020年に終わっていますが、2021年11月現在、各配信サイトにて視聴することができます。

アニメ化もされ、15年以上がたった今も連載が続く『あひるの空』の見どころはどんなところでしょうか。見どころとなるポイントを解説します。

スポーツマンガにおいて負ける試合が取り上げられることは多くありません。しかし『あひるの空』では主人公、空が所属する九頭龍高校が負けるシーンが多くあります。 負けるシーンが多いと聞く気が滅入るマンガの様に思えるかもしれませんが、この負ける展開こそが本作の魅力です。 空たちは試合に負け、挫折を経験しそれを糧に成長していきます。本作はこの挫折からの成長の描写が魅力的で、負けているにもかかわらず熱い展開を見ることができます。 また、挫折や成長が丁寧に描かれる本作だからこそ、九頭龍高校のバスケ部のメンバーが勝利を掴む姿が爽快と言えるでしょう。

主人公の空を含め、登場人物たちはコンプレックスを抱えています。 例えば、主人公の空はバスケット選手としては不利な”小柄な体型”というコンプレックスを抱えている他、登場人物の中には過去の試合でボロ負けしたことをきっかけに不良にドロップ・アウトした経験を持つなどのコンプレックスを抱えています。 また、試合に勝利した選手だけでなく負けた選手も丁寧に描写しています。彼らの悔しさや悲しみが描かれていることで物語に深みが出ていることも見どころの一つです。 他にもリアルな高校生の描写がうまく、高校ならではの雰囲気を最大限描写していることも魅力と言えます。

『あひるの空』はバスケマンガですが、バスケ以外の高校生活もしっかりと描かれていることが特徴です。 そのため、部活動以外にも高校生ならではの恋愛や人間関係の葛藤、勉強に対する悩みやいじめ問題といった高校生の日常的な内容も扱っています。 また、バスケで活躍できなかった人や脇役といった、普通のスポーツマンガではスポットが当てられない人物まで丁寧に描かれています。 このバスケ以外の高校生活の描写に共感を覚える人は多く、本作の見どころの一つと言えるでしょう。

バスケマンガとしての面白さに加え、登場人物の心理描写が丁寧な事が有名な『あひるの空』ですが、どの様なストーリーなのでしょうか。簡単なあらすじを紹介します。

『あひるの空』は九頭龍高校、通称クズ高のバスケ部が舞台です。 しかし、主人公でバスケに情熱を燃やす小柄な青年、車谷空（くるまたに そら）が入学した当初のバスケ部は、花園百春（はなぞの ももはる）や、その兄花園千秋（はなぞの ちあき）が仕切る不良のたまり場でした。 そんな不良のたまり場に純粋にバスケが好きな空が現れたことで、過去にバスケをしていた経験のある花園兄弟を初めとしたバスケ部の部員の心を動かし、バスケ部は活動を開始します。

バスケに情熱を燃やす空の影響で活動を開始した当初は弱小バスケ部でした。 しかし、物語が動き始めると徐々に変化し、後にチームに欠かせなくなる、夏目健二（なつめ けんじ）や茂吉 要（しげよし かなめ）が加入しバスケ部らしく成っていきます。 そうして力をつけたバスケ部は初めて試合に出場しますが、善戦したものの負けてしまいます。試合で負けたことや、とある事件により部活が廃止の危機に陥ります。 しかし、空の情熱に心を動かされていた部員たちは「バスケがしたい」という思いから、復活のために奔走します。

丁寧な人物描写がみどころの『あひるの空』には魅力的なキャラクターが多数登場します。そんな魅力的なキャラクターの中でも、今回は主人公の車谷空を始めとした主要キャラクターを紹介します。

身長149cmと小柄な体格が特徴の車谷空（くるまたに そら）は『あひるの空』の主人公です。 バスケ選手だった母と、監督として優秀な父を持ち、小柄ながらも3Pシュートを武器に活躍します。 ”バスケバカ”とも言える一直線な性格をしており、バスケに掛ける情熱が熱いことが特徴のキャラです。しかし、その情熱は周囲の人間を動かすほどであり、物語は彼を中心に展開していくことになります。

九頭龍高校のバスケ部のキャプテンを務めるのが花園 百春（はなぞの ももはる）です。 中学時代からバスケに打ち込んでいましたが、シュートが下手でバスケをやめて不良へとドロップアウトした経験を持ちます。 主人公の空の入学後は彼の影響でバスケを再開し、キャプテンとしてチームを引っ張っていくことになります。不器用で短気な性格ですが、責任感が強く、チームのことを考えている姿が魅力のキャラクターでもあります。

九頭龍高校バスケ部の司令塔的な役割を果たすことになるキャラクターが花園 千秋（はなぞの ちあき）です。 弟の花園百春の影響でバスケを初めた彼は天才肌で、抜群のテクニックやパスセンスを持っています。しかし、カッコ悪いことが嫌いで、中学時代はボロ負けした試合から逃げ出し弟とともに不良にドロップアウトした経験を持ちます。 天才的なセンスを持つ彼ですが、アフロからお菓子を取り出す他、その容姿故に失恋するなど、ギャグっぽい側面も持つキャラクターとして描かれています。

バスケ部の活動開始以降に加入したメンバーの一人が夏目 健二（なつめ けんじ）です。 コーンロウの髪型とタトゥーが特徴で、バスケットボールの才能があり、エースとしてチームを引っ張っていく事になります。当初は協調性に欠けるプレーが目立ち、孤立気味な彼でしたが、チームが成長していくと共に成長し、チームプレーを心がけるようになっていくさまが見どころのキャラです。 また、荒い言動が目立つ一方、実は優しい一面を持つなど意外な性格を持っているのも魅力です。

茂吉 要（しげよし かなめ）は身長198cmの恵まれた体格が特徴で、バスケ部の活動開始以降に加入したメンバーの一人です。 小学6年生の頃には180cmを超える体格から、中学時代は強豪校でバスケに打ち込んでいました。しかし、強豪校というプレッシャーに耐えかねバスケをやめてしまった経験があります。そのため、九頭龍高校ではバスケに関係ない科学部に在籍していましたが、後に空の勧誘でバスケ部に加入します。 ゆったりとした話し方でありながら毒舌家という一面や学業優秀などの側面を持っているキャラクターです。

『あひるの空』は青春マンガとしてもバスケマンガとしても面白さがあるマンガです。 バスケを通して成長していく姿やリアルな高校生を緻密に描き、高校特有の空気感を描写しているところが、唯一無二の特徴とも言えます。バスケに打ち込んだ事ある人はもちろん、高校のときになにかスポーツに打ち込んでいた人なら思わず共感してしまう場面が多くあるマンガです。 15年以上の連載が続いている「週刊少年マガジン」を代表するマンガのひとつなので、気になる人は読んでみてください。