「カーストヘヴン」ってどんなマンガ？ネタバレなしで見どころも紹介

緒川千世さんの描くBLマンガ『カーストヘヴン』は、キングの座から最底辺へと落ちていく受け、そんな受けに執着する攻めの下剋上BLです。いじめというシリアスな要素を含みながらも、BLならではの萌えを感じられるストーリー展開は目が離せません。 そんな本作品について、まずはあらすじを見ていきましょう。

『カーストヘヴン』は、スクールカーストが物語のカギとなって、男同士の恋愛がより刺激的に描かれていきます。クラス内で秘密裏に行われている"カーストゲーム"は、ある日突然教卓の上に空のトランプのケースが置かれることがスタートの合図です。 校内にばらまかれたトランプのカードを1枚探して教室に戻り、カードの階層によってクラス内での序列が決まります。最上位は王様である"キング"、最下層のいじめの標的となるのがジョーカーのカードで"ターゲット"です。 カースト下位が上位に逆らうことは許されず、カーストゲームに参加しない者は強制的にターゲットにされてしまいます。

主人公の梓 裕也（あずさ ゆうや）は、クラスのトップに君臨するキングでした。しかし、新たに行われたカーストゲームの際に、かつて自分の取り巻き"ワナビー"だった刈野(かりの)に裏切られ、最下位のターゲットになってしまいます。 忠犬とまで呼ばれていた刈野は態度を豹変させ、「俺に犯されるか皆にマワされるかお前に選ばせてやる」と言うのです。梓はクラス全員からのいじめよりも、刈野に抱かれることを選択します。 気の強い梓は、自分を裏切ってキングになった刈野と関係を結びながらも、「いつか必ず俺がお前を屈服させてやる」と自尊心を失いません。梓と刈野、クラスメイトの久世と鐘など、カーストゲームで決められた階層の序列を絡めながら、それぞれの関係性が変化していきます。

『カーストヘヴン』は、暴力的ないじめの描写やシリアスな展開がありますが「巻数が進むほど萌えすぎてヤバイ」とハマってしまう人が続出の作品です。大人気の『カーストヘヴン』について、どのような見どころがあるのかチェックしてみましょう。

本作品の面白さの秘訣は、ずばり"カーストゲーム"の設定が魅力的だという点です。カーストゲームによってキングからターゲットに転落したり、好きな相手に強いカードを取らせたりと、それぞれの立場が逆転するドキドキ感が味わえます。 スクールカーストを扱ったマンガは他にもありますが、BLらしいHシーンが加わることでより刺激的に描かれているストーリーは類を見ない面白さです。

『カーストヘヴン』には、個性的なキャラクターが登場します。全員ひとクセあるキャラクターたちで、カーストゲームにおいてもそれぞれの思惑で行動するため、ストーリーがどんどん進展していくのです。 主人公の梓はトップから最底辺に落とされ、刈野に身体を許すことになりますが心は許さず、ぶれない真っ直ぐなかっこよさがあります。強気な俺様美人受けと、どこか不器用さを感じさせる攻めが少しずつ距離を縮めていく様子に思わず悶えてしまうことうけ合いです。

『カーストヘヴン』は、強気な性格の男前受けが好きな人や、色っぽく挑発的な受けが好きな人におすすめの作品です。脇役カップルの人気も高く、主人公カップル以上にハマってしまうという人も珍しくありません。 そんな本作品において、物語の中心となる人気のキャラクターを見ていきましょう。

梓は、クラス全員を屈服させていた元キングです。新たに行われたカーストゲームによって、最底辺の階層であるターゲットにされてしまいました。 母子家庭で、懸命に自分を育ててくれる母親のことを案じています。いじめの標的にされても強気な性格は変わらず、"搾取される側"にはならないと誓っている芯の強いタイプです。 キング時代には女生徒と関係を持っていました。刈野に裏切られて犯されても反抗的な態度を取ったりと男らしさがあります。盗撮写真が売られているなど、男子生徒をも興奮させるような色気を感じさせるキャラクターです。

梓の取り巻き"ワナビー"で、忠犬カリ公と呼ばれるほどの腹心でした。梓に対して赤面するなど純情な性格のように見せていましたが、カーストゲームで梓を騙しキングの座につきます。 経済産業大臣の長男で、厳格な家に育ち将来を約束された優等生です。学生生活を暇つぶしだと考えて、表面上は取り繕っていましたが、キングになってからは、本性を見せるようになります。 梓の苦痛に歪んだ顔や屈辱を感じる表情を見ることで興奮する鬼畜眼鏡攻めです。梓に酷いことをしながらも、自分以外は手を出さないようにする独占欲の強さがあります。

元ターゲットで、梓をはじめとするクラス中からいじめられていました。新たなゲームではプレップスのカードを見つけますが、久世が自分のカードと交換したことでハイクラスであるジャックの地位になります。 黒髪に眼鏡をかけた大人しいタイプの心優しい生徒で、引っ込み思案ないじめられっ子タイプです。王子様のようにかっこいい久世に憧れていて、彼と関係を持ち優しくされることでだんだんと惹かれていきます。 久世に抱かれていくうちに快感に弱い一面を見せるようになり、彼に独占欲を抱くようになるシーンは必見です。

元はジャックの地位にいましたが、好意を寄せる鐘と人目をはばからず仲良くしたいという理由で、カードを交換しプレップスになりました。昔自分がかわいがっていた子ウサギと鐘を重ねていて、彼を守った愛することに固執しています。 育ちがよく、身長が高く外見がよいためモテるタイプですが、鐘に対して異常なほどの執着心を抱いているヤンデレです。鐘が自分から離れないように大切に守ろうとするのですが、心の奥底では屈折した感情を抱いていて、快楽で鐘を束縛していきます。

『カーストヘヴン』は、2021年8月6日発売の『マガジンビーボーイ2021年9月号』でついに最終回を迎えました。7年半という長期連載でも人気が衰えることはなく、最終話まで見逃せないドキドキの展開が続きます。 BLドラマCD化やスマホゲーム化などもされているほどの人気作品で、マンガだけではなくさまざまなメディアでファンを楽しませてくれる作品です。学園内でのカーストゲームがどのような結末を迎えるのか、気になった人はぜひ1巻からまとめて読んでみてはいかがでしょうか。