愛、裏切り、絶望。それぞれの罪が絡み合い、複雑な人間関係に影を落としていく漫画『ギルティ〜鳴かぬ蛍が身を焦がす〜』の紹介をしていきます。本作の概要や見どころ、それぞれの罪が動き始める序盤のあらすじなどを解説していきます。
ギルティ ~鳴かぬ蛍が身を焦がす~(9)
少女・女性マンガ電子書籍で大ヒット!! TVドラマ化もされた話題のコミック。 35歳の爽(さやか)は、結婚して10年経つ夫とふたり暮らし。子供が欲しいと思っているが、夫の一真(かずま)には拒否されてしまう。一真が爽の友人である瑠衣(るい)と不倫をしており、さらに一真には別の女性と隠し子がいることが判明し離婚する。寺嶋(てらしま)に突き落とされ昏睡状態から目を覚ました瑠衣。なんと、怪我の影響による記憶喪失で秋山の家に帰ってくることに。毒気が抜けた瑠衣をまえにし、憔悴する爽。そして、寺嶋の行方は――?裏切りが加速する第9巻! Episode 40~44を収録。
ギルティの概要
『ギルティ〜鳴かぬ蛍が身を焦がす〜』が掲載されている媒体や作者の情報、2020年に放送されたドラマ版についての解説などをしていきます。
丘上あい作のラブサスペンスマンガ
『ギルティ〜鳴かぬ蛍が身を焦がす〜』は夫婦を中心とした泥沼の人間関係を描いたラブサスペンス漫画です。 作者である丘上あいさんは第9回デザート新人まんが大賞で佳作を受賞した後、2001年に雑誌『THEデザート』にて『ハニー!!』という作品でデビューしました。 この作品を皮切りに丘上あいさんは『赤ちゃんホスト』や『ネコろび八起き』など多くの作品を発表していきます。 『ギルティ〜鳴かぬ蛍が身を焦がす〜』は2017年9月15日からコミック配信サービス『まんが王国』で配信が始まりました。また作品は2021年8月の時点では連載中であり、コミックスは8巻まで発売しています。
2020年4月にドラマ化
『ギルティ〜鳴かぬ蛍が身を焦がす〜』は2020年4月2日から8月6日まで"読売テレビ"の"木曜ドラマF"枠で放送されていました。 ドラマ版ではタイトルが『ギルティ〜この恋は罪ですか』に変更されています。ドラマの情報を調べる際には注意しましょう。 主人公の荻野爽(おぎの さやか)役を新川優愛さんが演じました。他にも爽の旦那である荻野一真(おぎの かずま)役を小池徹平さん、爽の友人である及川瑠衣(おいかわ るい)役を中村ゆりかさんが演じています。 ドラマ版『ギルティ』はドロドロとした人間関係とキュンキュンする恋愛模様から"ドロキュンラブストーリー"と呼ばれ、人気を博しました。
ギルティの見どころ
『ギルティ〜鳴かぬ蛍が身を焦がす〜』はラブサスペンスという珍しいジャンルであり、いくつもの特徴があります。ここではそんな本作の見どころの一部を紹介していきます。
登場人物全員が裏切り者
登場人物全員が何かしらの嘘や秘密を抱えています。その嘘は浮気で合ったり、不倫だったりと、別の人物にとっては裏切りととられてしまう行動につながるのです。 物語が進んでいく中で、登場人物たちの抱える秘密が表面化していき、人間関係を悪化させます。ドロドロした人間の欲望や悩みを、リアルに描いている作品です。
先が気になる衝撃展開の連続
裏切りや嘘、秘密を主題に扱った作品であるため、人間の汚い部分や弱い部分に焦点を当てたシーンが多く含まれています。 そのため登場人物一人一人に油断できず、常に緊張感のあるストーリーが展開される作品となっています。 ページをめくる手が止まらない衝撃展開の連続が本作の魅力の一つと言えるでしょう。
主な登場人物
ここでは序盤に登場する三人の紹介をしていきます。3人の立ち位置やキャラクター像を把握しておくと、本作をより楽しめます。
萩野 爽
35歳で女性ファッション誌の編集部で働いています。明るく真面目で仕事ができるので、上司や部下からの信頼が厚いです。 両親とは折り合いが悪く、特に母親には強い抵抗意識を持っています。子供が欲しいと思ってはいますが、そのことを夫である一真に中々切り出せずにいます。
荻野 一真
広告代理店に勤務している爽の夫です。献身的に家事をやってくれて、中でも料理の腕前はかなりのものです。 爽が子供を欲しいことを知っていながらも、暗にそれを拒否するような態度を示しています。
及川 瑠衣
爽の年下の友人です。爽の行きつけのバーである"チートン"で彼女の相談によく乗っています。 自身の素性は爽に明かしておらず、分かっていることは同棲中のニートの彼氏がいることくらいでした。
ギルティのあらすじ
ここでは『ギルティ〜鳴かぬ蛍が身を焦がす〜』の序盤のストーリーを解説していきます。裏切りの連鎖の序章をぜひご覧ください。
結婚10年目を迎え子供が欲しいと悩む爽
女性ファッション誌の編集部で働く爽は仕事は順調で、夫である一真との仲も良好でした。 唯一不満があるとすれば結婚10周年を迎えた現在、二人の間に子供がいないということです。 一真と夜の営みを行う際、爽は思い切って避妊具を着けなくてもいいと言いますが、一真からは「サーちゃんのこと困らせたくないから」と言われ、拒否されてしまいます。
爽は夫婦の悩みを友人の瑠衣に相談するが
爽は一真との行為後、家を抜け出し行きつけのバーである"チートン"へと足を運びました。そこで爽は友人である瑠衣に悩みを打ち明けます。 彼女に相談していく中で、言いたいことは我慢せずに言ったほうがいいという結論に達した爽は帰宅後、寝ている一真を起こし子供が欲しいことをはっきりと伝えました。しかし、一真からは子供は欲しくないと言われてしまいます。 一真は夫婦としてではなく、恋人として爽と一緒にいたいと考えていたのです。描いていた未来の姿が違っていたことにショックを受けた爽は再び"チートン"に顔を出し、瑠衣達に慰めてもらうのでした。
夫の浮気を疑い始める爽
心にわだかまりはあるものの、爽は一真の気持ちを汲み、以前と変わらぬ態度でいようと決めました。 ある日の夜、爽はお風呂上がりにうっかり椅子の上に置いてあった自分のバッグを落としてしまいます。床に散らばった物を戻していく中で、彼女はバッグの中にGPSが紛れていた事に気づきます。浮気か何かを疑われていると思った爽はこれまでの会話を思い出し、一つの違和感に気づきました。 この日の一真との食事中に彼から"チートン"に連れて行って欲しいと言われていましたが、憩いの場を知られたくないと思った爽はやんわりとそれを断ってしまいます。実は爽は行きつけのバーの店名を、今まで一度も一真に教えたことはなかったのです。 爽はこの時から一真の浮気を疑うようになりました。
複雑な人間関係と怒涛の展開に目が離せない
『ギルティ〜鳴かぬ蛍が身を焦がす〜』は初めは見えなかった人間関係の糸が、徐々に明らかになっていく作品です。 また、登場人物それぞれが何かしらの罪を抱えています。そういった点では本作は罪とは何かを考えさせられる作品とも言えるでしょう。 複雑な人間関係の中で明らかになる罪と、怒涛の展開の連続に夢中になる『ギルティ〜鳴かぬ蛍が身を焦がす〜』をぜひご覧ください。