『orange』は高校生同士のラブストーリーに未来からの手紙というSF要素を加え話題になった人気少女漫画です。『orange』の概要やキャラクターの魅力、原作と映画版の違いについて解説していきます。
「orange」ってどんなマンガ?
ここでは『orange』についての概要を解説していきます。いつ頃から連載が始まり、どのようにメディア展開していったのか見ていきましょう。
月刊アクションで連載、6巻で完結
『orange』は『別冊マーガレット』で連載されていました。作者は高野苺三さんで、連載開始は2012年の4月号からです。12月号まで連載した後休載し、その後『月刊アクション』に移籍したのち、2014年の2月号から2015年の10月号まで不定期で連載されていました。 また、2016年には番外編が同じく不定期で連載されており、コミックスは全6巻が発売中です。1〜5巻までが本編、6巻では番外編が描かれ、本編完結後の二つの物語が収録されています。
小説や映画化などのメディアミックスも
『orange』はマンガだけでなく、さまざまな媒体でメディアミックス展開されている点も特徴の一つです。2015年には双葉ジュニア文庫から本作の小説が発売されており、こちらは全3巻まで発売中です。 同年の12月には映画化もされ、翌年2016年の7月にはアニメが放送されました。マンガを読んで『orange』をもっと楽しみたいと思った方は、こちらを参考にいくつか見てみるのもよいかもしれません。
「orange」の魅力は?
ここからは、マンガ版『orange』の魅力について紹介していきます。
仲良しクラスメイト達のかけあい
主人公の高校生、高宮 菜穂(たかみや なほ)は、社交的で優しい須和 弘人(すわ ひろと)、運動は苦手だがユーモラスな萩田 朔(はぎた さく)、明るいギャルの村坂 あずさ(むらさか あずさ)、冷静で勇敢な茅野 貴子(ちの たかこ)と仲良しです。彼らは転校生である成瀬 翔(なるせ かける)ともすぐに打ち解け、次第に深い友情で結ばれていきます。 個性が強く性格もバラバラですが、そんな6人だからこそ繰り広げられるテンポのよい掛け合いや、高校生らしいトークが本作の魅力の一つです。 互いに協力し、思いやりながらさまざまな困難に立ち向かう姿からは、彼らの仲のよさを感じ取ることができるでしょう。
未来から届いた手紙の内容
未来の自分から手紙がくるというSF的な要素も、本作の魅力を語る上では欠かせないポイントです。高校2年生の始業式の日、菜穂のもとに10年後の未来の自分から手紙が届きます。 この手紙は日記のような形式になっていて、菜穂にこれから起こることが綴られていいました。最初はイタズラだと思っていた菜穂ですが、手紙に書かれている出来事が次々と起こるにつれ、やがて本物の未来からきた手紙だと信じるようになっていきます。 未来を知ることに恐怖を感じる一方で、菜穂は「10年後の今、翔はここにいません」という一文が引っ掛かっていました。 そのため菜穂は、手紙に書かれている「過去に後悔していること」を克服することで未来を変えようと努力します。後悔を克服していく中で翔が存在する未来を新しく作るため、菜穂は数々の苦い出来事にも全力でぶつかっていくのです。
切ない恋の行方
『orange』では作中さまざまなキャラクターの恋愛模様が展開されていきますが、中でも菜穂と翔、須和の三角関係からは目が離せません。 仲良しグループの1人である須和は菜穂に好意を持っています。しかし一方で菜穂と翔の気持ちを知っているため、あえて身を引くことで2人を近づけようとしているのです。 須和にとっては菜穂だけではなく、翔もかけがえのない友人です。お互いを思いあう菜穂と翔に加え、大切な2人のために恋を諦めようとしている須和の絶妙な三角関係も本作の魅力であるといえるでしょう。
気になる「orange」の映画の内容は?
『orange』はマンガの他にもさまざまなメディア展開を行っています。中でも特に有名なのは、実写映画化です。映画版『orange』は原作とは異なるストーリー展開が話題になりました。ここでは映画版『orange』のより詳しい内容を紹介していきます。
土屋太鳳と山﨑賢人が主演
映画版『orange』では主人公である菜穂役を土屋太鳳さんが演じ、物語の鍵となる翔役を山崎賢人さんが演じました。 2人はこの作品以外にも朝の連続テレビ小説『まれ』やNetflixで配信中のドラマ『今際の国のアリス』などで共演しています。
原作との違い
映画版『orange』では原作とは異なる点がいくつか存在します。 例えば菜穂たちが未来から手紙を送る手段ですが、原作とは少し異なります。映画版ではタイムカプセルを地面に埋めることで過去へ手紙を送りました。 他にも翔のいなくなった日が2月15日ではなく、大晦日の12月31日だったり、その大きな原因となる母親からのメールが、映画ではメッセージムービーに変わっていたりします。 他にもいくつか違う点があるので、原作と比べて鑑賞してみると面白いかもしれません。
ハンカチなしでは見られないラブストーリー
菜穂は未来の自分から手紙を受けとっているため、翔がいなくなってしまうことや、その原因を知っています。仲良しグループは翔の未来を変えるため、力を合わせて必死で行動することになるのです。 しかし、その行動は成功ばかりではなく、時には失敗することもあります。そもそも未来を変え続けたとしても、それは必ずしも翔のいる未来を保証してくれるわけではありません。 それでも菜穂たちは迫り来る未来との恐怖に戦いながら、翔のために尽力していきます。果たして翔の運命はどう変わり、菜穂と翔の恋の行方はどこへ向かっていくのでしょうか。最後まで目が離せないラブストーリである本作を、ぜひ手にとってみてください。