マンガライアー×ライアーは義理の姉弟の不思議な恋愛を描いた話題作

本作のジャンルや、メディアミックスもされているので、そちらの情報も併せて紹介していきます。

ジャンルは恋愛マンガで、講談社の雑誌『デザート』にて2010年から2017年まで連載されていた作品です。 作者は金田一 蓮十郎（きんだいち れんじゅうろう）さんで、『ジャングルはいつもハレのちグゥ』『ニコイチ』などのヒット作でも知られるマンガ家です。 本作の内容は、義理の関係にある姉と弟が、ひょんなことから仲を深めてしまうというお話になっています。さらにそこへ昔好きだった男性が現れ、複雑な状況になっていくのです。

2021年2月、実写化され映画となりヒットしました。主役の湊と透を演じたのは、森 七菜（もり なな）さんとSixTONESの松村 北斗（まつむら ほくと）さんでした。監督は、耶雲 哉治 （やくも さいじ）さんが担当しています。 映画の主題歌もSixTONESが務め、『僕が僕じゃないみたいだ』というタイトルの楽曲で、映画の雰囲気にマッチしておりヒットしました。

義理の弟が、変奏中の姉に気付かず恋してしまうという変わった設定が本作の特徴です。序盤の展開をメインに、あらすじを紹介しましょう。

主人公の湊はある日、友人である真樹が引っ越しをするということで、その手伝いをしに彼女の家へ赴きます。義理の弟、透の女癖が悪いことなどを愚痴りながら作業をしていると、真樹が高校時代に着ていた制服を発見しました。 制服の可愛さに湊のテンションが上がっていると、真樹は試しに着てみることを提案します。さらに真樹は悪のりし、髪型とメイクを変えさせ、湊に渋谷を歩いてみようと促したのです。 言われるがまま女子高生の姿で渋谷を歩いていた湊は、偶然、透と出くわしてしまいます。

義理の姉が女子高生姿で街を歩いていることに驚き「何してんの？」と尋ねる透でしたが、湊はどうにか乗り切ろうと「みな」という偽名を使い、他人のフリをして誤魔化そうとします。 すると透は人違いだったみたいだと謝り、事なきを得ました。しかしその時、透はなんと湊に連絡先を聞き出します。携帯を持っていない、と逃げ切ろうとする湊に対し、「気が向いたら連絡ちょうだい」と自らの連絡先を渡して透は去りました。 適当なタイミングでネタばらしをしようと考える湊でしたが、透はわざわざ携帯を贈ったり、これまでの女性関係を切ったりと熱烈なアプローチをしてきます。

何度かデートを重ねるうち、湊は「あえて自分と気付いてからかっているのでは」と疑問を持ちました。それを真樹に相談すると、試しに高価なものでもねだってみれば、と助言を受けるのでした。 アドバイス通り、高額な財布を欲しがってみると、透はそれをあっさり買ってしまいます。罪悪感や戸惑いの感情でどうしたらいいか分からなくなってしまった湊は、せめて財布分くらいはとデートに付き合います。 そして彼がわざわざ全ての女性関係を切ったことなどを思い返し、意を決して彼の告白にイエスの返事を出すのでした。

同時期、湊は大学のサークル交流会で一人の男性と出会います。それは小学生の頃塾で一緒だった、烏丸 真士（からすま しんじ）でした。 お城が好きという共通の趣味や、昔の話題などで盛り上がり、二人の仲は縮まります。なんといっても、真士は昔湊が密かに憧れていた男子だったのです。 久しぶりの再会、そしてかっこよくなっていた真士にちょっとドキドキしてしまう湊は、透との奇妙な関係を断ち切って真士を好きになろうと決意します。

透とは一度付き合ってから別れることで清算しようと考えますが、透の真っ直ぐな愛情に困惑してしまいます。 本気なのが伝わってくるからこそ、簡単に別れを切り出せなくなってしまった湊は、真樹に合コンのセッティングを依頼しました。そこに透を呼んで、他の女性と仲良くさせようとしたのです。 しかしそこでも透は他の女性に一切なびかず、「みな」への一途な思いを証明しました。 一方で真士からもアプローチされた湊は、突然のモテ期に戸惑い、もはやどうすれば良いのかさっぱり分からなくなってしまうのでした。

本作は、主人公である湊とその相手、透や真士を中心に話が進みます。その3人について、詳しく見ていきましょう。

日本史研究同好会というサークルに所属している、20歳の女子大生です。中学生の時に義理の弟、透のある光景を見て以降、潔癖な性格になってしまいました。また、透が異様にモテるため、昔からそのとばっちりを受け、現在透とはやや距離がある状態です。 考えごとをしたい時、物事に悩んでいる時は掃除をすることでモヤモヤを発散させる癖があり、友人の真樹からは重宝されています。 女子高生に変装している時は「みな」という名前を使い、正体を隠しながら透と接し続けています。 優しい女性ですが、優柔不断な面もあり、また自身に向けられた恋愛感情に鈍感な面もあります。

湊の義理の弟で、すらっとしたスタイルと整った顔立ちが特徴です。かなりのイケメンゆえか、昔から女性に言い寄られることが多く、本人もまた好きかどうかは関係なく、そのような女性らと関わりを持ってきました。 女癖の悪さを直そうとした湊がみなの姿で「遊びの人は全員切ってほしい」と言ったところ、あっさり女性関係を切るほどストレートな性格です。なおこの時、女性たちの怒りを買いたくさんの怪我をしています。 湊曰く女遊びが激しいやつ、というキャラクターでしたが、みなに対しては相手の嫌がることをせず、ひたすら尽くすなどこれまでの振る舞いからは想像できない面を見せています。

歴史系のサークルに所属している大学生の男子で、交流会にて湊と会って仲良くなりました。小さい頃塾で彼女とは既に会っており、飲み会では初対面ではありません。 爽やかな外見と、スマートな振る舞いでいかにもモテそうなキャラクターですが、彼女の有無を湊に聞かれた際はいないと返答しています。湊のことが気になっているようで、再会以降は積極的に話しかけたり、飲みに誘ったりとアプローチをしていました。 飲みの帰りで湊に告白しますが、実は小さい頃から彼女のことが気になっていたことも、この時明らかになります。

『ライアー×ライアー』は、気まぐれで女子高生に変装したことがきっかけで義理の弟から言い寄られ、さらに昔の知人と偶然再会したことで、彼からもアプローチされるという奇妙な三角関係を描いています。 湊はいつ真相を打ち明けるのか、そして三角関係の行方はどうなるのか、続きが気になる展開の連続で、変わった設定が好きな人にぜひおすすめしたい作品です。まだ読んでいない人は、ぜひこの機会に手にとってみてはいかがでしょうか。