「異世界薬局」とはどんなマンガ?なろう小説からコミカライズ!

「異世界薬局」とはどんなマンガ?なろう小説からコミカライズ!

異世界に転生して得たチートな能力は、武力や魔法ではなく「人を助ける力」だった――。「異世界薬局」は、医学の未発達な世界に転生した創薬研究者が、現代医学の知識で人々を救っていく、一味違った異世界ものです。ここでは「異世界薬局」のあらすじや見所、キャラクターについて紹介します。

目次

  1. 1
    「異世界薬局」概要
    2015年より「小説家になろう」に投稿
    作者はがんの研究に取り組む現役研究者
  2. 2
    本作品の見所は?
    詳しく描かれた現代医学
    ロマンあふれる世界観や時代背景
    複雑に絡まる人間関係も
  3. 3
    確認しておきたい「あらすじ」
    過労死した主人公が異世界に転生
    チート能力と現代の医学知識で薬局を開いて…
  4. 4
    世界を作り出す主要キャラクター達
    ファルマ・ド・メディシス
    ブリュノ・ド・メディシス
    エレオノール
    シャルロット
    エリザベート二世
  5. 5
    科学的考証に裏打ちされた知識も面白い
  • 異世界薬局(7)

    少年・青年マンガ
    4.9
    650

    隣国の運搬人と聖騎士が持ち込んだのは、黒死病に感染した「白いリス」。奮闘むなしく、感染源はついに帝都に放たれた。そして混乱のさなか、邪悪な黒幕の存在が明らかとなる。

    「異世界薬局」概要

    「異世界薬局」は、今や一大ジャンルとして人気が定着した異世界転生設定の作品です。主人公の若き創薬研究者・薬谷完治は、ハードな業務の末に過労死してしまいました。その後、神力という特殊能力が存在する世界に転生します。 決して医学が進んでいるとは言えない世界で、自らの持つ現代医学の知識を人々に伝え、救いたいと奮闘する姿は応援したくなってしまいます。

    2015年より「小説家になろう」に投稿

    「異世界薬局」は小説投稿サイト「小説家になろう」で2015年から連載されている同タイトルの小説が原作です。2016年に書籍化され、同年には高野聖さん作画でコミカライズ版もWebでの連載がスタートしました。2021年現在、書籍8巻、コミカライズ版は7巻が刊行されています。

    作者はがんの研究に取り組む現役研究者

    「異世界薬局」の原作者・高山理図さんは現役の研究者です。がんの研究に取り組むかたわら、「小説家になろう」に複数の作品を投稿しており、書籍化されるのは「異世界薬局」が2作目になります。 原作者ご本人の科学・薬学知識が豊富なだけでなく、現役の医師や医学博士、薬剤師などの医療関係者も監修・考証に参加しています。そのため、異世界ものでありながら、現実の世界にも応用できる医学知識が反映された、読み応えのある作品になっています。

    本作品の見所は?

    異世界ものの見所と言えば、激しいバトルや魔法合戦が定番ですが、「異世界薬局」はどうなのでしょうか?ポイントを見ていきましょう。

    詳しく描かれた現代医学

    「異世界薬局」の見所は、なんといっても詳しく描かれた現代医学です。 主人公の薬谷はもともと薬学に関しては最先端の知識を身につけた創薬研究者です。そのため、ファルマの世界で薬として使われているものが毒物だったり、効果があるとは思えないものだったりする現状をたちどころに見抜くことができました。 ファルマとしての生命や強大な神力とともに手に入れた「診眼」の力で、薬谷は人々の病気やケガ、慢性症状を診断しては現代医学に基づいた処方で薬を調合していきます。 作品の中では、実際にどんな薬にどのような効果があるのか、薬をどうやって作るのかなど、化学式も交えて詳しく紹介されています。物語を楽しむだけでなく、マンガを読みながら医学の知識が学べるというおまけつきです!

    ロマンあふれる世界観や時代背景

    異世界ものの魅力の一つが、ロマンあふれる世界観です。 ファルマが生きるのは、自動車や飛行機といった文明の利器の代わりに、守護神や神力が存在する世界です。 ファルマの住むサン・フルーヴ帝国の女帝・エリザベート二世を筆頭に、すべての貴族は守護神を持ち、洗礼の儀で守護神を鑑定し祝福を受けることで、神術という特殊能力が行使できるようになります。神術を使えることが貴族の証とされているのです。そのため、貴族の家に生まれても適性がなかったり守護神が得られなかったりすれば、一族から絶縁され、平民に落ちるというシビアな定めがあります。 一見ファンタジックな世界でも、持つ者と持たざる者、支配する者とされる者が歴然と分けられている社会の仕組みは、現実の人間社会にも通じるところがあり、身近に感じられるのではないでしょうか。 また、中世のヨーロッパを思わせる、ド・メディシス家や皇帝の居城などの豪華絢爛な建築や内装、人々の髪型や優雅なドレスにも注目です。

    複雑に絡まる人間関係も

    主人公・薬谷は膨大な知識と最先端の技術を持っていますが、この世界ではまだ10歳の子供でしかありません。それゆえに、実の父であるブリュノに「何者だ?」という疑惑を抱かせてしまいます。しかし女帝の病を治療したことでお互いの能力を認め合い、父子として、宮廷薬師として協力し合う関係になりました。 また、2人は女帝の病が人為的に持ち込まれたもの、今で言うバイオテロではないかと懸念します。サン・フルーヴ帝国の侵略を狙う他国の影も感じられ、今後の展開にどのように影響していくのか気になるところです。

    確認しておきたい「あらすじ」

    じっくり読む前に、押さえておきたい「異世界薬局」のあらすじも紹介します。

    過労死した主人公が異世界に転生

    若き創薬研究者・薬谷完治は、過労死して異世界のファルマ・ド・メディシスという10歳の少年に転生します。ド・メディシス家は代々宮廷薬師の家柄で、ファルマ自身も将来を嘱望されていました。 しかし、お世辞にも発達しているとは言えないこの世界の医学に、薬谷=ファルマは危機感を抱きます。正しい知識を伝え、多くの人を救おうと、薬谷はファルマとして生きていくことを決意します。

    チート能力と現代の医学知識で薬局を開いて…

    ファルマは白昼の市街で、突然の雷に打たれて心臓が止まりました。そのショックのせいか、それとも薬谷の意識が入り込んだせいか、もともと持っていた神力が変化し、家庭教師のエレンが慄くほどの暴走レベルに強大化してしまいます。 その他に得たのは、左手を左目に添えて見ると、病変やケガの部分が青白く光り、思い浮かべた診断名と症状が一致すると白く変わる「診眼」や、イメージするだけで物質を合成したり消したりできる「物質創造・消去能力」、右手で作った輪で患部を拡大して見ることができるなど、薬谷=ファルマ本人が不安になるほどの能力でした。 しかし、新たな能力と現代医学の知識を組み合わせた薬谷=ファルマの治療は、宮廷薬師の父・ブリュノが諦めた、女帝エリザベート二世の病をも回復させます。女帝は褒美として、薬谷=ファルマの「薬局を開いて多くの人を救いたい」という希望を叶えました。 ロッテやエレン、父ブリュノらのサポートを受けながら、薬谷=ファルマの薬や治療は評判を呼び、貴族も平民も分け隔てなく診る薬局として、受け入れられていきます。

    世界を作り出す主要キャラクター達

    「異世界薬局」の物語を盛り上げているのが、魅力的なキャラクター達です。ここでは序盤から登場する主な5人を紹介します。

    ファルマ・ド・メディシス

    主人公・ファルマは、サン・フルーヴ帝国で代々宮廷薬師を務めるド・メディシス家の次男で、水の神術使いです。突然の雷に撃たれて心臓が止まってしまいました。 中身は若いながらも創薬の分野では世界トップレベルとされる研究者・薬谷 完治(ヤクタニ カンジ)。過労死して異世界のファルマに転生し、自分の持つ医学の知識を広め、誰もが適切な治療を受けられることを目指しています。 両肩に残った雷撃の痕は、神術や診眼を使う時に青白く光ります。その出力レベルは家庭教師のエレンが引くほど。中身が薬谷になってからは、平民にも分け隔てなく接しますが、ファルマの時はいかにも貴族のお坊ちゃまだったようです(ロッテ談)。

    ブリュノ・ド・メディシス

    サン・フルーヴ帝国の宮廷薬師でファルマの父。宮廷薬師はこの国に3人しかいません。尊爵(公爵より上の称号)家であるド・メディシス家の現当主でもあります。 厳格で自分の薬師としての能力に自信を持っています。女帝の病気に薬を作ろうとしたファルマを止めようとしますが、ファルマの神術で阻まれ、本当に自分の息子なのか疑いを抱きました。しかし、ファルマの薬と女帝の病気の正体を突き止めたことは評価し、以降は父子として、同じ宮廷薬師として協力し合う関係になります。

    エレオノール

    愛称はエレン。16歳にして一級薬師。ファルマの家庭教師を務めるスタイル抜群の眼鏡美少女です。ファルマやブリュノと同じ水の神術使いで、水神を守護神としています。 神術を「忘れた」ファルマに家庭教師として改めてレクチャーします。しかし、ファルマが新たに得た力の大きさや、彼に影がないことを知ってパニックに陥ります。一時は家庭教師を辞めさせてほしいと言い出すまでに脅えていましたが、ファルマが訪問して「辞めないでほしい」と懇願したことや、特別に調合した薬の効果に感激し、以後はよき協力者となります。

    シャルロット

    ド・メディシス家に仕える召使の少女。9歳。明るく活発で、文字の読み書きや計算が得意で、甘いものが大好きです。召使として身なりにうるさく、ファルマのタイの結び目にもこだわります。 主人公が目覚めた時、最初に出逢ったこの世界の人間で、ファルマの名前やド・メディシス家、神術について一通り説明してくれました。ファルマが薬局を開いてからは、事務仕事をしたり町へ出てアンケートを取ったりするなど、なかなかの有能さを発揮しています。

    エリザベート二世

    サン・フルーヴ帝国の女帝。最強の火属性神術使いで、広大な領地を統べる辣腕の権力者です。 白死病と呼ばれる不治の病で療養中のところ容体が急変しますが、すでに急遽呼ばれたブリュノも治療を諦める状態でした。しかし、ファルマの診眼と生成した特効薬による治療を受け入れて劇的に回復し、以後、ファルマの強力な後ろ盾となります。

    科学的考証に裏打ちされた知識も面白い

    「異世界薬局」は主人公が騎士や魔法使いではなく、薬師に転生する物語です。 神力という特殊能力が存在する異世界に現代医学を絡めて、薬の化学式やどのように作用するかなど、医学・薬学に詳しくない人が読んでもわかりやすく説明されています。ぜひ物語の面白さと、サン・フルーヴ帝国の人々のように、新たな知識を得る驚きと喜びも感じてみてください。

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    研究に没頭するあまり過労死した若き薬学者。しかし彼は異世界で宮廷薬師の息子、ファルマとして転生した。間違った治療法が横行するこの異世界で彼は現代薬学と手に入れたチート能力であらゆる疾病に立ち向かう。

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