ある日突然、友人の彼女と一緒に暮らすことになったら、あなたはどうしますか?友人に義理立てしてきちんと欲望を抑えることができるでしょうか。突然友人の彼女と暮らすことになったドキドキ感、いけないと分かっていてもつい手を出しそうになってしまう背徳感、そんなエロティックでドラマチックな本作を楽しんでみてください。
電子コミックレーベルで掲載されていた本作『同居』は、実直な男性が禁断の欲望と向き合うエロティックな作品です。 突然女性と同居することになるという、ある意味で男性の理想を体現した作品となっています。いったいなぜ、友人の彼女と暮らすことになってしまったのでしょうか。あらすじを見ていきましょう。
本作の主人公である川下 慎之介21歳、童貞は恋愛経験がなく、当然女性とのそういった経験もありません。少し優しくすれば簡単に貢いでくれる絵に描いたような童貞で、片思いの麻里からはキープ男として扱われています。 そんな彼ですが、女性にだらしない以外は真面目で、複数のバイトを掛け持ちしてマンガ家を目指し、マンガを描く日々を送っていました。 そんな慎之介のもとに、ある日高校の頃の同級生だった倫太郎から突然電話がかかってきます。その内容は「今住むところがなくて、少しでいいので置いてくれないか」というものでした。 それなりの交遊はあったものの、親友と言われると微妙…そんな倫太郎の頼みを、慎之介は引き受けることにしたのでした。
ところが慎之介にとって、一つだけ予想外な出来事がありました。倫太郎が部屋に置いてくれと言ったのは彼だけではなく、彼女である由衣も一緒だったのです。 突然知らない女性と住むことになってしまった慎之介。しかも2人は、慎之介が家にいようとお構いなしにまぐわいます。 悶々とした日々を送る慎之介は、由衣に対して欲情してしまうのですが、倫太郎の彼女であるという事実が彼にストッパーをかけます。そんな慎之介の内心など知らず、由衣は家でマイペースに過ごしています。 マンガ家を目指して部屋で原稿を描く慎之介は、一日中家にいる由衣と、結果的に顔を合わせることが多くなります。少しずつ交流が深まっていくのもの、由衣は慎之介のことを空気のように気にかける様子がありません。
ある日を境に、倫太郎がまったく家に帰ってこなくなってしまいます。半月が過ぎても家に帰ってくるどころか連絡一つしてきません。さすがの慎之介も心配になります。 そして目下、慎之介の大きな問題は由衣の存在でした。倫太郎が帰ってこない以上、恋人でもない赤の他人の女性と2人で同棲生活をしているようなものです。 最初は慎之介にまったく興味を示さない由衣ですが、2人で暮らしている以上接触する機会も増えて、徐々にですが打ち解けていきます。 そして慎之介は、由衣にどんどん夢中になっていきます。
ある日、慎之介はバイトをやめました。その理由は「由衣ともっと一緒にいたかったから」というものでした。敵わない恋だと分かっていても、慎之介にとっては由衣と一緒の時間を過ごせるだけで幸せだったのです。 そんな慎之介の気も知らず、由衣は慎之介の部屋でホラー映画を見て、叫び声をあげています。 その夜のことです。由衣が慎之介の部屋にやってきて、一緒に寝て欲しいと慎之介に頼みます。ホラー映画を見て1人で寝るのが怖くなってしまったようでした。 由衣は寝ながら、無意識に慎之介にボディタッチをします。慎之介は自分を抑えることで精一杯でした。 その日以降、由衣は時々慎之介の布団の中に潜り込んでくるようになります。何かを期待してしまう慎之介。一方、単なるキープ男だと思っていた慎之介に無視されはじめた麻里の胸中は穏やかではありませんでした。
本作の登場人物を紹介します。読む上でしっかり押さえておきましょう。
本作の主人公です。真面目で優しい性格ですが、女性との交際経験がなく、女性に対する免疫がありません。ちょっとボディタッチをされたり優しくされたいするだけで、相手のことを好きになってしまいます。 さらに、相手と恋人になりたいとは思うもののアプローチはせず、現状で満足してしまう悪癖がありました。 その性格が災いして、由衣や麻里、そして他の女性の間を行ったり来たりと、だらしないふるまいをしてしまいます。優しい性格ではあるものも、女性にモテるタイプではありません。
倫太郎の彼女です。倫太郎と一緒に、慎之介の家に転がり込んできました。一日中家でぼーっとしていて仕事をする様子は一切なく、スマホすら持っていませんでした。家事も一切できず、これまでどうやって生きてきたのかが不思議です。 当初は慎之介に対して無関心でしたが、倫太郎がいなくなったのをきっかけに徐々に感心を寄せるようになります。良くも悪くも無頓着で、慎之介の前でも平気で肌をさらしたり、ボディタッチをしてきたりします。 自分を異性や同性によく見せたいと思うあざとさがなく、純粋無垢な女性です。
高校時代の慎之介の同級生であり、由衣の彼氏です。暇さえあれば由衣と体を重ねています。ガッチリした体格で非常に男らしい性格をしています。昼間仕事に入っている様子ですが何の仕事をしているのかは分かりません。 ある日を境に、慎之介の家に一切帰ってこなくなってしまいました。
慎之介とは友人以上、恋人未満の関係です。物語冒頭は、麻里が慎之介の告白に対して「このまま友達でいよう」と返すところから始めます。そのまま、慎之介は麻里のキープ男の1人になりました。 慎之介以外にも複数の男性をキープしていて、プレゼントなどを貢がせています。慎之介以外の男性とは寝ている様子も示唆しています。 ただし、そういった自分と関係を持っている男性も自分とは対等だとは思っておらず、所持品として扱っていて、彼氏面をしてきた男性を怒って帰してしまったこともあります。 SNSをやっていても自己顕示欲が強く、由衣とは正反対の女性です。
『同居』の見どころについて解説します。設定やキャラクターの関係を踏まえた上で楽しみましょう。
自分の家に友人カップルが転がり込んできて友人だけがいなくなった結果、彼女と同棲生活が始まってしまうという非日常的なストーリーラインが本作の特徴です。 現実で考えればありえないと一笑に付してしまうような話ですが、実際に同じシチュエーションに置かれたら、多くの男子は慎之介と同じ行動を取ってしまうのではないでしょうか。 ある意味で慎之介は、読者の欲望を体現しているのです。さりげない由衣のエロスや、純粋な笑顔に男性読者は癒されます。
本作ではR18の描写がしっかりと描かれています。そしてそれは、ストーリーを進行する上で必要な要素なのです。知らない女性と一緒に住み、性的な表現にドキドキさせられる…そうした楽しみ方も、このマンガの醍醐味でしょう。 ストーリーが進むごとに、描写はどんどん過激になっていきます。
由衣は慎之介の彼女ではなく、高校時代の同級生の恋人なので、手を出すのはNGです。それは分かっているのですが、慎之介の中で由衣に対する欲望は日に日に大きくなっていきます。 はたして、慎之介は一線を越えてしまうのでしょうか。それとも友情を取るのでしょうか。大胆になっていく由衣と慎之介の葛藤を見届けてみてください。