個人が異世界に転生し、人生をやり直す漫画は多くありますが、本作『オーバーロード』はギルドごと別世界に転移し、最強の力を持つ者たちが圧倒的な強さを盾に異世界を蹂躙する物語です。異世界神に対し残虐かつ驚異的な力をふるう魔王視点の物語、『オーバーロード』のあらすじや設定について徹底解説します。細かく練られた圧倒的スケールの世界観を楽しんでください。
オーバーロード
少年・青年マンガかつての大人気DMMO-PRGが「ユグドラシル」が、ついにサービス終了を迎える夜。最強に数えられるギルド「アインズ・ウール・ゴウン」のギルド長だった主人公は、たったひとりで、その時間を待っていた。が、サービスが終了するはずの時間を越えてもゲームは終了せず、それどころか、意志を持たないはずのNPCたちが活き活きと喋り出したではないか!? そう、主人公は、ゲームの中に極めて似た異世界に飛ばされてしまったのだ。NPCたちに最上級の敬意を払われる、最強の魔法使いたる骸骨頭の主人公は夜空に思う。「そうだな。世界征服なんて面白いかもしれないな」・・・・・・。
オーバーロードはどんな作品?
『オーバーロード』は丸山くがねさん原作の小説です。小説の方は2012年から出版されており、現在も連載中です。当初はWeb版として発表され、小説版を発表するにあたってストーリーの展開などがいくつか修正されています。また、漫画版は原作9巻までの内容が収録されており、全19巻で完結しました。 剣と魔法のファンタジー世界で、圧倒的な力を持った"魔王"の視点から、現地に生きる人間やそれ以外の種族との関わりを描きます。ときに仲間となり、またときには容赦なく蹂躙するダークファンタジーの要素も持っている作品です。 全4期に渡ってアニメ化もされており、2024年秋には完全新作劇場版『劇場版「オーバーロード」聖王国編』が全国で公開されます。
オーバーロードのあらすじ
オーバーロードのあらすじについて解説します。どのようにして主人公が異世界に転移したのか、またその世界でどんな目的をもって行動するのかを見ていきましょう。
サービス終了を迎えるゲーム"ユグドラシル"
VRMMO-RPG"ユグドラシル"はかつては盛況でしたが、今はプレイヤーの数も減少しサービス終了を迎えようとしていました。 サービス終了の日の夜、ギルド"アインズ・ウール・ゴウン"のメンバー最後の1人であるモモンガは、ギルドの本拠地である”ナザリック”にて、最後の瞬間を迎えようとしていました。
ログアウトされず、自律するNPC
ところが、サービス終了の時刻を過ぎても、モモンガはログアウトされません。強制ログアウトもできず、ゲームの世界に取り残されてしまいます。戸惑うモモンガでしたが、さらなる異常が発生します。 なんと、ゲームのNPCたちが勝手に動き出し、しゃべり出したのです。NPCは本来、プレイヤーの命令なしでは動くことはありません。目で見て、会話し、触れて確認しますが、まるで本物の生き物のようです。 ナザリック大墳墓のNPCすべてが活動を開始したと同時に、ナザリックの周辺が知らない世界であることに、モモンガは気付きます。 探索を命じるモモンガ。その結果、その世界とは地球とはまったく違う場所であることを知ります。モモンガ自身も人間ではなくアンデッドの体となっており、人間に戻ることはできません。
世界征服のために行動を開始する
モモンガを首領とするギルド"アインズ・ウール・ゴウン"は、この世界でどのように行動するのか、一つの方針を定めます。それは世界征服でした。モモンガが不用意に冗談で口にした言葉でしたが、NPCたちがそれを信じ、モモンガの目的は世界征服であると認識してしまったためです。 いまさら引っ込みがつかなくなってしまったことや、この世界にいる自分以外の別プレイヤーの存在を探るため、モモンガは"アインズ"と名前を変えて、世界征服のために行動を開始するのでした。
オーバーロードの各勢力
『オーバーロード』では、複数の勢力がそれぞれの思惑に沿って対立し、行動します。本作を読むにあたっては、各勢力の情勢や思惑を把握しておくことがとても重要です。 アインズたちを含めた主な勢力の特徴について紹介します。
ナザリック
ユグドラシルのゲームの中に設立されていたギルドで、特徴は人間以外の異業種のみのメンバーだったという点です。ゲーム内でもかなり強力な勢力で、最高レベルの100に達したプレイヤーも何人もいます。 ユグドラシルに所属していたプレイヤーは"至高の41人"と呼ばれ、NPCたちから慕われています。 ユグドラシルに所属するNPCは、プレイヤーたちが制作したキャラクターであり、NPCは誰しも制作者の趣味・趣向・思想が反映されています。 ナザリックの本拠地は"ナザリック大墳墓"であり、地上部分の陵墓に加えて地下1〜10階層までがあります。それぞれの階層には、階層の警備・運営の責任を負う階層守護者がいます。 作品内において、ナザリックのキャラクターは突出した強さを誇っており、彼らの行動は他の国に対して大きな影響力を生じさせます。
リ・エスティーゼ王国
アゼルリシア山脈の西に広がる封建国家であり、ランポッサ三世が治めています。しかしこの国は王の他にさまざまな貴族が治めており、王といえど貴族たちを無視して行動することができません。王と貴族の合議制で政治が行われています。 とはいえ、国力だけで見れば圧倒的な武力と国土を誇っており、国としては豊かです。ガゼフ・ストロノーフ率いる"王国戦士団"を有していて、周辺国家とも渡り合っています。 帝国とは折り合いが悪く、毎年小規模な衝突を起こしている様子です。
カルネ村
アインズがこの世界に来て最初に訪れた村であり、ガゼフたちを狙うスレイン王国に巻き込まれる形で、大打撃を受けてしまいました。アインズによって助けられた後は、村娘のエンリが村長となり、村の運営を取り仕切るようになりました。 エンリはアインズからもらったアイテム"ゴブリン将軍の角笛"によって、強力なゴブリンたちを従えています。人口数10名の小さな村ですが、その戦力は周辺国家も無視できないレベルに拡大しつつあります。 ただし、エンリ自身が望むのはあくまで村の平穏であり、他国から干渉されなければ、自分から他の国に対して何かしようという気はないようです。村を救ってくれたアインズを尊敬していて、現勢力の中ではもっともナザリック寄りです。
スレイン法国
六大神を信仰する宗教国家で、各神を信仰する者たちに分かれていますが、人間学校の世界では比較的には異種属に分類されることは自覚しており、固く結束しています。 魔法の技術が発達しており、この世界では人間単身では到達しえない第七位階以上の魔法を使用できるのも特徴です。 国のトップは最高神官長であり、政治の中枢は神官たちによって行われています。カルネ村の襲撃や、アインズの部下の1人であるシャルティアを洗脳したことでアインズからの怒りを買っていて、ナザリックとは明確に敵対してしまっている国家です。
バハルス帝国
建国から200年ほどの比較的新しい国家であり、皇帝制度が特徴です。現皇帝ジルクニフによって大粛正と大改革が行われ、帝国はさらに発展しています。 リ・エスティーゼ王国と比較すると兵士の数こそ少ないものの、兵士1人1人の戦闘力が高く、専業騎士のみで構成された軍団を形成していることから、練度や行動速度でリ・エスティーゼ王国を圧倒しています。 主席宮廷魔法使いのフールーダや、帝国四騎士など傑物を有しているのも特徴です。 ジルクニフ自身も有能な皇帝であり、ナザリックの戦力と脅威を正確に把握しています。同盟という形をとりながらも、いずれナザリックが全人類の敵となることを想定し、反逆の機会を窺っているのです。しかしアインズの圧倒的な力を前に、どうあがいても打つ手がないことを予感しており、苦悩しています。
キャラの性格や強さは?
アインズ
本作の主人公でアンデッドの魔法詠唱者です。転生前はしがないサラリーマンだったため部下を統率しトップに立つほどの器があるわけではありませんが、慈悲深さと、ひと際目立つ戦闘能力をもって仲間たちから絶大な支持を集めています。 長年ユグドラシルをプレイしていたため経験や知識は誰にも劣らないうえ、高度な戦略的思考力を持っているのが強みです。また、ユグドラシルの中でも最強といわれる世界級アイテムを保持することなどによってさらに強さに磨きをかけています。
シャルティア・ブラッドフォールン
ナザリック地下大墳墓の守護者を務める吸血鬼の少女です。かわいい見た目とは裏腹に本来は人間とはかけ離れた化け物のような恐ろしい姿をしており、自らを「残酷で冷酷で非道で可憐な化け物」というほど戦いになると狂乱してしまいます。肉弾戦においては地下大墳墓の中でもトップクラスを有するほどです。 アインズに対して絶対的な忠誠心を持っており、同時に重すぎるほどの愛情を抱いています。そのためアルベドとしばしば対立しています。
アルベド
ナザリック地下大墳墓の守護者統括を担っている女淫魔です。見た目は美女そのもので、アインズを心から愛しており正妻の座を狙っています。そのいきすぎた愛情から奇行に走ってしまうこともよくあります。 アインズを守り守護者の統括も行っているため、防御に関するスキルは敵なしといえるでしょう。
デミウルゴス
ナザリック地下大墳墓の頭脳派担当で主に作戦の立案などを行っている悪魔です。戦略に関してアインズに口をはさむこともありますが、アインズも信任しています。一見穏やかそうなものいいですが腹の中は黒く、残酷な悪魔です。 相手のペースに巻き込まれずつねに先を見越した冷静な判断力とその知性を活かし、戦いには欠かせない存在となっています。
ストーリーの見どころは?
本作のストーリーの魅力について解説します。オーバーロードの持つ魅力を深掘りし、物語をさらに楽しんでみてください。
圧倒的力を持つナザリック
ナザリックは、圧倒的な戦力を有しています。例えばリ・エスティーゼ王国が誇る王国戦士長・ガゼフは周辺国家に名を轟かせる強い戦士ですが、アインズの手にかかってしまえばわずか数秒で瞬殺できてしまいます。 また、アインズ自身は冒険者として登録するのですが、僅かな期間で冒険者最上位ランクに到達してしまいます。この世界は、ナザリックの者たちと比べるとかなりレベルが低いのです。 また、純粋な強さでいえばナザリックではアインズを凌ぐ者も少なくありません。 アインズたちが指先を振るうような些細な行動であっても、この世界には大きな影響を及ぼすことがあるのです。そんな強大で、他種族を圧倒するのが主人公側であるというのが、本作の最大の特徴であり、魅力であるといえるでしょう。
魅力的なNPCたち
本作の世界観の練り込みが非常に深く、それに合わせて魅力的なNPCも多々登場します。アルベドやシャルティアなどのナザリックの面々はもちろんのこと、現地の冒険者たちや国家の重鎮たちなど、それぞれの信念や思惑に則って行動しているのです。 誰もが主人公になりうるほどの濃厚な設定を付けられた魅力的なNPCは、本作の魅力です。
ラスボス視点の重厚かつ爽快なストーリー
『オーバーロード』は魔王側の視点から、世界に及ぼす脅威を描いています。ただし単純な戦力ではなく、それぞれの国や人物の思惑が重なり、政治的な戦略なども丁寧に描写されているのがこの作品の特徴です。アインズの持つ武力は、外交における選択肢の一つでしかありません。 アインズたちがこの世界でどんな行動を起こすのか、そしてアインズ同様にプレイヤーキャラクターは誰なのか、謎が解明されていくのも本作の面白さの一つといえます。
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