2021年に週刊少年マガジンで連載中の『彼女、お借りします』は、今時の"レンタル彼女"をモチーフにした作品で、累計発行部数も700万部を超えるヒット作です。本作の魅力はストーリーもさることながら、なんといっても千鶴を初めとする個性的で可愛いヒロインにあります。どんなキャラクターが登場するのかを、和也や千鶴を中心に、交友関係を紹介します。
彼女、お借りします(22)
少年・青年マンガたった一度の“レンタル”で、輝き出す“リアル”がある。 都内在住のダメダメ大学生、木ノ下和也(20)。ある日、“ワケアリ”の超絶美少女、水原千鶴との出会いをキッカケに、彼の人生は大きく変わり始めて──!? 水原の夢を叶えるため、映画撮影が始まった!! 水原の圧巻の演技力で、撮影は順調に進み、あとはラストシーンを残すのみ! ところが、和也の恋を応援する“あの女”の策略で、なぜか和也と水原の2人っきりで撮影旅行に行くことに!! 2人で駅弁! 湯上がり水原! どうする和也!? 恋と仕事に揺れ動く和也を乗せ、2人っきりの撮影旅行、出発進行!!!
「彼女、お借りします」はどんな漫画?
まずはじめに、『彼女、お借りします』がどんな漫画なのかを、あらすじやアニメ情報、連載状況などについて解説します。
概要
本作品は2017年7月から、『週刊少年マガジン』にて連載されています。2021年5月時点では20巻まで発売されています。 本作は"レンタル彼女"をテーマにしていますが、作者である宮島礼吏さんがこの職業を知ったことが本作を描こうと思ったきっかけであり、実際にレンタル彼女を利用し、その経験を作品に活かしているそうです。 2020年7月にアニメ化され、2022年に2期の放送も決まっています。
あらすじ
大学生の木ノ下和也は、人生で初めてできた彼女である七海麻美にフラれたショックで自暴自棄になっていました。1人になってしまった寂しさからある日、"レンタル彼女"というサービスを利用します。 待ち合わせの場所にやってきたのは、水原千鶴でした。彼女は容姿端麗で振る舞いも完璧、献身的で癒やし系という理想の彼女でした。最初はレンタル彼女に否定的だった和也も、千鶴の魅力の虜になってしまいます。 しかし2回目のデートのときに、和也は麻美にフラれた八つ当たり的な言動を千鶴に繰り返してしまい、デート中に千鶴の怒りが爆発します。そんな最悪の空気の中、和也の祖母が倒れたという報せが届きます。 千鶴と2人で病院に急行した和也は、成り行きで千鶴のことを"本当の彼女"として紹介してしまうのでした。千鶴をレンタルするのはこれきりのつもりの和也でしたが、嘘をつき通すために、毎週1回、レンタル彼女を利用し、千鶴を病院に連れて行くという嘘をつき続けることに決めます。 千鶴としても、和也とのデートはこれきりのつもりでしたが、和也の祖母のためということで承諾します。後に2人は、同じ大学に通い、しかも同じアパートの隣人であることが発覚するのでした。 元カノの麻美や、新しい仮彼女の更科るか、桜沢墨と新たな関係を築き、和也の女性関係は騒がしくなっていきます。元カノ麻美との関係や、千鶴との仲の進展に今後も注目です。
『彼女、お借りします』のキャラクター
『彼女、お借りします』のキャラクターを紹介します。レンタル彼女事務所のヒロイン達や元カノの麻美、友人や祖母など、和也を中心とした人物達を見ていきましょう。
木ノ下和也(きのした かずや)
本作の主人公です。練馬大学の1年生ですが1浪のため年齢は20歳です。 優柔不断で繊細な一方、周囲に見栄を張るためにその場の勢いで嘘をつくことをよくやってしまいます。その性格のために祖母に嘘をつくことになり、千鶴との関係がスタートします。 そんなダメダメな彼ですが一応の責任は感じているようで、迷惑をかけた千鶴や友人に謝罪したり、後悔したりといったシーンもたびたび見られます。 その性格のせいで作品のファンからはダメな主人公という評判も少なくありませんが、彼なりに周囲の人物を大切にしていて、千鶴が悪く言われることに文句を言うといった姿も、作品では描かれていました。どこか憎めないキャラクターです。
水原千鶴(みずはら ちづる)
本作のメインヒロインです。主人公と同じ練馬大学に通っており、アパートでも隣人同士の関係にあるなど、何かと縁があります。 本当の彼女は通りがかる人の目を引くほどの容姿端麗で魅力的な女性ですが、大学では分厚いレンズの眼鏡に三つ編み、地味な服装をしていて、大学の知り合いからも仕事中の彼女と同一人物とは気づかれないほどにギャップがあります。 レンタル彼女のときは、相手に合わせた理想の彼女を演じる演技力もあって、レンタル彼女の新人クラスで人気ナンバーワンです。主人公に対しても、癒やし系で笑顔を絶やさない理想の彼女として接します。 しかし、大学での彼女はクールで無愛想。とくに主人公に対しては冷たく接しますが、世話焼きの一面もあって何かと放っておけないようです。 レンタル彼女の仕事をしているのは、彼女がある夢に向かってがんばっているからですが、作中でそれが叶うことはあるのでしょうか。
七海麻美(ななみ まみ)
同じ大学に通う主人公の元カノです。彼女が主人公を振るところから、この物語ははじまります。明るい色のセミショートヘアが特徴で、愛想も良く、男子からは人気があります。 一見するとおしとやかで可愛らしく良い子ですが、実はかなり腹黒な面を持ち合わせています。影では和也や千鶴の悪口を言っていたり、自分と別れてからすぐに彼女を作った和也が気に入らないという理由で、和也と千鶴を破局させようとあの手この手を使ったりします。 SNSでの裏垢ではかなりの毒舌で、和也や千鶴の悪口をつぶやいたりもしています。彼女の存在が、仮初めカップルを続ける和也と千鶴の大きな障害であることは間違いなさそうです。
更科瑠夏(さらしな るか)
ショートヘアと青い大きなリボンがチャームポイントの女の子です。明るく元気いっぱいで天真爛漫な性格の持ち主で、妹のようなキャラクターが男性から人気を集めています。 ある事情からドキドキした経験が他人より少ないことを気にしており、レンタル彼女の仕事で恋を疑似体験できればドキドキできるかもしれないと考え、千鶴と同じ事務所でレンタル彼女の仕事をしています。 反面、レンタル彼女に申し込んでくるような男は皆軽薄だと考えていましたが、和也が千鶴を大切にする様子を目にし、"この人は他の男と違うのではないか"と思うようになり、和也を本気で好きになってしまいました。 和也とは仮の彼女という関係で付き合っていますが、本当の彼女になりたいと、猛アタックする日々を送っています。
桜沢 墨(さくらさわ すみ)
レンタル彼女の仕事をしていて、千鶴とは同じ事務所の後輩という間柄です。桜色の髪に、サイドの三つ編みが特徴の可愛らしい外見をしています。 人見知りな性格で日常会話もままならないのですが、この欠点を直すためにレンタル彼女の仕事をはじめました。しかし、彼女の性格が災いして仕事ではクレームが出るようになり、苦肉の策として和也を練習台としてデートすることで克服しようとしています。 和也のことは少なからず思っている様子ですが、奥手な性格のためにあまり進展はしていない様子です。本作では読者人気のあるキャラクターで、彼女を主人公にした『彼女、人見知ります』というスピンオフ作品も出ています。
栗林 駿(くりばやし しゅん)
和也の大学の友人であり、千鶴が"レンタル彼女"ということを知っている数少ない友人です。 一見すると軽薄な人物に見え、和也からも口は軽いと思われていますが、千鶴と和也の関係については周囲に秘密にしています。
木部 芳秋(きべ よしあき)
栗林と同じく、和也の大学の友人です。和也とは小学校の頃からの友人であり、和也のよき理解者でもあります。 下ネタが好きで思ったことはすぐ口にする性格ですが、和也のことを思って千鶴を説得したり、和也が間違えたときは本気で怒ったりと、友だち思いの人物で、和也にはなくてはならない存在です。
木ノ下 和(きのした なごみ)
和也の祖母です。和也の父親を女手一つで育て上げた一本気な性格の人物で、高齢ながらもバイタリティに溢れています。 元気そうに見えますが、何回か倒れた経験があって、和也も心配しています。和也に彼女がいないことを心配していて、和に心配かけまいとした和也が千鶴を紹介したことが、和也と千鶴の仮初めの関係のきっかけにもなりました。
一ノ瀬 小百合(いちのせ さゆり)
千鶴の祖母で、元女優という経歴を持っています。千鶴の育ての親でもあり、憧れる人物です。千鶴の将来の夢は、小百合の影響によるところが大きいと言えるでしょう。 和也の祖母である和とは、友人同士の関係です。
仮初めの彼女との気になる行く末に注目
仕事で彼女を演じているだけの"レンタル彼女"である千鶴ですが、和也と付き合っていくうちに、和也の良さや人柄を理解していき、徐々に距離を縮めていきます。はたして、2人の関係がどうなっていくのか、物語の行く末に注目です。 また、周囲に隠している仮初めの恋人という関係は、いつバレるのではないかとヒヤヒヤさせられます。そうしたスリルも、『彼女、お借りします』の魅力の一つと言えるでしょう。