普段は優しいけれど時折Sな部分を見せる獣医と、反抗的だけどなぜか逆らえない狼人間の関係を描いた作品、『服従と甘噛み』をご存じでしょうか?"獣系BL"作品として、本作の魅力をあらすじ、キャラクター紹介と一緒に解説していきましょう。
「服従と甘噛み」あらすじ
獣医である湊と、狼男の入間のドキドキする関係を描いた本作ですが、その内容を大まかに説明します。
倒れていた狼の正体は狼男で
小さな町で獣医をしていた湊はある日、道でケガをして倒れている狼に遭遇しました。病院に連れ帰り手当てをしたのですが、時間が経って様子を見に行くと、そこには狼ではなく、耳と尻尾を生やした少年がいたのです。 それが助けた狼だと分かった湊は、事情を聞いて、「困ってる子は放っておけない」と自分の病院に住み込みで働かせることにします。 最初は犬扱いされることを嫌い、拒んでいた狼少年の入間ですが、湊に言いくるめられるような形で、従うことになりました。
家を飛び出すも結局一緒に住むことに
病院で働き始めた入間は、プライベートの時間を湊と過ごすうち、彼のSっ気ある部分に惹かれていくのを自覚します。 あるとき、学会で湊が数日家を空けることになり、入間は留守番することとなります。数日ではありますが、会えなかった期間ができたことで入間はより湊を求める気持ちが強くなってしまいました。 それから何度も逢瀬を重ねる2人でしたが、突然入間が狼の姿へ変化しなくなる事件が発生、しかも原因も不明です。 もう先生の世話にならなくて済む、とつい勢いから口走ってしまった入間は、病院を出て普通に働くことを告げます。それを聞いた湊は本音を告げ、結果より仲が深まった2人は一緒に暮らし続けるのでした。
登場人物
『服従と甘噛み』の中心人物、湊と入間について、どのようなキャラクターかを説明していきます。
湊 啓介(みなと けいすけ)
動物が好きで、困っている子を見ると助けずにはいられない性格の持ち主です。町の獣医として働いており、入間をアルバイトとして雇いました。 最初に入間と出会ったとき、入間が雌犬の声を聞いて盛っていたことを察し、自慰行為の手伝いをします。それゆえか序盤は入間から警戒されていましたが、次第に入間との仲は深まっていったようです。 普段は物腰が柔らかく優しいオーラを発していますが、かわいい反応を見せる入間に対してはSな一面を見せることもあります。
入間(いるま)
満月の夜に狼へと姿を変える、特殊な体質を持った少年です。普段は人の姿ですが、狼になる周期が近付くと耳や尻尾が現れ、狼人間のような外見へと徐々に変わっていきます。 最初は反抗的な態度を取っていましたが、彼が自身に見せるSな姿勢に興奮するようになりました。 性格はやんちゃで言葉遣いも乱暴ですが、時に従順だったり、命令されることを好んだり、つい犬のような習性を見せることもあるようです。
「服従と甘噛み」の見どころは?
本作の見どころといえばやはり湊と入間の関係ですが、その中でも特に魅力的なポイントを紹介します。
キャラクターの表情が秀逸
普段はやんちゃですが、湊に攻められているときの入間は従順な態度を取り、その際の戸惑いと恥ずかしさを浮かべた表情がたまりません。 序盤は自分の感情を受け入れきれず、湊に従ってしまう自分へ苛立ちの顔すらにじませますが、話が進んでいくにつれ、徐々に入間自身から求めていくように変化していきます。 特に、数日会えなかったあとに湊が学会から帰ってきたとき、まるで忠犬のように帰りを待っているシーンは必見でしょう。
湊のちょっと意地悪なところ
平常時の湊は、優しい眼差しと穏やかな微笑みを浮かべているキャラクターです。しかし、入間が反抗的な言動を取ると、湊の中のサディスティックな本能がうずきだします。 そのようなときに、口に薬を塗る名目で愛撫したり、ベッドへと来るよう強引に命令したり、意地悪な面を見せるのです。 優しそうだった男が見せる、普段と異なった表情もまた本作の魅力の一つです。ギャップ萌えのフェチがある人には、特に響くのではないでしょうか。
徐々に打ち解けていく2人の関係も魅力的
出会った初日に、湊は盛った入間を鎮めるために、彼の体を慰めてあげます。その後の犬扱いも含めて、入間は序盤、湊に反抗します。時には病院に悪評を広める張り紙を貼ろうとしたほどです。 しかし生来の性格がそうさせたのか、一緒に暮らすうちになじみ、打ち解けます。 そして入間が家出する事件が起きてからは、湊の方から寄り添って仲を深める場面もあり、2人の距離感やそれぞれの意識が次第に変化していく様子も、本作の魅力です。
獣系BLの入門編としてもおすすめ
人と狼人間の仲を描いた"獣系BL"のジャンルに属する本作は、表現がソフトで、入間が常に狼の耳や尻尾を生やしているわけではありません。それゆえ、人外系の作品にまだ慣れていない人にもおすすめできます。 もしそういったジャンルに手を出したことがない人は、この機会に本作を読んでみてはいかがでしょうか?