歴史マンガには、日本が舞台のものから世界が舞台のものまで幅広くあります。さらに内容も、戦を中心に描いたものから人間の感情を中心に描いたドラマ性が高いものまで多様です。その中からおすすめ作品をピックアップし、解説していきます。
へうげもの
戦国時代の武将、古田織部(ふるた おりべ)を主人公として、信長に仕えた時代から本能寺の変を経て、茶人として名を馳せていくまでを描いています。 武将として生きる上で武勲を立てたいという思いがありながら、一方で茶器などの道具に目がなく、凄まじい執着心を見せるのが織部です。その物欲と目利きを評価され、織部は千利休の弟子入りを果たします。千利休の元で茶人の道、そして奥深さを学んでいく姿が見どころです。 本作の面白い点は、戦国時代という戦いが描かれやすい時代において、あえて美術品・骨董品に焦点を当てているところでしょう。戦国において、"安土桃山時代"と呼ばれる文化が花開いた背景を楽しみたい人は必読です。
アサギロ~浅葱狼~
幕末の時代に活躍した新撰組が題材の作品です。天才剣士と謳われた沖田総司(おきた そうじ)の幼少期から物語は始まり、彼の通っていた道場が大きくなり、やがて新撰組として名を馳せる過程が描かれています。 近藤勇(こんどう いさみ)、土方歳三(ひじかた としぞう)など有名な新撰組の面々や、彼らを取り巻く敵・味方を通して、激動の幕末を走り抜ける新撰組の活躍が見どころです。 最初はひたすらに剣の道を究めんとしていましたが、組織が大きくなるにつれ多くの陰謀や事件に巻き込まれていく彼らの生き様を見ていると、胸に熱いものを覚えるでしょう。幕末ロマン、新撰組が好きな人はチェックしてほしい作品です。
キングダム
はるか昔、春秋戦国時代の中国が舞台の壮大な歴史大作です。中華統一を果たした秦国の目線で、後の始皇帝となる政(せい)と、将軍となる信(しん)が活躍していきます。 中華統一が成される前、七つに分かれていた国が覇権を握ろうと争い合う中で、2人は幼い頃から過酷な運命に翻弄されてきました。しかし逆境を糧に政と信は強さを身に付けていき、政は政治で、信は戦で才能を発揮していくのです。 幼少期から2人の様子が描かれているので感情移入もしやすく、また壮大なスケールの作品でありながら、登場キャラクターそれぞれの個性が強く魅力的な点も特徴です。 熱い戦いを見たい人、サクセスストーリーが好きな人におすすめできます。また、アニメ化や映画化もされている人気作ですので、そちらを先に見て原作が気になった人もぜひ読んでほしい作品です。
ヴィンランド・サガ(25)
少年・青年マンガヴァイキング達が跋扈する11世紀北欧を舞台にトルフィンが本当の戦士を目指す物語。父親の仇を討つために過ごした幼少期、奴隷として農場で過ごした青年期を経てトルフィンはヴィンランドへの渡航を本格的に模索するようになる。北海最強の武力集団・ヨーム戦士団の居城・ヨムスボルグを中心にバルト海が戦火に包まれたヨーム継承戦争にまきこまれたトルフィンだが、辛くも戦争を生き抜いた。東ローマ帝国への交易で莫大な資金を調達したトルフィン達一行はアイスランドに帰郷。故郷のアイスランドで結婚式を挙げたトルフィンとグズリーズはヴィンランド移住計画の賛同者を募る。そしてついに約束の地・ヴィンランドへと出港した! まずは、レイフの故郷・グリーンランドでさらなる移住希望者を募り、補給を完了。ヨーロッパの最西端から世界の果てを目指して海を越える!
世界の歴史を扱ったマンガも、多数あります。その中からいくつかを紹介していきましょう。