ホラーマンガと一口に言っても、シリアスな本格派のホラーからかわいい幽霊が出てくるコメディ風のものまで幅広いです。数ある品の中から自分にあったホラーマンガを探し出せるよう、ジャンルごとにあらすじを解説していきます。
悪の教典
高校で英語を教える教師・蓮実聖司(はすみ せいじ)が、自らの理想とする王国をつくるため、学内の支配を目論む物語です。 周りからの信頼も厚く、生徒思いで問題解決に労力を惜しまない人気教師として、蓮実は学校内で活動していました。しかしそれは表向きの顔で、裏では自らの邪魔になる人物を躊躇無く手に掛ける"サイコキラー"という顔を持っています。 クラスの問題児を追い出したり、自分に対して疑惑の目を向ける者を殺害したりと、蓮実は容赦のない行動で理想郷づくりを進めていきました。とあることがきっかけで自分の本性がばれそうになったため、クラス全員の殺害を計画します。 お化けや幽霊など人外がもたらすホラーではなく、純粋な悪意を持った人間の怖さを描いた作品です。歯止めが利かない人間はここまで残酷になれるのか、という恐ろしさが存分に表現されています。
カラダ探し
逢魔高校を舞台に、"赤い人"という学校の怪談を元にしたデスゲームに巻き込まれていく生徒たちを描いています。 赤い人に会うと体をバラバラにされてしまい、ほかの人に体を探すよう頼まなければいけなくなる、というのが怪談の内容です。頼まれた生徒は拒否できず、体を探すことを強制させられます。ただし、捜索中は赤い人に追いかけられ、捕まると殺されてしまうのです。 複数の女性が主人公となって話が進んでいく中で、なぜこのような殺りくゲームが行われているのか、赤い人とは何なのか、ということが明らかになっていきます。 話自体はもちろん、ホラー描写の怖さが凄まじく、読み進めるたびにハラハラさせられることでしょう。
友食い教室
ある日突然、主人公の翔太(しょうた)が属するクラス全員に"友食いゲーム"と題された謎のメールが届きます。そのメールをきっかけに、危険な殺し合いに巻き込まれていきます。 メールには自身が感染者か健常者かのステータス、ワクチンという名で体の部位が記されています。さらに感染者にのみ、ドナーという名のワクチン提供者が書かれていました。 感染者はドナーからワクチンを接種しなければ死んでしまうため、死にものぐるいでドナーのワクチン部位を手に入れようとします。クラス中が疑心暗鬼になる中、生き残るために互いの体を奪い合うという凄惨なストーリー展開です。 カニバリズム要素のあるシーンが出てくるため、読む人を選ぶ作品ではありますが、人間の残酷さ・怖さがしっかり描かれています。
食糧人類-Starving Anonymous-
バスに乗っていた主人公・伊江(いえ)は、車内で催眠ガスを嗅がされ、ほかの乗客たちと共に眠らされます。目覚めると、冷凍された人間だらけという謎の施設にいました。 そこでは過剰な栄養を与えて肥えさせたり、強制的な性行為をさせたりという非人道的なことが行われていました。伊江は施設で出会った男性らと逃げだそうとしますが、その途中で巨大な謎の生物が人間を食べている光景を目撃するのでした。 施設には人間を食べる生物がおり、餌として彼らに人間を供給しているのだと、伊江たちは気付きます。施設からの逃走を試みる中で、施設の目的や謎の生物の正体を知ることとなるのです。 閉鎖された施設内で次々と人間が捕食される展開は恐ろしく、ストーリー展開と相まって読み応えがあります。
モンキーピーク
主人公・早乙女(さおとめ)が勤める製薬会社は、社内レクリエーションの一環として登山を行っていました。山を登りキャンプで夜を過ごしていると、突然悲鳴が聞こえてきます。様子を見に行くと、そこには巨大な猿のような生き物が鉈を持って立っており、その足元には数名の惨殺死体がありました。 謎の生物に襲われた一同は急いで下山しようと試みますが、何者かがそれを邪魔していることに気付きます。邪魔者は誰なのか、なぜ邪魔をするのか、猿のような生き物は何かなど多くの謎が渦巻く中、犠牲者が次々と増えていくサバイバルホラーです。 極限状態の中、謎の生き物とだけでなく人同士でも争いが起こっていく過程が、人間の怖さを物語っています。
彼岸島
主人公・宮本明(みやもと あきら)は行方不明になった兄を探すため、彼岸島という島に友人と赴きます。しかしそこは吸血鬼が住む恐怖の島で、明たちは過酷な戦いに巻き込まれていく、というお話です。 雅(みやび)というカリスマ性の高い吸血鬼のボスや、強力な戦闘力を持つ"師匠"の存在など、個性の強いキャラクターたちが多く登場します。また、吸血鬼がパワーアップした姿である"邪鬼"はおぞましいビジュアルをしており、強烈なインパクトを読者に与えることでしょう。 大勢の者が丸太を武器にして戦うなど、奇想天外な発想から生まれる展開も見どころです。続編として、『彼岸島 最後の47日間』『彼岸島 48日後…』もあります。