切ない展開が気になるマンガ13選。人気の作品を読んでみよう

高校1年生の夏生（なつお）は、教師の陽菜（ひな）に叶わぬ恋をしていました。彼女への思いを絶つため合コンに参加し、そこで知り合った少女・瑠衣（るい）となりゆきで初体験を済ませてしまいます。 複雑な思いに悩む中、父親に再婚話が持ち上がります。相手の家族との顔合わせで、再婚相手の連れ子が陽菜と瑠衣の姉妹と判明し、ますます混乱する夏生でした。 父親の再婚で、夏生・陽菜・瑠衣は一つ屋根の下で同居をすることになります。 ドロドロした三角関係に振り回され、優柔不断な態度を続ける主人公・夏生にはヤキモキさせられるでしょう。同時に、それぞれの報われない恋心や揺れる心理描写には、キュッと胸を締め付けられます。

不倫というインモラルな要素はありながらも、主人公のカノンが1人の男性にひたすら恋焦がれ続けるピュアなラブストーリーです。 カノンは高校時代の先輩・境（さかい）を8年間ずっと思い続けており、彼の職場近くにある喫茶店でアルバイトをする内に再会を果たします。 高校時代にはあっさりフラれましたが、現在は逆に境がカノンを誘ってきます。境は既婚者であるため不倫だと悩みながらも、境への思いを抑えられないカノンでした。 "エイリアンが襲来した終末の東京"という特殊な舞台でありながら、恋する女の子の一途な姿勢はいつの時代も変わりません。片思い中の人は、狂おしいまでの恋心に深く共感できるのではないでしょうか。

恋愛・友情など、大人が出逢う"はじめて"をテーマにした連作短編集です。 それぞれの物語で主人公が変わりますが、大学の先輩や姉妹関係などどこかでつながっています。それぞれを別の話とも、あるいは一つの大きな物語としても捉えられるでしょう。 3年間付き合ってきた彼氏からプロポーズされながらも、自分にその価値がないと思っている久緒（ひさお）、恋人から愛されている自信が持てない香奈（かな）、「親友を男友達に取られたかも」と悩む理香（りか）など、リアルで等身大のストーリーばかりです。 日常のささやかな幸せを実感できるような心温まるストーリーに、読者はときめきが止まらないでしょう。

一目惚れした高校の先輩に振り向いてもらうために、美味しいチョコ作りに奮闘し続けるショコラティエ（チョコレート職人）男子が主人公です。 主人公・爽太（ソータ）は、長年憧れ続けたサエコとやっと付き合えたと思ったのも束の間、サエコは元カレと復縁しあっけなくフラれてしまいます。 相手に振り回されながらもひたすら思い続ける爽太の一途さ、美味しそうなチョコレートの数々と、読者の気持ちをつかんで離さない魅力が満載です。 「一人のイケメンから、ここまで深く愛されてみたい」そんな願望を満たしてくれるストーリーといえそうです。

27歳の主人公・海崎新太（かいざき あらた）は大学に2浪して入学し、大学院卒業後に入った会社は3か月で退職しています。その後の転職活動も失敗ばかりで彼女もおらず、親からの仕送りも止められるなどドン底状態です。 そんな彼はある日、とある実験に参加することになります。それは薬によって若返り、1年間高校生として生活するという内容でした。 過去に戻ったり異世界に転生したりするわけではなく、同時代で27歳としての意識を持ちつつ、高校生になるという設定が独特です。 実生活で悩みを抱える人にとっては、主人公がまるで自分の分身のように思え、感情移入してしまうことでしょう。

バツイチで年齢も不釣り合いな中年男性に恋をした女子高生の、甘酸っぱく切ない恋愛模様を描いた青春ストーリーです。 17歳のあきらは感情をあまり表に出さないタイプですが、バイト先のファミレス店長・近藤（こんどう）に密かに思いを寄せています。 普段はクールなのに、あきらのふとした瞬間の表情やしぐさは、まさに恋する女の子です。そのギャップがキャラクターをより魅力的にし、つい応援したくなってしまいます。 微笑ましく感じると共に、自分自身の中学・高校時代のときめきを懐かしく思い出す読者も多いでしょう。

『不滅のあなたへ』は民話のような、ノスタルジックで不思議な味わいのあるファンタジー作品です。再生能力を持つ不死身の生命体が、"球"から石・コケ・オオカミを経て少年へと姿を変え、再生しながら生き続けます。 一方、ある集落では幼き少女マーチが、"オニグマ"の生贄になることが決まりました。土壇場で逃げ出したマーチは、少年の姿をした生命体と出会います。 マーチは連れ戻され、オニグマの餌にされかかりましたが、オオカミに変身した生命体に助けられました。不死身の生命体と無邪気で心優しい少女との、心温まる交流に注目です。

明日嫁ぐ姉とその弟、双子の兄弟、1年に1度しか会えない父と娘など、"ふたりきり"のストーリー6編が収録されています。 各ストーリーの登場人物は少なく、2人の関係性にフォーカスされたシンプルなストーリーです。その分、登場人物の心の動きやお互いへの感情などが丁寧に描写され、じわじわと心に染みて優しい気持ちになれます。 一部のストーリーでは、ファンタジー的要素も含まれています。しかし、高い画力と繊細なタッチが臨場感とリアリティを高め、物語を身近な存在に感じさせてくれるでしょう。

ある日突然、子ども2人と一緒に暮らすことになる独身女性が主人公で、"家族愛"がテーマの作品です。 作家・希夏帆（きなほ）が締め切りに追われる中、恋人の愁人（あきと）が子ども2人を連れてやってきます。2人は愁人の親戚の子どもで、事故により両親を亡くしたばかりでした。 親戚中でどこも引き取り手がなかったため、愁人は希夏帆の家で世話をすることを提案します。こうして4人の同居生活が始まるのでした。 さっぱりした性格でハッキリものを言うけれど、さりげなく子どもへの気遣いも忘れない主人公の温かさにほっこりします。 また、それまでの独身生活とは違う生活リズムやスタイル、ママ友との関係などのリアルさも多くの共感を得るでしょう。

昭和時代の東北を舞台とした、夫婦の愛を描いた作品です。元孤児の雪之丞（ゆきのじょう）は、早く養家を出たいと思っていました。そこへ持ち込まれたのが、青森のりんご農家への入り婿の話です。 徐々に田舎暮らしに慣れてきたころ、妻・朝日（あさひ）が熱を出して寝込みます。雪之丞は森で見つけた"不思議なりんご"を持ち帰り、妻に食べさせました。しかし、それが思わぬ事態を招くことになるのです。 雪之丞と朝日は、初めは利害が一致したため結婚しました。しかし、次第にお互いをかけがえのない存在だと認識するようになります。 じわじわと2人の愛情が深まっていき、お互いを思いやる姿の美しさと、土着的な風習に囚われどうにもならない運命に、切なさが溢れることでしょう。