ゴルフは子どもから大人まで楽しめるポピュラーなスポーツです。ゴルフ漫画は、ゴルフを始めるきっかけになります。プロゴルファーの中にも「ゴルフ漫画を読んでゴルフを始めた」という人もいるほど、面白いゴルフ漫画がたくさんあるのです。少年向けのゴルフ漫画から、ストーリー仕立ての鉄板ゴルフ漫画、ゴルフのことが学べるノウハウが書かれた漫画までたっぷり16作を紹介します。
ライジングインパクト
『週刊少年ジャンプ』で1998年から連載されたゴルフ漫画です。主人公のガウェインはゴルフの素人でしたが、スイングの際にゴルフボールを真芯で捉えることができるという特殊能力があり、300ヤード以上の距離を飛ばせるという能力を持っていました。 ガウェインは祖父の元を離れてゴルフの専門校"キャメロット学院"に入学し、そこで出会った仲間とともにゴルフの腕を磨いていきます。 グリーン内のパッティングなら必ず一打で決める、風を完璧に読み切るといった特殊能力者同士のゴルフを描いており、少年誌らしい作品となっています。天才たちの悩みや友情、そしてゴルフを通した成長にスポットが当てられています。 1度打ち切りになりましたが、読者の声を受けて連載復活したという少し特殊な経歴を持つ作品です。
DAN DOH!!
『週刊少年サンデー』で連載されていた作品で、続編を含めると50巻近くなる長編ゴルフ漫画です。 熊本市内の小学校に通う野球少年・青葉弾道(あおば ただみち)は、ある日ゴルフの存在を知ります。プロゴルファーの優勝賞金は1試合3000万円ということを知り、それだけのお金があれば母親を連れ戻せると考え、野球をやめてゴルフに打ち込むようになりました。 最初はお金が目的でしたが、 プロゴルファーの新庄(しんじょう)本人と出会い、彼の指導を受けることでゴルフの面白さに目覚め、覚醒していきます。同じくゴルフに転向した友達2人との友情や弾道自身の努力で勝利していく少年漫画らしいストーリーです。 ダンドーが中学生になった続編の『DAN DOH!!Xi』『DAN DOH!! ネクストジェネレーション』とあわせて、本作の面白さに触れてみてください。
空の昴
こちらは『週刊少年マガジン』で2000年から2005年までの5年間連載されました。初登場時は小学5年生だった主人公・星野昴(ほしの すばる)は、急性腎炎を患った結果、激しい運動ができない体になってしまいます。 失意の中にいる昴でしたが、 ゴルフ好きの老人である西尾誠一郎(にしお せいいちろう)から体力がなくても楽しめるスポーツとしてゴルフを紹介され、ゴルフにはまっていくことになります。 昴の父親はアマチュアゴルファーであり、日本オープンに出場した経歴の持ち主です。父親の才能を受け継いでいる昴が時折見せる桁外れの集中力、そこから繰り出されるベストショットは痛快の一言です。
ROBOT×LASERBEAM
『週刊少年ジャンプ』にて連載された作品です。作者は『黒子のバスケ』でも知られる藤巻忠俊さん。真面目で融通が利かず、空気が読めない上に全く表情を変えない主人公は"ロボ"というあだ名が付いています。そんな彼が友人の誘いでゴルフと出会い、高校のゴルフ部に入学することになりました。 ロボというあだ名の通り、精密でまっすぐな軌道のレーザービームを意図的に打つことができるロボは、初心者とは思えないショットを連発します。『黒子のバスケ』と同様、高校生とは思えない実力者が多数登場し、ロボは彼らと渡り合っていきます。
プロゴルファー猿
1974年に『週刊少年サンデー』で連載されていました。作者は『笑ゥせぇるすまん』や『オバケのQ太郎』などで知られる、あの藤子不二雄Aさんです。漫画としては古典の部類に入りますが、2008年に本作を扱ったゲームが発売されるなど、根強い人気を誇る漫画です。 主人公の猿谷猿丸(さるたに さるまる・通称:猿)は、6歳からゴルフを始めて以来、学校にも行かずにゴルフ三昧の毎日を送っています。猿が行っているのは正規のゴルフではなく賭けゴルフであり、本作は猿がさまざまなゴルファーと対決しつつ、 プロテストに合格するまでを描いています。 グラブは手作り、必殺技や裏ゴルフ界の存在など、荒唐無稽な設定が多数登場しますが、それが本作の面白さでもあります。少年漫画雑誌にはじめて掲載されたゴルフ漫画としても知られており、アニメ化もされている歴史的な名作です。
風の大地
2021年4月時点で80巻まで発売されている、長編ゴルフ漫画です。1993年度の『小学館漫画賞 青年一般部門』を受賞しています。プロゴルファーである坂田信弘さんが原作を担当していて、かなり詳しくゴルフについて描かれているリアル志向の作品です。 主人公の沖田圭介(おきた けいすけ)は大学を中退し24歳という年齢でプロゴルファーを目指します。ゴルフを始めるには遅い年齢でしたが、恵まれた体格と努力によってゴルフを始めて1年でプロテストに合格しました。 圭介はティーショットで400ヤード近い距離を出すなど、卓越したロングヒッターです。 プロテストでは緊張してスコアがボロボロになるなど、精神面の要素を色濃く出した作品で、丁寧な心理描写が作品の所々に描かれています。本作は、ジャンボ尾崎さんなど実在するプロゴルファーも多く登場し、プロゴルフ好きにとってもたまらない作品となっています。
千里の道も
『週刊ゴルフダイジェスト』にて20年以上連載されている、本格ゴルフ漫画です。18歳の主人公・坂本遼(さかもと りょう)がゴルフ場の研修生になり、さらにはプロとして成長を遂げるまでの、プロゴルファーとしての人生を描いています。 プレー中の描写はもちろんですが、プロテストの描写や他のゴルファーなどとの関わりも丁寧に描かれてるのが特徴です。 主人公は一途ですが、それ故に騙されてしまうこともあり、第1巻でも プロゴルファーに騙されお金を騙し取られています。しかしゴルフに対する熱意は本物であり、主人公の味方となってくれる人も多く現れます。 プロテストに合格してからを描く『新千里の道も』や、息子を主人公にした『千里の旅 翔の道』などのシリーズもあわせて楽しんでみてください。
黄金のラフ ~草太のスタンス~
ゴルフは孤独なスポーツといわれていますが、本作はなんと3人の登場人物がチームを組んでゴルフをプレーするという異色の漫画です。 飛ばし屋志向で筋肉馬鹿の藤本草太(ふじもと そうた)、コース戦略や芝目の読みに優れる小心者の太子 治(たご おさむ)、スイング理論は優れるが小柄で非力な谷田部光一(やたべ こういち)という、勝てないプロゴルファー3人が、互いに足りない部分を補うためにチームを結成します。 本作の魅力は、とにかく個性豊かなキャラクターたちです。主人公からして札の借金の取り立て人をしているという異色の経歴を持っています。 その他にも、違反行為を乱発する悪質なゴルファー、ラフとバンカーを得意とする代わりに フェアウェイが全くダメというゴルファーなど、個性的なキャラクターが入り乱れています。 そんな個性的なキャラクターたちの掛け合いが絶妙で、ときにはゴルフをそっちのけで笑いがこみあげてきてしまいます。
青空しょって
『週刊少年サンデー』にて1987年から連載された作品です。少年漫画によくある必殺技や攻略不能に近い難関コースなどではなく、王道のゴルフ漫画として描かれています。 主人公は幼い頃に、学校にも行かずに父親のキャディとして全国を回っていましたが、ある大会で主人公の父親がラウンドを放棄して失踪してしまいます。その後は絶海の孤島である"音無島"のゴルファー養成所に入所し、ゴルフの訓練を受けて18歳にてプロゴルファーになるといったストーリーです。 実際の大会や実在の人物も多く登場します。成長した彼が父親と再会したとき、どんな反応をとるのでしょうか。ゴルフ以外のストーリーも見どころの多い漫画です。
オーイ!とんぼ
『週刊ゴルフダイジェスト』に連載されていた漫画作品です。本作は、ある事件をきっかけにプロゴルファーの資格を剥奪されたの五十嵐一賀(いがらし かずよし)が、中学3年生の大井とんぼ(おおい とんぼ)と出会うところからストーリーが始まります。 五十嵐が移り住んだ姉妹には手作りのゴルフコースがあり、そこで毎日遊んでいたとんぼは、父親の形見である3番アイアン1本であらゆるショットを打って見せるという、天才的な腕の持ち主でした。 五十嵐一賀に本格的にゴルフを教えられ、とんぼはゴルファーとして成長を遂げていきます。一本足打法などの規格外のショットを見せる一方で、ゴルフのノウハウや考え方なども丁寧に描かれており、参考になる部分も多くあるでしょう また本作は、両親を失ったとんぼの寂しさや、とんぼを通して別れた家族のことを思い出す五十嵐など、ヒューマンドラマにも重点が置かれてるのが特徴です。ゴルフを知らない人でも楽しめます。