伏瀬さんの大ヒット作『転生したらスライムだった件』には、多くのキャラクターが登場します。主人公のリムルは異世界で、さまざまな敵・味方と出会い、時には戦い、時には交流を深めるのです。そんな本作に登場する魅力的なキャラクターたちを紹介します。
『転生したらスライムだった件』とは?
小説投稿サイト『小説家になろう』で作者の"伏瀬(ふせ)"さんが連載していた作品です。2014年に書籍化され、コミカライズ、アニメ化などもされています。 ライトノベルとして、シリーズ累計発行部数2400万部を超えている大ヒット作品です。"主人公が通り魔に刺され、気が付けばスライムとして転生していた"という、いわゆる"異世界転生もの"です。同カテゴリでは最弱とも称される"スライム"が転生先ですが、スキルを駆使し活躍していきます。
主要人物一覧
『転生したらスライムだった件』には、モンスターや人間、魔王たちなど、数々の魅力的なキャラクターが登場します。その中から、代表的なキャラクターたちを紹介していきます。
リムル・テンペスト
本作の主人公で、転生前は三上悟(みかみ さとる)というサラリーマンでした。通り魔に刺されたことで命を落としますが、スライムの姿となり異世界に転生します。 スライムといえば最弱モンスターという印象ですが、転生時に習得したスキル"捕食者"と"大賢者"により、数々の困難を打開していきます。 基本的には平和主義ですが、仲間が傷つけられると冷徹な対応をとることもいといません。頼みごとを断れない性格でもあり、総じて"仲間思い"であることがうかがえます。 物語の初期ではスライムの形状のみでしたが、物語が進むと"擬態能力"を習得し、モンスターや人間の姿に変わることも可能です。
リグルド
リムルが転生した後、序盤で接触したゴブリン族です。当初は牙狼族(がろうぞく)ともめていましたが、リムルが間に入ったことで争いは収まりました。 リムルに名を与えられたことにより、"ホブゴブリン"へと進化、姿も大幅に変わっています。名付け前は小柄な老人でしたが、名付け後は体格のよい青年の姿です。 リムルが作った国・魔国連邦(ジュラ・テンペスト連邦国)では主に政治面を担当しており、リムルからも強く信頼されています。
ゴブタ
ゴブリン族の少年で、リグルド同様、リムルに名付けられたことでホブゴブリンへと進化しました。明るく元気な性格で普段は間の抜けた言動も多いのですが、戦闘では天才的なセンスを見せることもあります。 ドワーフの国で兵士に囲まれた際、「この場から逃げたい」と強く念じたことで"嵐牙狼(テンペストウルフ)"の召還を身に付けています。
嵐牙(ランガ)
牙狼族の魔物で、最初はリグルドたちゴブリンと争っていましたが、リムルがいさかいを治めたことで彼に従うことを決めました。リムルに名付けられた際、牙狼族から"嵐牙狼族"へと進化しています。進化後は体が大きくなりました。 忠誠心が高く、リムルを"主"と呼ぶのが特徴です。リムルの影に入り行動を共にしていることが多く、護衛として目を光らせています。 戦闘では広範囲へダメージを与える"黒雷嵐(デスストーム)"などを使う他に、魔物との連携でも力を発揮できます。
紅丸(ベニマル)
"オーガ(大鬼族)"という種族の青年で、"大鬼の里"で次期頭領になる予定でした。オーク族に里を襲われ蹂躙されたことから、当初はオークへの復讐心を持っていました。リムルとは最初、勘違いから敵対しましたが、誤解が解け主として従うようになります。 リムルに名付けられたことで鬼神"炎霊鬼"へと進化し、体はひと回り小さくなりましたが内包する強さは増しています。戦闘では"炎"を使ったスキルや剣技を用いて戦い、その戦闘力は魔国連邦の中でも上位に位置するようです。
蒼影(ソウエイ)
オーガ族の青年で、次期頭領である紅丸に従っていましたが、彼がリムルの配下になった際、共にリムルに従っています。リムルの名付けにより鬼人族へ進化、より整った外見へと進化しました。 主に諜報活動を担い、"分身"を用いて監視や連絡なども可能です。また、戦闘では刀の他に糸(粘鋼糸)を用いた戦法も駆使し、時には冷徹な手段で敵を倒します。 性格は、戦闘手段同様に冷静ですが冷たい面もあり、リムルや仲間以外に対しては無愛想になることもあります。
白老(ハクロウ)
オーガ族の家臣で、当初は老人の姿でしたがリムルの名付けで進化し、いくらか若さを取り戻しています。剣の達人であり、ドワーフ族の王国"ドワルゴン国"の王などに剣技を指南していた過去もあるほどの腕前です。 戦闘時はその剣技に加え、"天空眼(てんくうがん)"という第三の目を活用して戦います。魔国連邦では主に戦闘訓練の指南役として活動し、リムルからは後に軍事顧問も任されるほどの信用度合いです。
紫苑(シオン)
オーガ族家臣の女性で、当初は野性味のある雰囲気でしたが、リムルの名付けで鬼人族へ進化し、グラマラスで知的な女性の容姿へと変わりました。 性格は見た目とは違い、血の気が多くすぐに手が出るタイプです。特に、リムルに対して敵対するものには容赦なく暴力を振るいます。 魔国連邦では"リムルの秘書"として活動しますが、直情的な性格からトラブルを起こすことも少なくありません。また、料理の腕が壊滅的なことでも知られています。
朱菜(シュナ)
オーガ族の女性で、紅丸の妹です。リムルの名付けで鬼人族へ進化し、より愛らしく美しい姿になりました。性格は優しく穏やかですが、リムルを取り合って時折紫苑ともめたり、リムルが夜遊びした際には、笑顔でとがめたりする一面もあります。 マナーに聡く、外交面では率先して前に立ち礼節をもった振る舞いでリムルを助けます。他には裁縫なども特技です。
ガビル
リザードマン(蜥蜴人族)の戦士長であり、首領の息子です。すでに名前を持っていましたが、リムルが上書きしたことで龍人族(ドラゴニュート)へと進化しました。 オーク族との戦いでは先走った行動で味方を危機にさらすなど、危なっかしい面もあります。しかし、それは乗せられやすい性格と使命感の強さに起因するものであり、過ちを認める素直さも持っています。 オーク族との戦いを経て、リムルの配下となりました。戦闘時は、父から受け継いだ"水渦槍(ボルテクススピア)"を用いて戦うことが多いようです。
ディアブロ
リムルが"ファルムス王国"と戦った際、召喚した悪魔です。黒く深い目と「クフフフ」という笑い方が特徴で、常に冷たい笑みを浮かべています。上位悪魔である"原初の悪魔"の一柱とされるほどの強さを持っており、魔術・体術ともにトップクラスです。 召喚時にお供を2体従えていましたが、リムルが"反魂の秘術"を使った際、2体とも不足していた魔素を補うための供物となりました。
リムルに近しい者たち
リムルが旅を続ける中で、"旅の目的となる"など特に大きな影響を及ぼしたキャラたちがいます。彼らについて紹介していきましょう。
大賢者
主人公が転生した際、獲得したユニークスキルの一つです。獲得のいきさつは、転生時の「30歳童貞で魔法使いになれるという俗説があるが、40歳目前の俺は賢者になれたかもしれない」という情けない思いからでした。 しかし、"大賢者"はこの世のあらゆる事象を解析できるなど、万能なスキルとして物語中は活躍します。スキルとの対話は通常不可能ですが、リムルの場合はリムルの疑問にスキルが応じる形で可能とさせました。 リムルが覚醒した際、大賢者のスキルも進化し"智慧之王(ラファエル)"へと成長、結果リムルは究極能力を有することとなったのです。
ヴェルドラ・テンペスト
勇者により封印されていた竜種で、リムルが転生後最初に出会った魔物です。"暴風竜"と呼ばれ、天災級のモンスターとして世界の人々から恐れられています。 リムルがスキル"捕食者"により自身の内に取り込んだことで、物語序盤はリムルの異空間内に存在、リムルが封印を解いた後は無事復活しました。 復活後は、リムルの分身を"依り代"として人間に近い姿で活動しています。そのときの容姿は、金髪で体格のよい青年風です。性格は好奇心が旺盛で何にでも首を突っ込みたがり、また寂しがり屋な一面もあります。
シズ(シズエ・イザワ)
主人公と同じ、日本から異世界に転生してきた女性です。転生前に生きていた時代こそ主人公とは異なるものの、主人公にとっては"異世界で初めての同郷出身"だったことで親近感を覚えます。 "爆炎の支配者"として名をはせており、炎を使って戦います。その力は、自身の内に上位精霊である"イフリート"を宿していることで身に付けたものです。 リムルと出会い少しの間行動を共にしますが、イフリートの力が暴走し自我を失いかけてしまいます。リムルがイフリートを捕食することで危機を乗り越えますが、イフリートと同化していたシズは力をなくしたことで急速に老い、リムルに願いを託して眠りにつきました。
リムルに協力する冒険者たち
魔国連邦で暮らす魔物たち以外にも、リムルの力となってサポートしてくれる者たちがいます。彼らについても紹介していきましょう。
エレン
カバル、ギドと共に行動している冒険者の女性で、法術師(ソーサラー)です。カバルの軽率な行動に文句を言うことも多いですが、3人の仲はよく、周りからも"明るく元気な3人組"として認識されています。 魔国連邦が危機に陥った際は、自らの正体を明かしリムルにある助言をすることで、リムルと魔国連邦の助けとなりました。
カバル
エレン、ギドと共に行動している冒険者の男性で、重戦士(ファイター)です。"モンスターの巣をつっつく"などトラブルメーカーとしての印象が強いお騒がせキャラですが、リムルの創った魔国連邦への理解がある協力者として立ち振る舞っています。 3人組の中ではリーダーのポジションに就いていますが、率先して味方を率いるというよりはあくまで形式上のものであり、他の2人とも対等な立場で接しています。
ギド
エレン、カバルと共に行動している冒険者の男性で、盗賊です。「〜でやす」という口調が特徴で、親しみやすいキャラクターです。 シズがイフリートに自我を乗っ取られて暴走した際は、3人組の中でいち早くシズがシズエ・イザワであることに気付きました。
世界に君臨する魔王たち
作中には、強力な力を持つ"魔王"という存在が何名かいます。その中から数名を紹介していきます。
ミリム・ナーヴァ
最古の魔王の1人として恐れられた存在です。外見こそかわいらしい少女ですが、長い時を生き、"破壊の暴君"と呼ばれるほどの力を有しています。 リムルに興味を持ち接触した際、彼の配下が先走って戦闘をしかけたために一触即発の空気になりますが、リムルが蜂蜜で餌付けに成功し事なきを得ました。 以降はリムルを"親友(マブダチ)"と称し、魔国連邦で子どものようにはしゃぎ回って食べ物や文化を満喫していました。
ラミリス
ミリム同様、長い時を生きた魔王の1人で、"精霊女王(エレメント)"としての過去も持ちます。外見は小型の妖精ですが、精霊の加護を与えることができるなど特殊な力を使役可能です。 住処を訪れたリムルを最初は自作の巨像(ゴーレム)で追い返そうとしますが、逆にリムルに破壊されてしまいます。その後、リムルから新たな魔将人形を与えられ、その人となりを知ってからはリムルの味方として活躍します。
ギイ・クリムゾン
最古の魔王の1人であり、トップクラスの戦闘力を持っています。しかし、その力で"世界を支配しよう"などとは考えておらず、リムルの思想に理解を示すこともあります。 魔王たちの宴でリムルと初めて会った際は"魔素量"を偽装しており、リムルから"本当の実力などまるで予測できない"と評されるほど、底が知れないキャラクターです。
主要キャラをチェックして物語を楽しもう
『転生したらスライムだった件』は長期連載している大ヒット作であり、壮大な世界の中で多くのキャラクターたちが登場します。 リムルやその仲間たち、次々登場する魔王やリムルと関わることになる人間など、色々な立場の人物がいます。その中から、お気に入りのキャラクターを見つけてみるのも面白いのではないでしょうか?