忙しい毎日の中で、"生まれ変わってスローライフを送りたい"と思うことがあるかもしれません。そんな人におすすめなのが"異世界転生もの"です。原作小説や連載されている媒体、登場人物、あらすじの他、同ジャンルでのおすすめマンガも紹介します。
いわゆる"異世界もの"に分類されるマンガです。この作品では"魔法が使える世界"が舞台となっています。さらにこのマンガは、森でのサバイバルや自給自足生活という"スローライフ"の要素と、前世は男性だったところを転生して若い女の子になるという"TS(性転換)転生"の要素も組み合わされています。 異世界・スローライフ・TS転生のいずれかのジャンルに興味がある人には、おすすめの作品といえるでしょう。まずは、この作品のバックグラウンドについて紹介します。
このマンガは、Web小説投稿サイト『小説家になろう』に掲載された同名ライトノベルをコミカライズ(漫画化)したものです。小説の原作者は"あし"さんで、2021年春時点でほかに投稿作品はなく、こちらの1作のみが紹介されています。 『小説家になろう』において、『よくわからないけれど異世界に転生していたようです』は1300万以上ものPVを集めました。 なお、作品には残酷描写が含まれるため、"R15指定(15歳未満は閲覧不可)"がされています。年齢に達していない場合は、16歳になってから作品を楽しみましょう。
『月刊少年シリウス』は、2005年に創刊された少年マンガ雑誌です。メインはファンタジー作品で、ライトノベルが原作の作品が多いことも特徴といえます。 『よくわからないけれど異世界に転生していたようです』は、『月刊少年シリウス』関連の電子限定雑誌『週刊異世界マガジン 水曜日のシリウス』にて連載中です。 『水曜日のシリウス』は作品の多くが異世界ファンタジーで、異世界ものファンにはたまらない1冊となっています。
ストーリー序盤では、主人公・レンの異世界生活を中心に話が進んでいくため、登場人物はそれほど多くありません。比較的シンプルな相関関係です。 しかし話の節々に、ポイントとして抑えておきたいキャラクターがいくつか登場します。ざっとチェックしてみましょう。
物語の主人公で孤児の女の子です。10歳という年齢にしては発達がよく巨乳です。悪徳商人に引き取られる道すがら、盗賊に襲われ崖から落ちてしまいます。 その衝撃によって前世の記憶がよみがえり、10歳の女の子"レン"と30代のおっさん研究者"結城蓮十郎(ゆうき れんじゅうろう)"の二つの意識を持つようになるのです。 この作品では、現世での魔法スキルと前世の研究者としての科学的知識を駆使しながら、1人で異世界をたくましく生き抜く様が描かれています。
見た目は2mを超える大狼の姿をしていますが、実は超レア魔獣である"フェンリル"という種類に属します。ベルの母親です。 何者かに襲われ瀕死のケガをしているところをレンに助けられ、そのままレンの友人兼同居人となります。レンは、ノルンでモフモフすることが大好きです。 人間の言葉を理解します。異世界での伝承によると、フェンリルは人の言葉も話せるはずですが、おそらくまだ若い個体のため、現時点では言葉は話さず"ヴォフッ"と鳴くだけです。
子どものフェンリルで、ノルンの娘です。いつもノルンと一緒に行動しています。小さいながら、警戒・探知・隠身のスキルを持っています。 レンはノルンとベルに初めて会ったとき、手負いのノルンを殺すつもりでした。しかしベルがノルンに寄り添っていたため殺すことを思いとどまり、親子の命を助けたのでした。 ノエルと同じく”ヴォフッ”と鳴きます。レンは、ノルンだけでなくベルのモフモフも大好きです。
村に住むパーカー家の幼い娘です。病気の母のために森に薬草を採りに行ったところ、3匹のゴブリンに襲われます。 間一髪のところでレンとノルンに助けられるのですが、「ノルンに食べられてしまうかも」と恐怖を感じて気絶してしまいます。 警戒心が強く、レンの自宅でも初めは硬い態度でしたが、今まで口にしたことがないごちそうを出されると大喜びし、次第に恐怖心と警戒心を解くのでした。レンのことを魔女だと思っており、「魔女のお姉ちゃん」と呼び慕います。
ココの兄です。初対面のレンに対して根掘り葉掘り質問をし、レンは"無遠慮"という第一印象を抱きます。ニールは、レンからもらった薬が効果抜群だったため、またもらおうと毎日レンの家を訪れます。 うんざりしたレンは、もう一つ薬を作ってこっそりココに渡し、兄のニールがもう自宅へ来ないようにしてくれと頼むのでした。 しかし、翌日ニールは、またお礼の野菜を持ってレンの家にやってきます。レンはうっかりセクシーコスプレのまま対面してしまいます。どうも薬が目的というよりは、レン自身に興味をもっているようです。
ニールとココの姉で、レンいわく"したたか"なしっかり者です。髪型はポニーテール、顔にはそばかすがあります。 弟ニールが無礼な態度をとったせいでレンが怒ったとき、ニールをたしなめ間に入って薬をもらえないか交渉しようとしました。「魔女でもなんでも気にしないけど」という言い方から、レンのことを魔女だと疑っている素振りを見せます。 姉弟に共通することですが、通常であれば薬は高価であるにもかかわらず、手ぶらでやってきてただでもらおうとする"ずうずうしい面"も持ち合わせているようです。
ここでは、『よくわからないけれど異世界に転生していたようです』の1~2巻でのあらすじを紹介します。美少女レンのキュートなルックスだけでなく、ストーリーの面白さも存分に味わいましょう。
レンは孤児院から、悪徳商人に身売り同然に引き取られることになりましたが、道中で盗賊に襲われます。その際に崖から落ちた衝撃で、前世の記憶がよみがえるのです。 「わたし、おっさんだった」。レンの前世は、メーカー勤務の30代研究者・結城蓮十郎で、実験中の爆発事故で亡くなってしまったのでした。 突然よみがえった記憶で、"自分が異世界転生をしたこと"と、"30数年の連十郎の記憶と現世での女の子としての記憶を併せ持っていること"に気が付きます。
異世界では、普通の人でも何らかの魔法を使うことが可能です。レンは、自身が生活魔法・鑑定・創造魔法・ストレージなどの”チートスキル”を持っていることを発見します。 "チート"とは他人にはない便利な特殊能力で、ここでは魔法といえるでしょう。盗賊に襲われ崖から落ちた後で、レンには孤児院に戻るか悪徳商人の元に行くという選択肢もありました。 しかし自分が持つチートスキルと、前世での科学的知識や思考法があれば、誰にも縛られず自由に生きていけるはずだと考え、1人で生きていくことを選ぶのです。
レンとノエル親子が狩りに出かけたところ、3匹のゴブリンが、人間の女の子を襲っているところに遭遇しました。レンとノルンは、見事なチームワークで女の子(ココ)を無事救出します。 しかしノルンがゴブリンを食べる様子を見て、ココは「自分も食べられるかもしれない」と思い気絶してしまうのでした。 仕方がないので、レンは自宅に連れ帰ります。甘いお茶・ごちそう・お風呂・大きなベッドなどで、精いっぱいココをもてなすのでした。次第にココは、恐怖心と警戒心を解きます。
翌日ココが帰宅する際、レンは母の病気を治す薬と一緒に体力回復のための"ポーション"も持たせました。その後しばらくして、ココとココの兄・ニール、姉・コリーの3人がレン宅を訪れ、"ほかの村人のために薬をくれ"とねだります。 レンは断り続けますが、ニールは毎日しつこく訪ねてくるのです。閉口したレンはもう一つだけ薬を作り、"これが最後の薬であること""ニールにもう家に来ないようにいうこと"を念押しして、ココにこっそり渡します。 数カ月後、ポーションをもらおうと人々がレン宅に押しかけはじめます。ニールが余ったポーションを売ったところ、品質の高さゆえに高額で取引されたためです。レンはその場所で暮らし続けることに限界を感じるのでした。
商人たちや領主までもがポーションを狙っていると聞き、レンはもうこの土地では暮らせないと悟ります。住み慣れた場所に思い出や愛着を感じながらも、森を離れて自分のことを誰も知らない場所へ行くことを決心するのでした。 ノエル親子も、森を離れてレンに付いていくと意思表示します。レンは自宅をすっぽりストレージに格納し、ノエルとベルと一緒に"ハルーラ"という街を目指して旅立つのでした。 一方、何も残っていないレン宅の跡地を見て、ニールは"自分がポーションを売ったせいだ"と自責の念にかられます。「俺が責任取らないと…!」このとき、レンは離れた場所で嫌な予感に寒気を催すのでした。
異世界系・スローライフ系・TS転生系には、それぞれ多くの作品が存在します。その中で、『よくわからないけれど異世界に転生していたようです』には、どんな特徴や魅力があるのでしょうか?作品の見どころについて、次の三つの点を分析してみましょう。
レンは、前世でも現世でも人付き合いが苦手なタイプです。そのため、異世界でも人里離れた森の中に住居を構えます。 まずたき火を起こすことから始まり、投げ網を作り魚を捕まえ、自宅の庭での野菜栽培も挑戦します。オーク・角兎・ワイルドボアの狩猟など、完全に自給自足でロハスな生活です。 また狩った獲物で料理したり、創作魔法を使って自分でデザインした服を作ったり、衣食住すべてに恵まれた環境でもあります。 仕事や学校、あるいは嫌な人間関係に縛られず、悠々自適なレンのスローライフは、多くの読者が憧れるものでしょう。
この作品内では、主人公は前世の30代男性の意識を持っているため、TS転生をして若い女の子になった現在は自分の体に興味津々です。 セクシーなコスプレをしたり、”日課”と称する自慰行為にふけったりと、萌え系好きの読者の欲望を存分に満たすシーンがたくさん描かれています。 特に、レンは10歳にしては発育がよく、巨乳でスタイルもよい美少女です。たまたまコスプレをしているときに鉢合わせたニールも、レンの魅力に赤面します。
異世界では魔法を使えるだけでなく、レンは前世の記憶により科学の知識も持っています。二つを組み合わせることで、スローライフといえども非常に"高度な自給自足"が可能です。 たとえば、狩りをする場合でも、魔法と運動エネルギーを活用することで小石をエアバレルにしたり、獲物との最適な距離や弾速、MPは1回でどれだけ消費するかなどをこと細かく計算したりします。理系研究者の知識や計算力によって、魔法はより威力を発揮するのです。
主人公・ヒムロキョウジが宅配便を受け取ろうと玄関のドアを開けたら、突然異世界に紛れ込んでしまうことから始まる物語です。 異世界では植物の栽培ができない代わりに、魔物が栽培できます。主人公は魔法も使えず戦いも不向きという状態であるにもかかわらず、仲間の助けを借りながら次々と魔物を栽培していきます。 登場するキャラクターがかわいいこと、魔物もたくさん種類があって楽しいことなど、コアな異世界ものファンだけでなく幅広い層の読者が楽しめるでしょう。
Aランク冒険者のアルドは"龍殺し"を達成し、王都のヒーローとして称えられるようになります。しかし、それまでの戦うだけの人生に虚しさを感じ、"田舎でのんびり暮らしたい"と願うのでした。アルドは王都を離れ、9年前に一度訪れたことがある美しい村ノルトエンデへと移住します。 花々に囲まれた美しい風景・優しい村人たちとの交流・おいしい料理、そして過去に出会った少女との再会。主人公の幸せあふれるスローライフを描かれています。主人公とヒロインの、ロマンスの行方にも注目です。
『よくわからないけれど異世界に転生していたようです』は、異世界・スローライフ・TS転生の要素が盛り込まれたマンガです。 美少女レンが魔法と科学知識を駆使しながら、異世界でたくましく生きていく様子を描きます。狩りをしたり、野菜を栽培したり、家を建てたりとレンと一緒にスローライフの魅力を味わいましょう。