BLでありながら、サスペンス的要素も含んだ長編作『ファインダーの標的』は、ファインダーシリーズの1作目としておすすめできるマンガです。序盤のあらすじやOVA情報、また主要な登場人物などについて解説していきます。
「ファインダーの標的」はどんなマンガ?
BLマンガとして長い間愛されている『ファインダーシリーズ』の1作目、『ファインダーの標的』について、作品の基本情報や作者・OVAの内容をまとめて紹介していきます。
長編「ファインダーシリーズ」の第1巻
『ファインダーの標的』は、やまねあやのさんが描く『ファインダーシリーズ』の最初となる作品です。 現在、最新となるシリーズ11『ファインダーの最果て』まで発表されており、15年以上続いている長編作として人気を博しています。 シリーズ1である本作では、主人公・高羽秋仁と麻見隆一の出会いが描かれています。
OVAも制作
原作の人気を受け、2012年にはOVA化されました。2015年には第2弾として『ファインダーの隻翼』も制作されています。 同時にイベントも開催され、作者であるやまねあやのさんや、制作プロデューサーの菊池晃一さんを招いてのトークショーや上映会が行われました。 OVA版のキャストは、高羽役を柿原徹也さん、麻見役を黒田崇矢さんが演じています。『animate Times』では、声優陣のインタビュー記事も読めますので興味のある方はぜひご覧になってください。
「ファインダーの標的」のあらすじ
フリーカメラマンである主人公と、高級クラブのオーナーであり、裏では麻薬取引にも関わっているとされている麻見がどう出会い、関わっていくのかを紹介していきます。
フリーカメラマンの高羽は裏取引の現場を押さえる
主人公の高羽は、無鉄砲でやんちゃな性格のカメラマンです。フリーとして名を上げるため、スクープがあれば危険な場所にも赴きます。 ある日、新宿のクラブで高羽は、代議士秘書のスクープを撮りました。ところが、その写真は世に出ませんでした。何者かの圧力がかかり、止められたのです。 しかし界隈では騒ぎに発展したようで、それにより高級クラブのオーナー、麻見はビジネスに損失が出たようでした。
報復として麻見に追われることに
麻見は高羽を捕まえ、情報の出どころを聞き出そうとします。しかし高羽は口を割るどころか、隙を突いて逃げ出し、指のねんざ程度のケガで無事逃げ切りました。 大規模な麻薬取引の情報をつかんだ高羽は、懲りずに現場へと向かいスクープを撮ろうとします。しかしそれは麻見の罠だったのです。裏の顔として、麻薬密貿易にも関わっていると噂の麻見は、高羽をおびき寄せるため、あえて誘いこんだのでした。
麻見に拉致される高羽
引っかけられた高羽は、麻見に拉致され拘束されます。一糸まとわぬ姿にされ、麻見から辱めを受ける高羽。 事が終わったあと解放されますが、その際、麻見は「この世界で生きていくならもっと賢くなれ」と告げました。 そのときは彼の言葉の真意が分からずにいた高羽でしたが、やがて麻見の言っていた意味について、身をもって知ることとなるのです。
いつか麻見の尻尾をつかむと決意する高羽
高羽に情報を流していた刑事は、影で暴力団とつながっており、体よく高羽を利用していました。 刑事に撃たれそうになった高羽を間一髪のところで助けfたのは、まさかの麻見でした。自分を辱めた男に助けられる形となった高羽は、「いつかアンタの尻尾をつかんでみせる」と言い切ります。 そんな彼に対して麻見は楽しみだ、と余裕の笑みで返すのでした。
「ファインダーシリーズ」の登場人物
主人公である高羽・麻見の他、海外のマフィア勢も登場し、物語は複雑に絡み合っていきます。ここでは主要な人物4名を紹介していきます。
高羽 秋仁(たかば あきひと)
主人公の、フリーカメラマンです。若くて将来有望ですが、向こう見ずな性格が災いし、度々トラブルに巻き込まれます。 スクープを追いかけているうちに、麻見に捕まり彼の手に落ちてしまいますが、それでも心が折れることなく、彼の尻尾をつかもうと情熱を燃やします。 麻見と幾度か接するうちに、自身の感情に変化が訪れ、麻見との接し方も変わっていくようです。
麻見 隆一(あさみ りゅういち)
表向きは高級クラブのオーナー、裏の顔は麻薬密貿易に関わっている謎の男です。 高羽が撮ったスクープ写真で損害が出たことをきっかけに麻見と関わっていくようになります。 やんちゃな高羽を手中に収めることに楽しみを見いだしており、他の者に奪われた際は独占欲のような感情を覗かせることも。
劉 飛龍(リュウ フェイロン)
長髪がトレードマークの、香港マフィアです。冷静で大人びた性格と容姿ですが、7年前に一族の間で争いが起こり、そこに麻見が絡んでいたことで、彼に対して感情をあらわにする一面もあります。 重要なディスクを高羽が偶然手にしたことにより、彼と接点が生まれ、捕まえたあとに辱めています。そのことがきっかけで、麻見と再び因縁が生まれるのでした。
劉 㷔燕(リュウ ヤンツゥイ)
飛龍の兄で、7年前に起きた一族の争いにおいて渦中にいた人物です。弟である飛龍とは、一族の行く末を巡って対立していました。 その際、麻見とも対立しており、銃で撃たれた過去があります。自分と飛龍に対する父親の態度が違うために、一族の争いの中思いも寄らぬ行動に出ることとなりました。
「ファインダーシリーズ」を読むポイント
本作の見どころやおすすめポイント、また、シリーズをどこから読むべきかなどを紹介していきます。
危険な場所に飛び込む高羽と麻見
高羽はカメラマンとして、また麻見は裏社会の人物として、それぞれ危険に身を投じます。 2人の活躍に胸を躍らせたり、時にはピンチにドキドキしたり、息を呑むような展開で読み手を引き込んでくれる点が魅力です。 マフィアや警察を相手にどうやって彼らが立ち回るのか、予想しながら読むのも一つのポイントでしょう。
アブない2人の関係
高羽にとって麻見は闇を暴きたいスクープ対象であり、麻見にとって高羽はビジネスの邪魔をされた対象でした。 しかし徐々にその関係性が変化していき、2人は逢瀬を重ねていきます。本来交わるはずのなかった2人が関係を深めていく、そんな危険な距離感を楽しめるのも、本作の魅力の一つです。 また、作中の描写には過激な行為も登場します。麻見の強烈なサディストぶりに、ドキドキさせられます。
シリーズをどこから読めばいい?
現在ファインダーシリーズは、シリーズ11まで発表されています。ただのBL作品ではなく、登場人物たちが複雑に絡み合っていくストーリーも魅力ですので、シリーズ1から順番に読んでいくことをおすすめします。 特にシリーズ1とシリーズ2は、高羽と麻見の出会いや、麻見と飛龍の過去など重要な場面が描かれていますので、先に読んでおくと違和感なくその後のストーリーに入っていけるでしょう。
危険な2人の関係の行方は?
やんちゃな高羽と自信家でクールな麻見が織りなす危険な関係は、マフィアの飛龍なども巻き込み壮大なストーリーへ発展していきます。 プレイが序盤からかなり過激なため、最初は驚く方もいるかもしれません。しかし、BL作品の中でもオレ様系のキャラクターが活躍する話が好きな方にはおすすめできる一作です。