『週刊少年マガジン』にて連載された『五等分の花嫁』は、テレビアニメ化もされ、累計発行部数1500万部を突破している話題作です。恋愛マンガも多い『少年マガジン』ですが、『五等分の花嫁』はひときわ存在感を放った作品でもあり、主人公と誰が結ばれるのかが連載中は大きな話題を呼びました。そんな『五等分の花嫁』のあらすじやキャラクターの魅力について、たっぷりと紹介します。
「五等分の花嫁」のあらすじは?
『週刊少年マガジン』では多くの恋愛マンガの名作が輩出されています。本作もそんなマンガの一つです。『五等分の花嫁』は2020年2月まで連載され、その結末には多くの読者が感心を寄せ、SNSなどでも結末の予想を議論する声がそこかしこに見られました。 そんな『五等分の花嫁』を読むにあたって、まずは簡単なあらすじを紹介します。
家庭教師のバイト先が同級生の五つ子
主人公である上杉 風太郎は、成績優秀ながらも家は借金を抱えており、極貧生活を送っていました。そんな彼にある日、家庭教師のアルバイトの話が舞い込みます。 アルバイトの内容は、同級生の五つ子姉妹全員に勉強を教えて、高校卒業させるというものでした。五つ子の学力は進学すら危ぶまれるほどに低い上に、 風太郎に対してあまり協力的ではありません。 加えて風太郎の高圧的な態度と社交性の低さから素直に勉強を教わろうとしない姉妹もいます。 そんな問題だらけの五つ子を相手に、風太郎は四苦八苦しながらもどうにか勉強させていくと同時に、姉妹それぞれの内面と向き合うことで信頼を勝ち得ていきます。 やがて五つ子の中には風太郎に想いを寄せる者も現れ、風太郎を巡って恋のバトルへと発展していくのでした。
主人公の思い出の少女を探す話でもある
風太郎は小学校の頃、金髪に染めて不良だった時期があります。その頃に、ある少女に出会ったことがきっかけで更生して勉強にのめり込んだという過去がありました。 その少女とは1度会ったきりで、彼女の名前や連絡先を風太郎は知りません。 五人の姉妹と接するうちに、風太郎は5姉妹の中に思い出の少女がいるのではと思うようになります。思い出の品物を持っていたり、少女と出会ったときに姉妹も同じ場所を訪れていたことが発覚し、いくつもの偶然が重なるためです。 また、思い出の少女は成長した姿で、風太郎の前に何度も姿を現します。この思い出の少女が5姉妹の誰なのかも、物語では重要な謎となっているのです。
主な登場人物・ヒロインについて
『五等分の花嫁』に登場する主人公やヒロインなど、重要人物を紹介します。5姉妹それぞれの個性や長所を把握し、物語をより楽しみましょう。
上杉 風太郎
本作の主人公です。成績優秀ながらも家が貧乏で、妹に人並みの暮らしをさせたいという思いから借金返済のために五つ子の家庭教師の仕事を引き受けます。 高圧的でコミュニケーション能力が低く、五月とのファーストコンタクトでは勉強を教えて欲しいと頼む五月を怒らせてしまいます。しかし根は素直で思いやりのある少年で、5姉妹がそれぞれ悩みを抱えた際には親身に寄り添うこともあります。その甲斐もあり、5姉妹からは信頼以上の感情を勝ち得ていくようになります。 恋愛経験がなく、姉妹から寄せられる好意に戸惑うようなシーンも見せています。自分が更生したきっかけとなった初恋の女の子を探すことも、彼の目的の一つです。
中野 一花
5姉妹の長女で、ショートヘアーと右耳のピアスが特徴的です。風太郎を"フータローくん"と呼びます。 からかい上手で、風太郎をよくからかっているものの姉妹に対しては面倒見がよく、長女としての責任感も持ち合わせています。そのため、他の姉妹に遠慮して風太郎への気持ちを押し殺すようなシーンも見られました。 自分に対してはだらしなく、部屋は汚部屋と化しています。女優業を営んでいて、夢を素直に応援してくれた風太郎に対して好意を持つようになりました。
中野 二乃
5姉妹の次女です。ツーサイドアップと揚羽蝶のような黒いリボンが特徴です。勝ち気でヒステリックな性格で、姉妹の絆を大切に思っており、最初は家に入ってくる風太郎を毛嫌いしていて、なんとかして家庭教師を辞めさせようとしていました。その後、姉妹に対して献身的に接する風太郎を徐々に信頼していくようになります。 見た目の態度とは裏腹に家庭的で友人も多く、料理が得意です。後にケーキ屋でアルバイトを始めるようになりました。面食いで、金髪の変装をした風太郎が好みのど真ん中であり、そのことがきっかけで強く風太郎を意識するようになりました。
中野 三玖
5姉妹の三女です。セミロングで、いつもヘッドフォンをしているのが特徴的です。口数が少なくドライな性格でしたが、風太郎と出会ってからは徐々に心を開き、感情の変化が表に現れるようになりました。 戦国マニアの歴女であることを他の姉妹にも隠していましたが、そんな趣味と正面から向き合ってくれた風太郎に好意を寄せるようになります。運動音痴で料理が苦手、恋愛も奥手ですが、がんばって風太郎にアプローチしようとしています。
中野 四葉
5姉妹の4女。ボブカットとウサギ調のリボンが特徴です。他の部活から助っ人として呼ばれるほど運動能力が高く、社交性も備えています。 常に明るくて前向きで、笑顔を絶やしません。その一方で、人からの頼まれごとを断ることが苦手だったり、自分の本心を明かさなかったりといった一面も持ち合わせています。風太郎に対しては、最初から好意的に接していました。
中野 五月
5姉妹の5女です。くせっ毛のロングヘアーとアホ毛、星柄のヘアピンが特徴的です。5姉妹の中で風太郎と最初に出会いました。 真面目でがんばり屋の性格ですが要領が悪く、少々抜けている面があります。食いしん坊で何かを食べているコマが被鋤雲多く、お菓子業界では"M・A・Y"という有名レビュアーの顔も持っています。 風太郎との出会いは最悪で、当初は二乃と共に家庭教師を辞めさせようとしていましたが、時間をかけて徐々に信頼関係を築いていき、風太郎の理解者となっていきました。
上杉らいは
風太郎の妹です。小学6年生ながらしっかりしていて、上杉家の家事から風太郎の散髪までこなしています。兄とは違って明るくて社交的な性格で、5姉妹からも気に入られています。 風太郎もらいはを溺愛していて、家庭教師になったのもらいはを想ってのことでした。
「五等分の花嫁」見どころは?
『五等分の花嫁』を読む上で、注目してほしいポイントを紹介します。
5人のヒロインの可愛さ
『五等分の花嫁』の魅力は、なんといっても5人姉妹の可愛さでしょう。性格も個性も考え方も違う5人の姉妹は誰もが可愛らしいですし、男性読者からすると好みのヒロインが恋に一途になる様子は応援したくなってしまいます。 姉妹に共通しているのは、誰もが恋に奥手ということです。奥手な姉妹の一生懸命な恋に対するアプローチはとても可愛らしく、多くのファンを魅了しました。
少しずつ育まれる絆
5人姉妹のうち、最初に風太郎の家庭教師としての指導を受けていたのは四葉だけでしたが、信頼を勝ち得ていくことで徐々に風太郎を認め、風太郎と一緒にがんばっていくようになります。風太郎とのエピソードを通して、絆が育まれたり、姉妹と風太郎の人として成長していく姿も、本作の見所と言えるでしょう。 また、絆は姉妹間でも育まれていきます。風太郎への恋の感情などを通して、それまでは遠慮し合っていた姉妹が互いに本音で語れるようになっていきます。ときには喧嘩にもなりますが、それが一層姉妹の絆を強めていくのです。
物語冒頭で示される大きな謎
本作は第1話において、風太郎と5姉妹のうち1人の花嫁姿が披露され、その回想という形で本編は進んで行きます。この点から、本作はハーレムエンドや友情エンドではなく、最初から1人のヒロインと結ばれるのが決定していたことが、読者目線でわかるようになっています。 また、風太郎の過去に登場した思い出の少女も、序盤は明らかになっていません。「思い出の少女は誰なのか」「風太郎と結ばれるのは誰なのか」といった疑問は読者同士で議論が交わされるほど話題になりました。
マンガは現在何巻まで出ている?
『五等分の花嫁』は、2020年2月で全122話、14巻で完結しました。最終刊ももう発売しています。各ヒロインごとのキャラクターファンブックや設定資料集も発売されています。 『五等分の花嫁∬ 〜夏の思い出も五等分〜』というタイトルでPS4のゲームが発売されるなど、ゲーム化、他ゲームとのコラボレーションもはたしています。
五等分の花嫁・アニメとマンガの違い
『五等分の花嫁』はアニメ化もされています。アニメの方はマンガラストまでは描かれていません。アニメとマンガの主な違いについて解説します。
アニメ化は現在2期まで
『五等分の花嫁』は2021年4月時点で2期まで放送されています。第1期は2019年1月より原作1~4巻までの内容、2期は2021年1月から3月まで放送され、原作5巻から10巻までの内容がアニメ化されました。 2022年に劇場版の公開も発表されていて、11巻から最終刊までの内容は映画で放映されることが予想されています。
アニメは一部エピソードがカットされている
特に2期は原作5巻もの内容を12話にまとめたこともあって、原作のエピソードが一部カットされています。 それぞれの細かい描写は大筋を理解するにあたってはそこまで重要ではないかもしれませんが、キャラクターの機微や掘り下げ、細かい伏線になっていたりもします。原作を読むことで、より本作に対する理解を深めることができるので、カットされた部分にも注目しましょう。
個性豊かなキャラクターを楽しもう
『五等分の花嫁』に登場する5姉妹は誰もが魅力に溢れて個性的です。5姉妹の風太郎に対するアプローチや絆、誰が風太郎とくっつくかといった結末は、読んでいてとてもワクワクさせられます。 全14巻で一気に読むこともできる長さです。5姉妹の可愛さ、風太郎のひたむきさを、ぜひ楽しんでみてください。