泣けるストーリーからギャグ満載の作品まで、ねこが登場するマンガにはさまざまなタイプがあります。かわいらしい姿とそっけない態度とのギャップもまた、読む人の心をつかんで離しません。ねこが好きな人もそうでもない人も楽しめる、おすすめ作品を紹介します。
夜廻り猫
『夜廻り猫』は2017年に『第21回手塚治虫文化賞短編賞』及び『第5回ブクログ大賞・マンガ部門大賞』を受賞した人気マンガです。 人の言葉を話す野良猫・遠藤平蔵が主人公です。ドテラと帽子代わりの缶詰がトレードマークの平蔵と、一緒に夜廻りする子ねこ、彼らを見守る片目のねこなど、個性豊かなキャラクターが作品を盛り上げます。 平蔵はなぜか毎晩街に出て、涙の匂いを手がかりに、悩める人や悲しんでいる人を訪れます。しかし決して、ありきたりな人生訓を語るわけではありません。ただうなずいたり、とぼけたことを言ったり、ご飯を分けてもらったりするだけのこともあります。 それでも平蔵と触れあった人はいつの間にか励まされ、明るさを取り戻していくのです。人々の涙の理由も、共感できるものが多く、読むだけでふっと気持ちが軽くなる作品です。
俺、つしま
総合マンガ猫あるある満載!つーさんが書籍に登場! 数ある猫漫画の中で、「とにかく猫の描写がリアル!」と絶賛される「俺、つしま」がついに書籍化! 何気ない猫のしぐさや細かな毛色の表現が抜群の画力で描かれる猫漫画の根底にあるのは、溢れんばかりの猫愛。読み進めていくうちに猫への愛情がふくらんでいきます。 主人公は、外でゴミを漁っていたところをおじいちゃん(実は女性)に保護されたキジトラの「つしま(つーさん)」。すでにおじいちゃんの家で暮らしていた先住猫の「ずん姐さん」やあとからやってきた「ちゃー」「おさむ」などとの暮らしぶりに猫あるあるが満載でニヤリとさせられます。 さらに、涙腺がゆるんだ読者が続出した「ただいてくれるだけでいいんだよ」のエピソードなど感動シーンも。 実話をベースに展開される猫愛あふれるストーリーは読む人の心を癒しまくります! ※この作品の容量は47.6MB(校正データ時の数値)です。 【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 ※この作品はカラー版です。
俺、つしま
『俺、つしま』は、ねこが何気なく見せるしぐさや表情、毛の質感がとにかくリアルと評判です。野良猫のつしまは、ゴミを漁っていたところを"おじいちゃん"と呼ばれる女性に保護されます。 おじいちゃんの家は他にもたくさんのねこが住み、外から遊びにくるねこもいました。つしまはおじいちゃんや他のねこ達と一緒に、実にねこらしく暮らします。 飼い主なら誰もが共感するありがちなエピソードや、いつかはやってくるお別れのシーンが丁寧に描かれていて、思わず引き込まれます。
猫塗り屋
ねこ専門のカウンセラー・猫塗り屋を営むお姉さんと、悩めるねこ達との心温まるストーリーが魅力の作品です。 作中には、飼い主に飽きられるのではと心配するねこや、顔が怖いために捨てられてしまったねこ、自分だけ他のきょうだいと毛の色が違うねこなど、さまざまなねこが登場します。 「もっと愛されたい」「新しく生まれ変わりたい」など、ねこ達はまるで人間のような悩みを抱えて、猫塗り屋を訪れます。お姉さんはねこの話を聞き、特殊な絵の具で毛の色柄を塗り替えて、悩みを解決してあげるのです。 ただしお姉さんが塗る色柄は、必ずしもねこのリクエスト通りではありません。ねこの気持ちに寄り添い、「そのままでいいんだよ」というメッセージを込めて、最適な色柄にアレンジしています。 最初は不満そうなねこも、お姉さんがその色柄に決めた理由を聞いて、大いに納得します。ねこの個性を引き出し、前向きな生き方を教えてくれるお姉さんの姿に、学ぶ点が多い作品です。
東伍郎とまろすけ
幕末の江戸を舞台に、夏目東伍郎(なつめ とうごろう)と飼い猫のまろすけが繰り広げるコメディマンガです。東伍郎は、町道場の師範を務める剣の達人です。剣術で彼に敵う者はなく、周囲からもとても尊敬されています。 勤務後は同僚や後輩の誘いにも乗らず、すぐに帰宅するストイックな人物でもありました。しかし東伍郎が真っすぐ帰宅する理由は、一刻も早くまろすけに会うためでした。 家に着くなりまろすけを抱き上げ、フカフカのお腹に顔をうずめたり、お土産のまたたびを指し出したりと、道場でのお堅い雰囲気とのギャップに笑いがこみ上げます。 異人との出会いや東伍郎がねこ好きになったきっかけなど、単なるコメディにとどまらない、読み応えのあるストーリーも魅力です。
デキる猫は今日も憂鬱
家事が万能なねこが、飼い主を世話するストーリーが人気を博したショートコメディです。仕事しか能がない1人暮らしのOL・幸来(サク)は、ある日雪の中で震えていた子ねこを拾います。 諭吉と名付けられた子ねこは、いつの間にかサクよりも大きな、クマのような体格に成長していました。諭吉は毎朝エプロン姿でお弁当を作って幸来を送り出し、掃除・洗濯、夕食作りを済ませて帰りを待ちます。 全く家事をしないばかりか、朝も起こしてもらうなど、諭吉に頼り切りの幸来を見ていると、どちらが飼い主なのか分からなくなるほどです。読めば読むほど、諭吉のようなペットがいたらいいのにと、幸来がうらやましくなるかもしれません。