マンガ『オリエント』は鬼と戦う少年たちのバトルファンタジー

オリエントは、人が鬼神に支配された世の中という一風変わった設定のお話です。その世界でどのような物語が繰り広げられていくのか、あらすじを紹介していきます。

戦国の世、"日ノ本"には数多の戦国武将がいました。しかしその武将たちは、突如飛来した未確認生命体"鬼神"によって滅ぼされてしまいます。 同時に、人間の世は終わりを告げ、鬼神が支配する世界へと変わってしまったのです。そんな世の中であっても、支配に抗おうと鬼神に立ち向かう者たちがいました。彼らは人々から"武士団"と呼ばれていた、という世界観です。 武士団は、鬼神を倒したときに手に入る"鬼鉄"という不思議な力を持ったアイテムを使って戦いを繰り広げます。

主人公は、そんな武士団に憧れる少年の武蔵（むさし）です。武蔵は幼なじみである小次郎（こじろう）と共に、武士を目指すべく稽古に励んでいました。 しかし時代は鬼神に支配されているため、人々は鬼を崇め武士を悪党として考えるようになってしまったのです。 一時は周りに合わせてしまおうとした武蔵ですが、鬼が人を虐げる光景を目撃し、自らの夢と決意に心を燃やします。小次郎もまた、そんな武蔵に引っ張られるように武士への思いを滾らせていくという展開です。

鬼神は規格外の大きさ・強さで武蔵や小次郎の前に立ちふさがります。また、鬼神によって苦しめられている人々も大勢います。 武蔵と小次郎は、そんな世界を変えるために鬼神を討伐する旅に出るのですが、一筋縄ではいきません。 鬼神を崇める人との対立、先に鬼神を倒し手柄を上げようとするライバルとの競い合いなど、武蔵たちは数々の困難に立ち向かっていくのです。道中で仲間ができるなど少年マンガらしい熱い展開もあり、胸躍る冒険の物語を楽しめます。

序盤は武蔵、小次郎の2人が軸となって話が展開します。やがて他の武士団なども登場し話は壮大になりますが、ひとまず主人公とその幼なじみについて紹介していきます。

武士に憧れる少年で、本作の主人公です。無鉄砲で猪突猛進なところがあるため、自ら危険な場面に足をつっこむことも珍しくありません。 しかしそのがむしゃらな様子は周囲を引きつけ、鬼神に立ち向かう勇気を周りに与えることもあります。 幼少の頃から鍛えたた剣技と、何度倒されても諦めない精神力を武器に鬼人と戦います。

武士を先祖に持つ、武蔵の幼なじみです。武士が悪党と教えられるオリエントの世界では、先祖のことで周囲から差別されてきました。武蔵に「武士団を一緒につくろう」と誘われたときも、武蔵を巻き込みたくない思いで一度は断ります。 しかし武蔵のがむしゃらさと勇気に心を打たれ、共に武士団結成のために旅立つことを決心するのでした。 冷静に頭を使った戦いでサポート的な立ち回りもできますが、女性の色香に弱いのが玉にきずかもしれません。

作者の知名度・アニメ化の発表など、オリエントには注目される要素が盛りだくさんです。それらの理由について、簡単に紹介します。

オリエントの作者・大高忍さんは、2003年に『ガンガンパワード』にてデビューしました。その後、『すもももももも〜地上最強のヨメ〜』がヒット作となります。 以降、大高さんが『週刊少年サンデー』で連載した『マギ』も大ヒットし、アニメ化もされています。そんな大高さんの新連載であるオリエントも、当然注目の作品です。 マギは千夜一夜物語をモチーフにした世界観でしたが、がらりと世界観が変わった和風のオリエントは、さらに「次はどんなマンガを見せてくれるのだろう」とわくわくさせてくれます。

オリエントは、連載から順調に人気を獲得し、2021年2月にアニメ化が発表されました。 現時点では、まだ放送日やキャスト、主題歌などの情報は出ていませんが、どんなクオリティの作品に仕上げるかが楽しみです。 マギが第二クールまで制作されヒットしたことを考えると、オリエントも長期的な連載になれば大作アニメとして作られる可能性もあるでしょう。

オリエントは、和風の世界観で主人公と幼なじみが鬼神たちから人の世を取り戻そうとする冒険譚です。 熱いバトルを見たい方、少年たちの成長物語が見たい方、マギなどの大高作品が好きな方には特におすすめしたいマンガです。 現在も連載中でまだ完結していないため、まだ読んでいない方でも最新話に追いつくことができます。アニメに備えて原作マンガを読んでおくと、よりオリエントの世界を楽しめるのではないでしょうか？