能力バトル『炎炎ノ消防隊』が面白い。あらすじやストーリーを紹介

能力バトル『炎炎ノ消防隊』が面白い。あらすじやストーリーを紹介

消防士というリアルにある職業とSF要素を織り交ぜたマンガ『炎炎ノ消防隊』は『週刊少年マガジン』で連載されています。熱いバトルや消防士同士の友情、世界の秘密などが描かれている本作は、熱い作品が好きな人におすすめです。『炎炎ノ消防隊』のおすすめポイントやあらすじ、ストーリーを紹介しますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

  • 炎炎ノ消防隊(1)

    少年・青年マンガ
    4.8
    500

    炎炎ノ消防隊はどんなマンガ?

    アメコミのようなポップでスタイリッシュな絵柄と、消防士の熱いバトルを描いた『炎炎ノ消防隊』は、爽快感のあるマンガを求めている人にピッタリの1冊です。本記事では、『炎炎ノ消防隊』のキャラクターやあらすじ、見どころを紹介します。 まずは『炎炎ノ消防隊』がどのようなマンガなのか、概要を見ていきましょう。

    週刊少年マガジンで連載中

    『炎炎ノ消防隊』は『週刊少年マガジン』で2015年から連載していて、2021年6月時点では29巻まで発売されています。 作者は大久保篤さんです。大久保さんは、前作『ソウルイーター』もヒットしたマンガ家です。アメコミタッチのポップでスタイリッシュな絵柄と独特の世界観が特徴で、固定ファンも少なくありません。

    アニメ化・舞台化もしたヒット作

    『炎炎ノ消防隊』は2021年6月時点で累計発行部数1500万部を越えています。2期に渡るアニメ化もされ、2020年には舞台が公演されました。講談社の『青い鳥文庫』からは小説も発刊されています。 週刊少年マガジンは大ヒット作品を多く持つ雑誌ですが、『炎炎ノ消防隊』もまた、ヒット作と言えるでしょう。

    炎炎ノ消防隊のあらすじ

    『炎炎ノ消防隊』は"消防士×SF"というサイエンスファンタジーです。独特な世界観とストーリーが魅力の作品で、多くの読者を虜にしています。 そんな『炎炎ノ消防隊』のあらすじを紹介しますので、読書の際の参考にしてください。

    人体発火の怪物"焔ビト"が蔓延

    本作は"東京皇国"という架空の世界が舞台になります。電車や車が走っているなど、文明レベルは現代日本とそう変わりません。 しかしこの世界では、現実の日本と決定的な違いがあります。それが"焔(ほむら)ビト"の存在です。この焔ビトとは、人体発火現象のことで、ある日突然発火し、燃え尽きるまで周囲の人々を巻き込むという性質を持っているのでした。 焔ビトはある日予兆なく突然現れるため、人々は焔ビトの脅威に怯える生活を送っています。

    "焔ビト"から人々を守る特殊消防隊

    "焔ビト"の脅威から人々を守るため、そして人体発火の原因を研究するために組織された機関が"特殊消防隊"です。特殊消防隊は第1~8まであり、それぞれに性質や思想が違います。 主人公であるシンラはある日、人体発火現象に出くわします。そこへ駆け付けてきたのは、新設された"第8特殊消防隊"の面々でした。 第8特殊消防隊は適切な対処により、被害を最小限に食い止めて焔ビトを鎮火します。

    第8特殊消防隊に入隊するシンラ

    シンラは第8特殊消防隊に入隊することになっていました。火災現場にいたことにより、図らずも顔合わせが完了します。 改めて消防署に出勤し、顔合わせを済ませた後に、シンラは正式なメンバーとして迎え入れられました。 その日から、シンラもまた消防官として、焔ビトと戦う日々を過ごすことになるのでした。

    主な登場人物

    『炎炎ノ消防隊』に登場する主なキャラクターを紹介します。第8特殊消防隊を中心に、シンラと関係性の深いキャラクターを見ていきましょう。

    森羅 日下部(しんら くさかべ)

    本作の主人公です。第3世代の能力者で、足から出す炎を操ることができます。攻・防・速とバランスの良い消防官です。 過去、自分の家が火事によって全焼し、母親と弟を失っています。シンラは能力者であったことから放火の容疑をかけられ、周囲から非難される少年時代を送りました。そのことがトラウマになっていて、緊張や恐怖を感じたときに笑ってしまうことが癖になっています。 焔ビトによる犠牲者を増やさないため、そして自分の家が火事になった事件の真相を知ることが彼の目的です。

    アーサー・ボイル

    シンラより後に入隊した新人隊員です。シンラとは訓練学校時代の同期ですが、反りが合わず、顔を合わせるとよく喧嘩をしています。超高温のプラズマで作り出した"エクスカリバー"が彼の武器です。 騎士という存在に憧れ、自分のことを"騎士王"と名乗っています。頭脳労働が苦手で作中ではたびたびバカ扱いされていますが、ときに鋭い核心を突く意見を出すこともあります。 思い込みが強く、騎士のような格好をするだけで戦闘力があがります。美形のため、異性からの評判は良いようです。

    秋樽 桜備(あきたる おうび)

    第8特殊消防隊の大隊長を務めています。年齢は31歳で、第8特殊消防隊の中では最年長です。面倒見がよく、作中では任務前に緊張しているシンラに声をかけたり、シンラやアーサーの新人隊員にご飯をおごっている姿も描写されています。 焔ビトの被害者に対して思慮深く、遺族の前では武器を出さないようにシンラやアーサーに注意する姿なども見られます。趣味は筋トレで、暇さえあればミーティング中であっても体を鍛えています。 無能力者のため、現場には常に30kgの装備をしていなかければなりませんが、パワーがあり、戦闘においては能力者にも決して引けをとりません。

    武久 火縄(たけひさ ひなわ)

    第8特殊消防隊の中隊長です。クールな性格であまり笑うことがありません。他者に対しても遠慮なく意見を言い、部下の行動には目を光らせています。規律やマナーに厳しいのは、彼が元々軍人だからというのもありそうです。 第2世代の能力者であり、銃火器の火力を調節することで弾道や弾速、威力をコントロールできます。

    茉希 尾瀬(まき おぜ)

    第8特殊消防隊に所属する女性の消防官です。火縄と同様に軍の出身で、火縄にスカウトされる形で入隊しました。軍人らしく戦闘能力が高く、体術にも秀でています。細身ですが筋肉質で、シンラの良き先輩です。 その一方で乙女的な思考も持ち合わせていて、作り出した炎のマスコットに名前をつけて可愛がるといったシーンも描かれています。しかしそのたびに、火縄に火で遊ぶなと注意される場面も。自身をゴリラやモンスターに例えられるとキレてしまうのが悪癖です。

    アイリス

    第8特殊消防隊に所属する"聖陽教会"のシスターです。焔ビトの苦しみを和らげ、鎮魂のために祈りを捧げることが彼女の役割であり、戦闘に参加することはありません。 穏やかで優しい性格の持ち主で、隊員からも慕われています。考えをすぐに実行してしまう大胆さもあり、第5消防隊のところに1人で乗り込んでいくといった行動を取ったこともありました。 第5消防隊の大隊長である火華とは同じ修道院で育ち、アイリスは火華を"義姉さん"と呼んでいます。

    レオナルド・バーンズ

    第1特殊消防隊の大隊長です。体内で炎を燃やし、熱エネルギーによって身体能力を爆発的に高めて戦います。戦いが長引くほどに熱が上昇し、強くなっていくという性質があり、戦闘においては圧倒的な実力を誇っています。 過去、シンラの家が燃えた事件の際には火災現場に駆け付けたこともあって、シンラに関しては過去を知っている様子をうかがわせます。右目には眼帯をしていて、能力を使うと燃え始めます。

    環 古達(たまき こたつ)

    第1特殊消防隊の新人隊員です。シンラとアーサーとは新人大会の際に対面しました。自らラッキースケベをさせてしまう"ラッキースケベられ"という体質があり、シリアスなシーンであってもその体質が発動してしまいますが、本人は望んでいません。 第3世代の能力者で、猫の尻尾・耳・爪を炎の形で発火させ、その際には身体能力を獣のように向上させることができます。 後に、第8特殊消防隊に配属されることになります。

    プリンセス 火華(ひばな)

    第5特殊消防隊の大隊長です。美人ですがサディスティックな性格で、部下の男を踏みつけるといった行動を日常的に行っています。灰島重工のバックアップを得て、焔ビトの研究を積極的に行っている様子です。 アイリスとは同じ修道院の出身であり、アイリスのことを大切に思っています。第3世代の能力者で、花をかたどった炎で攻撃します。

    炎炎ノ消防隊の見どころは?

    『炎炎ノ消防隊』を読み進めていく上でどういった点に注目すれば良いのか、見どころを紹介します。

    炎を使った多彩なバトル

    『炎炎ノ消防隊』の魅力の一つは、炎を使ったバトルです。炎のエフェクトを用いた派手なバトルもさることながら、特筆すべきはそれぞれのキャラクターが使う特殊能力でしょう。 攻守にバランスの優れたシンラ、近接戦闘に特化したアーサーなど、キャラクターによって戦闘手段が大きく異なります。どのように炎を使って戦うのか、その駆け引きや異能力バトルも本作の魅力です。

    綿密なSFの世界観

    本作は日本に近い東京皇国という架空の都市がモデルながらも、異なる部分がいくつもあります。特殊消防隊は灰島重工・聖陽教会・東京皇国軍などが部隊ごとに大きく介入していて、それぞれの勢力争いや成立した動機、目的などを深掘りして楽しむことができます。 第8特殊消防隊は、どの勢力にも属さず、そのためパワーバランスを担っている部分もあります。主人公の所属する第8特殊消防隊の行動が、物語を大きく左右してるのです。 またマンガを読んでいくと、建物が西洋風であったりと、日本とは少しデザインが違うことが分かります。こうした現東京都の違いを探してみるのも楽しみ方と言えるでしょう。

    明らかになっていく世界の秘密

    物語が進むにつれて、徐々に謎が明らかになっていきます。シンラの家を燃やした犯人は誰なのか、謎の勢力の目的、"伝導者一派"の正体などが次第に解明されていくのです。 単純なバトルだけではなく、こうした謎が解き明かされて真相が分かっていくのも、『炎炎ノ消防隊』を読む上での楽しみとなっています。

    読む上で押さえておきたい設定

    SF作品である『炎炎ノ消防隊』では、読む上では必ず押さえておいた方が良い用語がいくつもあります。その中でも代表的な用語について見ていきましょう。

    世代

    人体発火現象にはいくつかのタイプがあり、その性質によって世代分けがされています。 第1世代とは、人体発火現象の被害者である焔ビトのことです。彼らは一切炎を制御することができず、ただ燃えるしかありません。 第2世代は、自ら炎を生み出すことはできないものの、炎の大きさや熱を制御することができる能力者です。第3世代は、自ら炎を生み出すことができる能力者のことを指します。 特殊消防隊は、第2世代と第3世代の能力者によって主に構成されています。

    聖陽教会

    本作の世界では"大災害"によってほとんどの宗教が絶えてしまっており、"聖陽教"が国教としてあがめられています。第1特殊消防隊は、聖陽教会を母体とした部隊です。 焔ビトの鎮魂は聖陽教のシスターが行う、医療行為も聖陽教会にのみ許された行為となっていて、聖陽教は人々の生活と深く関わっています。

    灰島重工

    皇国の中でもずば抜けた大企業で、国家権力すらも手中にあります。特殊消防隊の防護服もすべて灰島重工が作ったものであり、特殊消防隊の活動にも深く関わっています。第3・第5特殊消防隊は、灰島重工がバックについていて、灰島重工の意志を深く汲んでいます。 発火現象や能力者に対しても研究を行っています。東京皇国民の7割が、灰島重工関連の仕事に就いているとされるほどです。

    アドラバースト

    第3世代の能力者の中にごく希に現れる発火能力で、通常の炎より熱く、能力が向上するといった兆候が見られます。"穢レ無キ炎"や"原初ノ炎"などとも呼ばれています。 特殊消防隊の敵である"伝導者一派"は、このアドラバーストの炎が使える特殊能力者を集めることを目的として活動しているようです。

    伝導者一派

    白い装束に身を包んだ謎の集団で、焔ビトの事件の裏で暗躍しています。"伝導者"と呼ばれる謎の人物の命令で動いています。 アドラバーストの能力者を集めることを目的としていますが、集めて何をするのか、伝導者の正体などすべてが謎に包まれた組織です。

    アツアツの消防士の活躍を堪能しよう

    炎を使役する能力者同士の迫力ある戦闘、世界の謎や個性あるキャラクターなど、『炎炎ノ消防隊』は楽しめる要素が盛りだくさんです。戦いを通して、シンラをはじめとする第8特殊消防隊が成長していく姿は、思わず夢中になってしまいます。 『炎炎ノ消防隊』は2021年6月現在も連載中です。壮大で綿密な世界観を、ぜひ楽しんでみてください。

  • 炎炎ノ消防隊(29)

    少年・青年マンガ
    4.8
    500

    全人類は怯えていた──。何の変哲もない人が突如燃え出し、炎の怪物“焔ビト”となって、破壊の限りを尽くす“人体発火現象”。炎の恐怖に立ち向かう特殊消防隊は、現象の謎を解明し、人類を救うことが使命! とある理由から“悪魔”と呼ばれる、新入隊員の少年・シンラは、“ヒーロー”を目指し、仲間たちと共に、“焔ビト”との戦いの日々に身を投じる!! 燃え上がるバトル・ファンタジー、始動!! 回されてしまった“天照の鍵”。世界滅亡の“大災害”が始まる……。シンラたち柱不在の中、“天照”防衛戦に挑む第8。伝導者一派の攻勢は止まず、カロンは命を賭した最期の力を解き放つ。聖女への無償の愛を込めた一撃は、終末の時計をまた一刻進めてしまうのか。星を浄化する終末の炎の燃料は“絶望”。ならば、それに抗うエネルギーは…。それが救世の答えと信じ、特殊消防隊は“希望”をもたらす最後の戦いに挑む!!