エロスとスリルは、紙一重。『たとえば母が』『鷹月助教授の淫靡な日々』な等で熱狂的支持を受ける艶々先生の描く本作。もう普通にドキドキするだけじゃ物足りない、焦れったくてもどかしいのがたまらなく良いのです。シチュエーションひとつでこんなにエロいなんて!どこでレビューを見ても高評価なのも納得です。『終末のハーレム』『ハレ婚。』等が好きな方にもオススメ。良質なエロスが詰まった本作をご紹介します!
『落日のパトス』とは
偶然の再会から始まる秘めゴトの始まりー。 これまで空き部屋のままだった隣室に引っ越してきたのはかつての恩師でした。 再会に純粋に喜ぶ先生とそれを素直に喜べない主人公…。 かつて先生にしてしまった“あること”に罪悪感を抱いていたのです。 そんなある夜、突然隣の部屋から聞こえてきたのは、まさかの彼女の激しい喘ぎ声。 そう、彼女は結婚し、人妻となっていたのです。 その声に欲望を抑えられなくなった主人公は覗いてしまい、彼の目には憧れの先生のあられもない姿が焼き付いいてしまい…。 夫のいる先生と元生徒、背徳感と欲望の狭間で少しずつ狂ってゆく関係。 秘密、思惑、欲望が壁一枚を隔てて交差していきます、越えられそうで越えられない一線がめちゃくちゃ焦れったい!でもこの焦ったさが最高のエロスを演出しています。
あらすじ
東京。繁華街から離れた閑静な住宅街で連載漫画家を目指す青年・藤原秋。ある日、隣の部屋に新たな住人が引っ越してきた。その隣人は藤原の高校の恩師・仲井間真。偶然の再会に喜ぶ二人。しかしその晩。藤原は耳にする。隣の部屋から漏れる、仲井間の嬌声。自らの欲望を抑えられず、藤原は隣室を覗き込む。そこにはかつての恩師のあられもない姿が…!? 隣人愛欲物語。淫靡の世界の幕がいま、開く。
登場人物
藤原秋(ふじわらあき)
独身彼女ナシ、かけだしの漫画家。 元恩師の仲井間にかつて犯したある行為を後ろめたく感じていた。 普段は物静かな性格だが、性的な好奇心は人一倍旺盛!
仲井間真(なかいままこと)
藤原の高校時代の恩師、現在は結婚し、退職。 夫の仕事の都合で藤原の隣の部屋に引っ越してきた。 年の差婚で男性経験はひとりだけ。 最近は年の離れた夫との淡白な夫婦生活に物足りなさを感じている。 巨乳である。
まさみ
主人公が大学時代に所属していたサークルの後輩。 時々アシスタントとして仕事の手伝いに来てくれている。 垢抜けない感じの少女だが、胸が大きくスタイルはいい、仕事に来るたびに忘れ物をしているがそれはわざとなのか?天然なのか…? 彼女がいい感じに二人を刺激してくれています。
全裸っ!?
隣の部屋から漏れ聞こえた理性を失った声…それはかつての恩師のものでした。 薄い壁を通して漏れ聞こえてくる、夜の声。欲望を抑えられず、秋は隣室をのぞきこんでしまいます。 高校時代の憧れだったのあられもない姿の先生…。かつての苦い思い出と欲望が交錯する中、同じアパートの隣人として何事もなかったかのように交流を始めた二人だったのに。 まぁ何事もないと思っていたのは先生だけですが…秋くんは内心悶々の嵐です。 自分の好きだった先生が隣に引っ越してきて、そしてとんでもなく乱れた先生の姿を見てしまったら…。 これはもう男の子なら覗きたいという気持ちはしかないのかもしれません… でも覗き、ダメ、絶対。
先生、ついに気づく。
壁が薄いことは知っていた…だって隣人の笑い声が自分の家の中にまで聞こえていたから。 なのに自分の声がまさか筒抜けだとは気づいてなかった天然な先生、これは恥ずかしいですね! 「彼は知らないふりをしてくれていたの?」ーーーー知りたい、確認しなくては! 確認するのはめちゃくちゃ怖いですがもうほぼアウトな状態なので聞かずにはいられません…。 先生はこの後どうしたのでしょうか?
恥ずかしすぎた結果。
自分の恥ずかしい声が全て秋の部屋に筒抜けになっていたことに気付き、羞恥心でいっぱいになった先生。もう真の頭の中はカオスです。 これはもう秋くんを殺すしかありません。 恥ずかしい瞬間を人に見られたことに気がついた時の絶望、これって結構他人事じゃないですよね。 もしそんな恥ずかしい瞬間を見られたことがあったなら真を思い出しましょう。 この人よりはマシって思えるかもしれないです。 あとは時間が解決してくれるでしょう。
もう二人の間に恥ずかしいものはない。
真の夜の声ダダ漏れ聞こえちゃった事件によって、自分を変態と蔑む真、その声を聞いて自分で慰めていたと告白する秋。これがきっかけで、二人の関係性はいよいよ急速に歪み、そして近づき始めます。 思いを抑えることができなくなった二人は一体どこへ行くのでしょうか…。
海にきた。
話が進んでいく度にどんどん二人の行為がエスカレートしていきます。 もう大人だから大丈夫、元教師と元生徒の関係だから大丈夫、もう色々お互いの一番恥ずかしいところも知っちゃったから大丈夫、そんな言い訳は通用しません! でも二人は止まらない、ついに海まできてしまいました。 海でも、その帰り道でも…家に帰っても、二人の行為は止まらなくなってしまいます。 立派な成人の二人ですがなんだか性に目覚めたばかりの少年少女のようにえっちな好奇心でいっぱいなのでした。
嫉妬
秋の提案を受け水着姿で仕事を手伝うまさみちゃん。 今までは少し垢抜けない子でしたが、ついにまさみちゃんが動き出します。 水着を着た彼女はなぜかどんどん積極的に…二人は浴室で淫らな行為に及ぶことになります。真はドアの隙間から偶然、秋の部屋で水着になっているまさみの姿を目撃してしまいます。 これは気が気ではありません、真にとって、もう彼はただの元教え子でもただの隣人でも無くなっていました。 隣室から漏れ聞こえる二人の声に動揺し、思い悩まされ…。 淫靡な恋の三角関係の行方は…!? 秋くんはなかなかモテそうなタイプではないのですが、ちょっとおどおどした感じが女性のS性を目覚めさせるのでしょうか? まさみちゃんは秋くんにグイグイ迫ります。彼女のスイッチが入ったことにより、秋と真の関係はますます激しく暴走していくのか…その後の展開に目が離せません。
作家情報
『月刊少年ジャンプ』に掲載された『ゆり先生の教育白書!!』でデビュー。 主に爆乳系の熟女・お姉さん・美少女を描き、なかでも母親キャラがヒロインとなることが多いです。性行為の描写は艶かしいものがあり、萌え系というよりは往年のエロ劇画に近い雰囲気を持っています。『たとえば母が』『鷹月助教授の淫靡な日々』『はだかのくすりゆび』『我妻姉弟』などの作品は緻密に計算された展開でストーリーが進んでいきます。
まとめ
いかがでしたか? 正直、毎回めちゃくちゃに二人が乱れるってわけじゃないないのです。ABCでいうとBくらいな感じが続きますが、それでも、それでこそドキドキするのです。 面白さが失速することなくむしろどんどん加速していく心地の良いドキドキ感とモタモタ感。表現の仕方がぶっちぎりに良い!艶々先生の作品にはちゃんとストーリーも詰まっていてただただエロいだけじゃないので、男性にはもちろんですが女性にも読みやすくなっています。 今までも色々なお色気満載の漫画を読んできましたが、やっぱり艶々先生の作品は読みやすくて大好きです。 人にはなかなかオススメしづらいテイストの漫画なのですが、名作なのに読まれないのはもったいないのでこれをきっかけに是非本棚に入れてくれたら嬉しいです。 長かったですがここまで読んでいただきありがとうございました!