Webマンガ家として大人気な吉田貴司先生による、毎回主人公の違うオムニバス形式の漫画作品です。2016年からWEBサイト・noteで公開をスタートし、オチとなる判定結果はもちろん心理描写や情景描写が「男子あるある」としてSNSを中心に話題となりました。2017年に単行本化され、その後も人気は留まることを知らず、2018年にはAbemaTV、そしてMBS/TBS系列でドラマ化されています。
【ネタバレ注意】 女性との「やれたかもしれない」思い出を持つ男性が、面接会場のような場所を訪れ、女性との甘酸っぱさやほろ苦さ残る思い出を語り、そのストーリーに対して聞き手である男性2名、女性1名で構成される「やれたかも委員会」メンバーが、最後に「やれた」か「やれたとは言えない」かを判定するというシュールな設定の恋愛ギャグ漫画です。 リアルな恋愛ストーリーの中にもシュールな笑いを求める方には必見です。
あの日あの時あの場所で、もう少し勇気があったなら。 そんなやれたかもしれない思い出を犠星塾塾長・能島明、ミュージシャン・パラディソ、そして財団法人ミックステープ代表・月満子が「やれたかも」判定をします。 舞台は小さな会議室。相談者は簡単な自己紹介を済ませると、早速青春時代の「やれたかも」エピソードを語り出し、審査員3名はじっくりとその話に聞き入るのでした。 相談者の渾身の「やれたかも」エピソードの判定はいかに!?
本作の見どころはなんといっても、思わずあるあると頷いてしまう各相談者の「やれたかも」エピソードです。 男性ならば(一部女性相談者もいますが)一度は体験したことのあるような、あるあるエピソードが読者に青春時代を思い出させ、親近感を抱かせる内容となっています。 エピソード最後の審査員の判定には、思わず自分でも「これはやれただろ!」判定したくなるような、読者を引き込ませる、秀逸なストーリーとなっています。
2つ目の魅力は、紅一点審査員の財団法人ミックステープ代表・月満子の判定です。 基本的に2名の男性審査員は、どのエピソードも「やれた!」判定を下すのですが、月満子の判定は、いつも手厳しいものとなります。 女性ならではの冷静で現実的な視点で、男性の勘違いをバッサリと否定します。 この十分過ぎるほど冷徹に、男性のロマンを一刀両断する彼女のコメントがクセとなり、毎回エピソードが楽しみとなります。
3つ目の魅力は、やれたかも委員会主宰者の能島明の名言です。 ストーリーは「やれた」か「やれたとは言えない」を判断するという非常にシンプルで、馬鹿げた内容ですが、最後に能島から相談者へ愛がある人間味の溢れる言葉が捧げられます。 「やれたかもしれない夜は人生の宝です」「やれたかもしれない夜は、人生の隠し味」などなど。 ストーリーを読み始めると、次はどんな名言が生まれるのかと気になってしまうほど、インパクトがあるものとなっています。
4つ目の魅力は、満場一致で「やれた」判定が出た時のご褒美です。 読み進めるうちに、審査員3人が「やれた」判定を下すエピソードはあるのかと少し不安になってきますが、各巻で1エピソードほどの割合で、満場一致の「やれた」判定が下されるエピソードが登場します。 「やれた」エピソードが出ると、相談主にはちょっとしたご褒美が与えられます。 意外とあっさりしているものが多いので、是非注目して読み進めて見てください!
5つ目の魅力は、男性相談者の豊かすぎる想像力です。 こちらも各巻1エピソードほどの頻度で、各審査員から全く共感の得られない「やれたかも」エピソードが登場します。 男性はこんな些細なことで、「やれたかも」と思い込んでしまうのかと衝撃を受けてしまうかもしれません。 またこういったエピソードに対しての、女性審査員・月満子のコメントはいつにも増してトゲがあるので注目です!
6つ目の魅力は、あのホリエモンの「やれたかも」エピソードです。 2巻の特別編として堀江貴文氏が相談にやってくるというエピソードが用意されています。 破天荒なイメージがあるホリエモンからどのような「やれたかも」エピソードが出てくるのか注目です!
威厳を醸し出しながらも相談者への優しさが滲む、やれたかも委員会の主宰者。 犠牲塾塾長。塾長を名乗るが、どのような塾なのかは不明。 委員会ではセンター位置に座り、空手着のような道着を着用。 時折、動揺したり刮目しながら手元の大学ノートに審議で得た教訓をメモしている。 毎回審議の最後に相談者へ「やれたかもしれない夜は人生の宝です」などの名言を残す。
やれたかも委員会のメンバー。ミュージシャン。 チューリップハットを被り、サングラスを着用。 淡々と相談者の話を聴きながら、気になった部分をマメにPCに記録。 判定の多くは塾長に追随する。 状況の整理や仮説、図解などホワイトボードに書き出して整理し、探偵さながらの推理を繰り広げる。
財団法人ミックステープ代表。 やれたかも委員会の紅一点。ラテを飲みながら、落ち着いた雰囲気で相談者の話に耳を傾ける。 唯一の女性委員として「やれたとは言えない」札を掲げ、男性を厳しい意見で切って落とす。 パラディソや相談主が下ネタに関して配慮するシーンが多々あるが、彼女自身は全く気にする様子はない。
各章で異なる「やれたかも」エピソードを紹介する相談者達。 どこにでもいそうな、ありふれたエピソードが読者に親近感を抱かせる。 それぞれの職種と風貌・キャラが非常にマッチしている。 時折女性相談者も登場する。 またスペシャルゲストとして堀江貴文氏も登場。
2018年1月、AbemaTVのAbemaSPECIALチャンネルで実写WEBドラマが配信。 ロバートの秋山さんが主演を演じた。 2018年4月、MBS/TBS系列にて地上波テレビで実写ドラマが放送される。 地上波放送版では、原作の能島明にあたる能島譲役を佐藤二朗さん、原作のパラディソにあたるオアシス役を山田孝之さん、委員会で唯一の女性メンバー・月綾子役を白石麻衣(乃木坂46)さんが演じ話題となった。 演出は『カイジ 人生逆転ゲーム』や『闇金ウシジマくん』シリーズなどの企画プロデュースを手掛けている、山口雅俊さんが務めている。
いかがだったでしょうか。 1話完結型の非常にシンプルな構成の作品ということもあり、サクサクと読み進めることができると思います。 また、「やれたかも」しれないエピソードを判定するという、生々しい設定ながらも、各審査後に言い渡される言葉には深みがあり、人生の教訓を得られた気分となります。 まさに「やれたかも委員会」はただの恋愛ギャグ漫画にあらず! テレビドラマ化で話題の作品を是非お楽しみください!
シェアバディ 1
少年・青年マンガ木田敏郎、38歳独身。 彼は、電車に乗る時は必ずドアを背にして立ち、 痴漢に間違えられないよう後ろ手に組む男。 彼は、頭のてっぺんからハゲてきた男。 彼は、変なイボがある男。 彼は、世の中のサークルから独り取り残された男。 そして、 彼は女性と出会わずに人生が終わってしまうことに絶望を抱いている男。 そんな木田がある日、 アパートの隣の部屋で日替わりで女の子が訪れるナチュラルなイケメン大学生・ 松岡の身体に、何故か乗り移ってしまうことに。 木田は松岡と揉めながらも同居生活(ボディシェアリング)をし、 大学へ通い、バイト先へ行き、女の子と出会うが…!? 愛と青春の日々に出会えなかった野郎どもに捧げる、 2心1体コメディー!!