累計2000万部を突破した大ヒット作品『宇宙兄弟』。“兄弟で宇宙を目指す”というテーマを持つ本作は、世界各国で翻訳され、宇宙という壮大な夢を目指すために突き進む人間の力強さと豊かな人間関係を描いています。生きていく中で救われる言葉が盛り沢山。常に顔を上げ、前を見て行動していくキャラクターたちの名言を中心にご紹介させていただきます。心のノートにメモっておきましょう!
『宇宙兄弟』とは
2009年「マンガ大賞」「このマンガがすごい!」でともに2位を獲得、2011年には「小学館漫画賞」「講談社漫画賞」をW受賞した『モーニング』連載中のコミック。NASAやJAXAの全面協力にてアニメ化や映像化もされました。 例えば宇宙飛行士になるための試験、宇宙飛行士になってからの生活などが、登場人物を通して具体的に描かれています。 宇宙飛行士になれなかった人が、別の形で宇宙と関わっていく様子も描かれており、作品の世界観がリアルなのです。 一度夢を諦めても、また目指していく姿。 大切な人の死を目の前にしながらも立ち上がり前に進む姿。 大きな障害にぶつかっても周りの人に支えられながら前に進もうとする姿。 年齢、性別関係なく是非一度読んでもらいたい作品です。
あらすじ
2025年。兄は、もう一度だけ自分を信じた。筑波経由火星行きの物語がはじまる! 本格兄弟宇宙漫画発進! 幼少時代、星空を眺めながら約束を交わした兄・六太と弟・日々人。2025年、弟は約束どおり宇宙飛行士となり、月面の第1次長期滞在クルーの一員となっていた。一方、会社をクビになり、無職の兄・六太。弟からの1通のメールで、兄は再び宇宙を目指しはじめる!
宇宙兄弟を彩る登場人物
南波 六太(なんば むった)
1993年10月28日、サッカーワールドカップ予選敗退の「ドーハの悲劇」の日生まれ(本人談)、181cm(日々人より1cm小さいことがちょっと気になる)。 弟の悪口を言った上司へ頭突きをして会社をクビになったのち、宇宙飛行士選抜試験を受ける。 シャンプーがよく泡立つモジャモジャ頭。日本人最年少宇宙飛行士であり日本人初のムーンウォーカーである南波日々人の兄。 うまくいかない事を何かと「ドーハの悲劇」生まれのせいだとし、優秀な弟と比べ常に自己評価が低くネガティブ思考だったが、その発想力やハッタリは時に周囲をハッとさせ、さりげない気遣いと優しさで本人も意識しないうちに周りを助けている。
南波 日々人(なんば ひびと)
1996年9月17日「栄光の日」生まれ(六太談)、野茂英雄投手がノーヒットノーランを達成した日。身長182cm。JAXA宇宙飛行士選抜試験を受け合格。 日本人最年少宇宙飛行士であり、史上最年少ムーンウォーカーの記録も打ち立てた。 小学生の時に兄弟でUFOらしき光を見てから「自分は将来なんとなく宇宙に行く気がし」、宇宙に行くことを決意。自分の中に“絶対”なる決意を持って、宇宙に向かって真っすぐ歩んできた。兄である六太も同じく宇宙飛行士になるものだと信じて疑わず、迷い立ち止まっていた兄を様々な形で引っ張っていく。
金子 シャロン(かねこ しゃろん)
天文学者。六太と日々人にとって母のような存在で、宇宙飛行士になるために2人に英語などを教えてた。六太と日々人の活躍を心から喜び応援、2人の記事をスクラップしている。ピアノを弾くことが大好きで兄弟ともよくセッションした。 子供のころから見守っている兄弟の感情の変化にはとても敏感で、いつでも自然に二人の背中を押してくれる。「自分は役に立たない人間です」という意味の訳をムッタから頼まれた際には「It`s a piece of cake!(楽勝だよ)」という言葉を教える。
南波家の父と母
父・南波 長介 一見厳格そうで無口だが、ダジャレやモノマネが大好きで息子たちに会うたびに何か披露し、言い終わった後はドヤ顔をしたりする。俳句も時折口ずさむ。 うどんが大好き。 母・南波 真弓 元気でマイペースな、南波兄弟の母。失業した六太の転職活動の為、日々人に協力しJAXAへ履歴書を送る。 オリジナルの歌をよく口ずさみ、いつでも笑顔で陽気。南波家のムードメーカーでもある。南波家の穏やかでゆるやかな雰囲気は、きっと母によるところが大きいだろう。 愛する夫のモノマネやダジャレをいつも褒めたたえる。 とにかくほっこりする理想的な夫婦。
伊東せりか(いとう せりか)
1999年2月26日生まれ。14歳の時に父・凛平をALSで亡くす。医療の道から宇宙飛行士になることを志し、26歳で宇宙飛行士選抜試験を受ける。 周囲からも認められる美人だが、実は大食家。また六太からのアピールになかなか気づかなかったり、メールの絵文字のチョイスが独特というマイペースな部分もある。
真壁 ケンジ(まかべ けんじ)
1993年4月10日生まれ。宇宙飛行士選抜試験の面接の日に食堂で六太に話しかけ、10分で打ち解けた。六太とは唯一無二の親友で互いに良い影響を与え合っている。 知識ではなく「白いジグソーパズルを完成させた時の気持ち」など本やネットでは知ることのできないことを自分で知りたい・体験したいという強い想いを持っている。 自然なリーダーシップをとり大人として非常に見習いたく憧れる人物。
アポ(あぽ)
2023年誕生。宇宙兄弟のマスコットキャラクターであり日々人の飼い犬のパグ。アポロからとってアポと命名された。左前脚にハートマークがある。 ブライアン・J一家で飼っていたパグ、ジェミニの子供でブライアンが亡くなった2023年に誕生。その後日々人に貰われる。
作中に出てくる名言の数々
名言その1
「グーみたいな奴がいて、チョキみたいな奴もいて、パーみたいな奴もいる 誰が一番強いか答えを知ってる奴はいるか?」 他人と違うことは当たり前ですよね。誰が強くて、誰が弱いか、優れているか劣っているかなんてものはそもそもありません。 それぞれの形、個性がある。勝ち負けよりももっと大切なことがあるということを思い出させてくれるセリフです。
名言その2
「俺の敵は だいたい俺です」 「自分の”宇宙へ行きたい”っていう夢をさんざん邪魔して足を引っ張り続けたのは 結局俺でした。他に敵はいません」 何か新しいことにチャレンジしていく時にどうせ自分なんかと、理由をつけてただ逃げていた自分と向き合わせてくれる言葉です。 自分の足を引っ張らないように、自分の敵が自分であることを認めるところから始めてみてもいいかもしれません。
名言その3
「迷った時はね、どっちが正しいかなんて考えちゃダメ。どっちが楽しいかで決めなさい。」 「やろうかやめとこうか」「行くか行かないか」で迷い、さらに何を選択するかで迷う。 生きていたら選択の連続ですよね やるかやらないか。複数の中からどれを選択するか。 もういっそ楽しい方で決めたらいいって素敵ですよね。 そう簡単に決められないこともあると思いますがこんな決め方もあるんだって思えば少し悩みも軽くなる気がします。
ベストオブ心踊る名場面
名場面その1
弟、日々人が宇宙に旅立つシーンですがこの場面を見るだけにまた読み返したりします。 兄弟って家族っていいなと思う大好きな描写です。 「ずっと知りたかったことがある。日々人が月に降りた時 私の顔は笑っているだろうか。それとも泣いているだろうか。 それがどっちか今わかった。」 答えはぜひ本編でー…!
名場面その2
「日々人……お前はいつ実感した? 自分が宇宙飛行士に選ばれたってことを」 宇宙飛行士選抜試験を終えた合格発表後。 宇宙飛行士になれるのは本当に狭き門です、次にいつ試験があるかわからない中、友でありライバルである仲間からの言葉に感動し、鳥肌が立ちます。 ムッタの実感した瞬間はー。
作家情報
1978年生まれ、京都出身。第14回MANGA OPENに持ち込んだ『じじじい』で、わたせせいぞう賞を受賞。続く第15回MANGA OPENでは『劇団JETS』で大賞を受賞した。モーニングにて2006年、スキージャンプを描いた『ハルジャン』を集中連載し、単行本・全1巻が発売中。さらに、その後モーニングにて70歳の俊足泥棒が主人公の『ジジジイ』をシリーズ連載。現在単行本第1巻が絶賛発売中である。『宇宙兄弟』は、自身初の週刊連載である。
メディア情報
・アニメ化 ・アニメ映画化 ・実写映画化(主演は小栗旬と岡田将生。イギリスロックバンドのコールドプレイが楽曲提供。)
まとめ
いかがでしたでしょうか? 宇宙兄弟で描かれたことが実現されたり、ALSという病気の研究資金援助として登場人物の伊東せりかにちなんだ「せりか基金」などが設立されたりするなど、本当に夢とロマンに溢れた漫画ですよね。 生きているうちに宇宙旅行ツアーが旅行会社で手の届く価格で販売されることを夢にみて、この辺で終わりにしたいと思います。 最後まで読んでくれてありがとうございました!