2018年に実写映画化され、中条あやみさんが主演を務めたことでも話題になった「3D 彼女 リアルガール」は、那波マオさんによって「デザート」 に2011年9月号から2016年7月号まで連載された作品。単行本は全12巻。電子書籍で番外編があり、累計発行部数は紙媒体と電子媒体を合わせて150万部を突破。 2018年から19年にかけて「3D 彼女 リアルガール」のタイトルでテレビアニメ化もされました。
『3D 彼女 リアルガール』とは
オタクで非モテ男の主人公・筒井光(通称つっつん)と、リア充の美少女・色葉とのじれったい恋模様が魅力の本作。 人とのコミュニケーションが苦手で、友だちは同じオタク仲間の伊東くんひとりだけなつっつん。他のクラスメイトや家族にすらオタクと呼ばれバカにされている彼が、ひょんなことから超リア充美少女にアプローチされ付き合うようになる、という設定が新鮮。 超美少女の方からアプローチしてくるという一見逆シンデレラストーリーな美味しい設定にもかかわらず、リアルな女の子とろくに話したこともないつっつんは戸惑ってばかりで全然うまくいかない…というじれったさ、非モテ十代男子のリアルさも本作の魅力のひとつです。 「ヲタクに恋は難しい」などのオタク的わちゃわちゃ感や、「となりの怪物くん」「君に届け」など、学園カーストラブ作品が好きな方にもオススメです!
あらすじ
つっつんこと、筒井光はアニメやゲームのバーチャルな女の子で満足している高校生。ある日、プール掃除を一緒にやるハメになった派手でツンツンしてて男グセの悪い完全リア女・色葉がナゾの急接近!「あたしと付き合って」って…いやいやいや…あんたとオレ、接点なさすぎですけどっ!! 大人気!少女漫画界最弱男子とリア充女子のありえない純愛、新装版でスタートです!
個性あふれる登場人物たち
本作品の魅力は、なんといっても思わず感情移入してしまうリアルさを持ったキャラクターたち。 現実の女子に耐性のない冴えないオタクな主人公や、顔が良すぎて同性の友達に嫌われているヒロインなど、王道だけどどこか新鮮な魅力にあふれた主要キャラクターを紹介していきます。
五十嵐 色葉(いがらし いろは)
本作のヒロイン。 彼氏が次々出来るほどの美少女だが、相手をとっかえひっかえしているなど悪い噂のせいで同性からの評判は最悪で、女友達がいない。 筒井とは遅刻した罰として一緒にプール掃除を課せられた際に面識をもち、バカにされていた伊東を助けたり、痴情のもつれに巻き込まれた自分を庇ってくれたことから興味を抱き、告白。 はじめは断られるが、転校するまでの半年間限定で交際を開始。 次第に筒井の不器用ながらも真っ直ぐな面に惹かれていき、真剣に付き合うようになる。
筒井 光(つつい ひかり)
本作の主人公。高校3年生。色葉からは「つっつん」と呼ばれる。 アニメやゲームを好むオタクであり、現実では家族や趣味を共有する伊東を除いて、異性や他人と関わることを苦手としていた。 はじめは色葉のことを自分と対照的な派手な女として見ていたが、交際を始めると自分を色眼鏡で見ずに向き合ってくれる色葉を本気で好きになり、同時に石野や綾戸、高梨を始めとする周囲の人間と交友関係を構築するなど人間的にも成長していく。 恋愛初心者だが、初心者だからこその無自覚超特大デレが稀に飛び出る。
伊東 悠人(いとう ゆうと)
筒井の友人。筒井同様オタクであり、自分のアイデンティティーとして常時猫耳をつけているのが特徴。 筒井の良き理解者として色葉との交際を後押しし、その後も助言をするなど彼をサポートするとっても友達想いのTHEいい人。 当初はつっつん同様現実での恋愛には関心がなかったが、筒井を介して知り合った綾戸に好意を抱き、一度は断られ失恋するが、紆余曲折を経て恋愛関係に発展する。
石野 ありさ(いしの ありさ)
筒井と伊東のクラスメイト。 筒井に恋愛相談をされたのを機に彼や色葉、伊東と友達になり、彼らの恋愛模様にアドバイスをするようになる。正直者で毒舌。 シュンという同級生と付き合っていたが、金づるにしか見られておらず、破局。その後は高梨に何度もあしらわれながらもアプローチを続け、ついには付き合うこととなる。
綾戸 純恵(あやど すみえ)
筒井たちの2つ下の学年の女子。園芸部所属。 アニメが好きで、筒井が落としたアニメ雑誌を拾ったことで彼と知り合い、共通の趣味をもつ友人関係となる。筒井を慕うようになり告白するが、色葉に対する筒井の想いを聞いて失恋。 その後、伊東に告白され、はじめは恋愛することに戸惑いを覚えるが、石野の後押しもあり付き合うことに。 メイド喫茶でアルバイトをしている。
高梨 ミツヤ(たかなし みつや)
筒井の同級生。 プライドが高く高圧的な振る舞いが目立つが、妹を溺愛し、母子家庭を支えるために大学を目指すなど家族思いな一面ももつ。 色葉への好意から筒井にロリコン疑惑を被せて周囲から孤立させるが、企みが色葉にばれたことで失敗に終わる。その後は、図らずも筒井たちと交友をもつようになる。
魅力ポイント
(1)キャラが濃い、だがそれがいい
他人とコミュニケーションを取るのが極端に苦手でぼっちでオタクな主人公や、これが自分のアイデンティティーだとネコ耳を外さないオタク友達、転校するから女友達はいらないと宣言して憚らないヒロインや、色々正直に発言しすぎ&ツッコミ(物理)が激しい女友達など、とにかくキャラが個性的! パッと見なんの共通点もなさそうなメインキャラ6人が繰り広げる遠慮なしの会話劇は、テンポが良くて楽しくて、ずっと見ていたくなります。
(2)冴えないオタク・つっつんが時々見せる男気!
ネクラでオタクで卑屈で、冴えないし、壁ドンもしないちょっと弱めな主人公つっつん。 でもどんなに戦闘能力が弱くても、何かを守るために本気で立ち向かうことができる優しさと強さを持っているところにグッときます。 稀に無自覚に甘い言葉を吐いてしまい、色葉を照れさせちゃうことも…!
(3)甘々な恋愛展開に胸キュン&涙!
「3D 彼女 リアルガール」の最大の見どころは、何といっても恋の進展模様。 もともとどう見てもカーストが違うふたりが出会い、そこからお互いに相手がなくてはならないほどにまで深く愛し合っていく様子にトキメキます。 特に後半、色葉が抱える大きな秘密と残酷な現実に、一旦どん底まで落とされながらも2人が立ち向かい結ばれる光展開は圧巻。 つっつん、やる時はめちゃめちゃやる男です…!
メディア情報
テレビアニメ
「3D彼女 リアルガール」のタイトルでテレビアニメ化。 2018年4月から6月まで第1シーズンが、2019年1月から3月まで第2シーズン放送。主人公の筒井は上西哲平、ヒロインの色葉は芹澤優が声を務めた。
実写映画化『3D彼女 リアルガール』
2018年ワーナー・ブラザースより、中条あやみ、佐野勇斗主演で実写映画化。監督は「ハンサム★スーツ」や「貞子3D」などを手掛けた英勉。主題歌は西野カナが担当した。現在Blu-ray&DVDも絶賛発売中。
まとめ
ドタバタかわいいラブコメ調とシリアスで深いラブストーリー、どちらの良さも味わえる「3D 彼女 リアルガール」。すでに完結している作品なので、週末や休みの日などに、まとめ読みでどっぷり世界観に浸ってみてはいかがでしょうか。