2006年にTVドラマ化され好評を博し、その後、2009年にはTVドラマのキャストによる劇場映画が公開された。またノイタミナ枠でアニメ化もされた本作。 『のだめオーケストラ』が設立されるなど、幅広い分野にクラシック音楽を普及させた漫画として名高い、二ノ宮知子先生によるクラシック音楽漫画『のだめカンタービレ』(全25巻)。 絶対ハマること間違いなしの本作を、登場人物の魅力を中心にご紹介します♪
『のだめカンタービレ』とは
一言で表すと、『青春クラシック音楽コメディ漫画』。クラシックがテーマなので普段接することが少ない人からすると、敬遠してしまいそうなテーマですが、ギャグ満載の明るい雰囲気と、むずかしい理論は一切不要の軽やかな内容で、たくさんの人がこの作品にハマりました。 また主人公である”のだめ”は「掃除できない」「料理できない」「不潔」……と、ヒロインにあるまじき性格ですが、ピアノに関しては天才的(無自覚)。「好きだから楽しく弾きたい」と願っているだけだったのだめが、本当にピアノと向き合えるようになるまでの心の成長も、この漫画の見どころのひとつです♪ また、同じ音楽を題材にした新川直司氏著書『四月は君の嘘』、一色まこと氏著書『ピアノの森』や、笑えてためになる石川雅之氏著書『もやしもん』が好きな方にもオススメの漫画です!
あらすじ
エリート音大生・千秋真一は、尊敬する世界的なイタリアの指揮者、ヴィエラの弟子になることを夢見ていた。それを叶える為の才能にも環境にも恵まれていたが、飛行機恐怖症かつ、船舶恐怖症のため留学できず、国内に留まるしかないというジレンマを抱えていた。その上、ヴィエラ以外の教えを受けたくないとの理由で、指揮者を目指しているものの、ピアノ科に在籍していた。 ある日、ピアノ担当教諭との喧嘩で自棄を起こして、自宅マンションの前で泥酔、眠ってしまう。目が覚めると周囲にはゴミの山と悪臭、そして美しいピアノソナタを奏でる女性がいた。名前は野田恵(通称:のだめ)。 この出会いが、彼の運命を大きく変えてゆく…。
個性出まくり!魅力的すぎる登場人物たち
本作品の魅力はなんといっても、ヒロインである”のだめ”がかすむほど、濃い人物たちが登場します。そのどれもが人間くさくて愛らしいのです!クラシック音楽に携わる人たちへのイメージがガラッと変わるはず!今回はそんな魅力的すぎる登場人物から5人を厳選してご紹介します!
野田 恵(のだ めぐみ)
本作の主人公(ヒロイン)。愛称はのだめ。過去の出来事からピアノ演奏は楽しくがモットー。 耳が良く、一度聴いた曲は楽譜無しでも弾きこなしてしまう天才。 しかし、生活態度は度を越してだらしがなく、奇声や奇行も多いため、千秋からは「変態」認定されている。 マンガとアニメが好きで、特に人気アニメ「プリごろ太」は、後にフランス語版プリごろ太でフランス語を習得してしまうほどのファン。
千秋 真一(ちあき しんいち)
本作の主人公(その2)。ヴィエラ先生の指揮に感銘を受け、指揮者を目指すエリート音大生。世界的に有名なピアニスト・千秋雅之の一人息子。 帰国子女でフランス語、ドイツ語、英語を使えるマルチリンガル。さらに金持ち、容姿端麗、頭脳明晰で家事までこなす。 完璧主義で自分にも他人にも厳しいが、一方で世話好きで面倒見の良い一面もあり、自然と人を惹きつける。 のだめに対してあたりは強いが、彼女を思っての言動であり、愛である。
峰 龍太郎(みね りゅうたろう)
千秋とのだめの親友。桃ヶ丘音楽大学の裏にある中華料理屋「裏軒」の一人息子。自己陶酔型ヴァイオリン奏者。 非常に過保護な父を持つ。 ヴァイオリン科に在籍し、成績不良で1回留年したため、のだめと同学年。そのため「留年太郎」という不名誉なあだ名を持つ。 のだめとしばしば意気投合し、一緒になって千秋を困らせる場面も。基本的にいい奴。 シュトレーゼマンによりSオケのコンマスに抜擢され、そこからヴァイオリニストとして成長を遂げていく。
奥山 真澄(おくやま ますみ)
体は男でも心は常に乙女チックな打楽器奏者。アフロヘアーと口ひげが特徴的で千秋からは「モジャモジャ」と呼ばれることも。 ティンパニーの腕前は一流で、人間メトロノームと言われるほどの正確なテンポを刻む。 千秋を熱烈に慕っており、千秋につきまとうのだめのことを「死んじゃえ委員会」と称して嫌がらせをし、彼をめぐって勝負を仕掛けたりもした。 リハーサルの見学に来た千秋の気を引こうとし、踊りながら演奏したことで元々いたオーケストラを追い出され、Sオケに参加する。
フランツ・フォン・シュトレーゼマン
世界的に有名なドイツ人指揮者。千秋の師匠。 音楽に関しては超一流だが、私生活では相当なエロジジイであり奇人でもある。 日本が大好きで合コンなどの風習も把握。日本語もかなり堪能。桃ヶ丘音大の理事長との縁で来日し、大学中のヘタクソと変わり者を集めて、Sオケを結成、千秋を弟子にとった。
魅力ポイント
(1)クラシックなのに敷居が全く高くない!
本来クラシックって滅茶苦茶敷居高いですよね。それなのにも関わらず、クラシックを一切知らないまま読み始めて、何も知らないまま読み終える事が出来ます。もちろん知っているに越した事はないし、知っていた方が面白いとは思いますが、感覚的には将棋しらなくても面白い『3月のライオン』に近いかもしれません。 ちなみにギャグ寄りではありますが、ちゃんと少女漫画の要素もあります。 恋愛漫画とか、ギャグ漫画とか、青春漫画とか、そういう方面から入ってもちゃんと楽しめるところもこの作品の魅力だと思います。
(2)逆境からの成功劇にワクワクが止まらない!
千秋真一はシュトレーゼマンがつくったSオケを急に任せられてしまいますが、Sオケは成績的に落ちぶれた生徒が多く集められたオーケストラ。個性の塊みたいな生徒しかいません。こんなメンバーでうまくいくはずない!なんて思っていたのに、大成功をおさめてしまうのです、これが。 その後も千秋は何度も窮地に立たされますが、持ち前の性格の悪さとのだめとの愛のパワー(?)で、乗り越えていきます。 さすが『千秋様』ですね!
(3)最後まで目が離せない!のだめの恋の行方
序盤はのだめの一方的な恋心に振り回される千秋ですが、中盤からは千秋のほうがのだめに対する気持ちが大きくなっており、読んでいて胸がきゅんきゅんしてしまいます お互いが互いの成長のきっかけも作りあっていて素晴らしいパートナー同士だなと思いますし、こんな二人の関係がとても羨ましくも思えます。
感想レビュー
「パワーバランスがちょうどええ。のだめの立ち位置が絶妙や 」 「漫画なんてほとんど読まないカーチャンが俺の持っていた原作の続きを買ってきて、ドラマと映画のDVD買ってくるほどのはまりっぷりを見せた。のだめってすごい。改めてそう思った。」 「ドラマも良いですが、やっぱり原作ですかね。個人的にはアニメ版も好きですが…ちょっと変わった子が素敵な階段を駆け上がるストーリーは時代を問わずときめきますね。なんか元気が欲しい時、漫画を読み返しますが、出先で読みたい時は電子書籍の方が便利ですね。出張した日の夜、ホテルで一息読むには最高です。笑いあり、ハラハラありの、私ももっと努力しよう。と、襟を正してくれる作品です。」
メディア情報
フジテレビでドラマ化が決定し、2006年10月から12月まで放送。2008年1月4日・5日の2夜連続で続編のスペシャルドラマも放送された。また、フジテレビのノイタミナ枠でアニメ化され、第1期が2007年1月から(全23話)、第2期『巴里編』が2008年10月から(全11話)、第3期『フィナーレ』が2010年1月(全11話)、それぞれ放送された。更に2009年12月と2010年4月には、ドラマ版の続きとして完結編にあたる映画が、前・後編の2作連続で公開された。 また、高里椎奈がドラマ版のストーリーを基に小説化し、2006年12月22日に発売された。ゲーム化もされている。
まとめ
いかがでしたでしょうか?『のだめカンタービレ』は、友情や努力を漫画で感じたい、ほのぼの系が好きでまったり読み進めたい方にオススメの作品です。本編はもう完結していますが、メディア展開がたくさんされた作品なので、漫画、アニメ、映画、ドラマ…とずっと楽しめる作品です!ぜひこの機会に読んでみて下さい♪