ひと昔前、柔道と言えば、日本がオリンピックで金メダルを多数獲得する人気競技でもありました。やわらちゃんこと谷亮子選手などは記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。 柔道を描いた漫画作品は隠れた名作の宝庫です。これを読んでいないなんて、もったいない! と思えるような名作ばかりなので、みなさんぜひ、気に入る作品を探してみてください。
もういっぽん! 1
少年・青年マンガ中学最後の大会で結果を残せず、高校では柔道をやめ、目一杯高校生活を満喫するつもりでいた園田未知。しかし進学した高校で、中学最後の大会で敗北した氷浦永遠と出会ってしまいます。 ひょんなことから乱取りをすることになった未知は、永遠から一本を取って、その快感に酔いしれ、再び柔道へとのめり込んでいきます。 女の子同士の関係性をメインで描いた、いわゆる日常系というジャンルがありますが、この漫画はそこに柔道という要素をプラスした異色作。 スポ根漫画ほど暑苦しくもなく、かといって日常もののようにゆるすぎもしない。柔道部の女の子たちが織り成す、爽やかな青春模様をお楽しみください。
JJM 女子柔道部物語(1)
少年・青年マンガ北海道の高校に通う神楽えもは、元気が取り柄のごく普通の女の子。後に、61キロ級の女子柔道で、日本初の金メダルを獲得することになる人物です。 しかし、ごく普通の高校生だったえもが、どのようにして柔道界に旋風を巻き起こすまでになっていくのでしょうか……。 柔道を題材にした漫画で、恐らく最も知名度が高いであろう名作『柔道部物語』の小林まこと先生が脚色、校正、作画を担当し、アトランタオリンピックで日本女子柔道界初の金メダルを獲得した恵本裕子氏が原作を担当している作品です。 内容や展開は恵本裕子氏の実話が元になっているそうなので、彼女のファンの方ならなおのこと楽しめるのではないでしょうか。 もちろん、試合中の動きやギャグパートとの緩急といった、元祖『柔道部物語』の良い部分をきちんと残したまま進化した作品になっているので、誰でも楽しむことが出来るような作品として仕上がっています。 柔道ファンだけでなく、スポ根漫画ファンも必見の名作漫画です。
帯をギュッとね! 1
少年・青年マンガ昇段試験で黒帯をとった、別々の学校に通う5人の中学生。商談試験から約半年たち、高校生になった彼らは、同じ高校の同じクラスメイトとして再開します。 柔道部に入部しようとする彼らでしたが、その高校には柔道部がありませんでした。彼らは、さっそく柔道部を設立、実力者だらけながら、全く無名の、一からのスタートを切っていきます。 連載開始は1989年ですが、従来の柔道漫画では多かったスポ根を全面に押し出した作風ではなく、あくまでも高校の部活動を描いた青春漫画という立ち位置を確立して、大人気となった作品です。 また、部活ものではよく描かれる先輩後輩という立ち位置がこの作品には存在しないので、部内の不和と言ったようなマイナスイメージになりかねない要素が完全に排除されています。これも、この作品から受ける爽やかさに一役買っているのではないでしょうか。 作者が柔道経験者なので、丁寧な解説や柔道の動きのリアリティも見どころの一つ。 汗臭く熱いイメージを持たれていた柔道漫画を、学園青春漫画へと押し上げた名作漫画です。
いっぽん! 1
少年・青年マンガ柔道のような武道を始め、スポーツをやる上で身長が小さいというのは基本的にデメリットになる場合がほとんどです。『いっぽん!』の主人公は、非常に身長が低いのですが、それでもデカいヤツを投げたい! と、努力や工夫を凝らしながら成長していく様子を描いた作品になっています。 作者である佐藤タカヒロ先生は、元々学生時代に柔道をやっていたらしく、その経験から描かれる柔道描写は圧巻の一言。荒々しさはありますが、逆にそれもあいまって臨場感を感じられると思います。 体格的に不利な主人公が、様々な努力と作で強者をなぎ倒していく。格闘技や柔道を取り扱った漫画というよりも、少年漫画らしいバトル漫画らしさを覚える内容なので、むしろ柔道に興味が無い人でも楽しめる作品に仕上がっています。 熱い漫画作品を読みたい方にはぜひご覧になっていただきたい作品です。
柔道部物語(1)
少年・青年マンガ岬商業高校に進学した三五十五は、先輩からの甘い言葉を真に受け柔道部を見学したところ、新入部員歓迎のしごきを受け地獄を見ることになります。これに憤りを感じる三五ですが、負けん気の強い三五は、一度決めたことだからと、柔道を続けることを決意します。 小林まこと先生の描く柔道漫画の不屈の名作にして金字塔と言っても過言では無いでしょう。最初期こそ、学生時代は柔道部に所属していた作者の部活経験を元にしたギャグ色の強い作風でしたが、バルセロナオリンピック柔道男子71キロ級金メダリストである古賀稔彦からのファンレターをきっかけに、本格的な柔道漫画にシフトしていったという経緯がある本作。 なので、序盤と中盤以降はかなり毛色の違う作品となっています。 しかし、流石は柔道経験者と言うべきでしょうか。技などは非常に丁寧に描かれているので、純粋な本格柔道漫画としても抜群に読み応えがあります。 オリンピックで三連覇を成し遂げたレジェンド、野村忠宏選手がバイブルだと公言しているほど、柔道ファンの間では人気が高い作品です。 柔道ファンだけでなく、様々な方に読んでみてもらいたい傑作、ぜひあなたも読んでみてください。
からん(1)
少年・青年マンガ長い伝統のある京都のお嬢様学校、望月女学院高校へ入学した高瀬雅と九条京。高瀬は中学時代に柔道で京都2位に入るほどの実力者で、九条を含めた仲良くなった新入生たちを柔道部に誘います。九条は素人でしたが、初めて見る柔道に、彼女は今までに感じたことのない高鳴りを覚えます。二人の柔道に懸ける日々が始まりました。 実力者で、本年の優勝候補の筆頭とも目される先輩の萌。血のにじむような努力をすることで京都2位の称号を手に入れた高瀬。そんな経験者であり実力者でもある二人に、圧倒的な成長速度と才能で肉薄していく九条。と、方向性の違う様々な天才と、その葛藤が描かれています。 その他にも、お嬢様学校という場所柄か、家庭や血筋にしがらみを持つ様々な登場人物たちの抱える問題のような、人間関係、悩みが軸になって物語が進んでいく、異色の柔道漫画です。 純粋な柔道漫画、スポ根漫画として読むのではなく、登場人物たちの心理描写に注目しながら読んでみてください。 努力の天才と、天賦の才を持った天才と、彼女らの織り成す青春群像劇がこの作品最大の魅力です。
ウチコミ!! 1
少年・青年マンガ小さな身体がコンプレックスで、同級生にも毎日パシリに使われていた光石錬は「いつか、いじめていたやつらをぶっ飛ばしてやる」という思いを持っていました。そんな闘志を秘めた少年は、柔道と出会い、自身が持っていたその才能を開花させていくことになるのです……。 『むねあつ』の作者でもある村岡ユウ先生が描く、やはりこちらも柔道を題材にした作品です。 背が小さくいじめられっ子だった主人公が、柔道に出会い、それにのめり込んでいき成長する様子を描いています。 初めは弱かった主人公が、地道な努力を繰り返し、次第に強くなっていくという展開は、まさに王道スポ根漫画そのもの。 これまでにも柔道漫画を始め、スポーツ作品を手掛けてきている作者だからか、柔道の描写は非常に丁寧です。 躍動感を感じられる柔道のシーンを始め、熱血で王道なスポ根展開、また青春の爽やかさを感じるストーリーは、様々な方が読める作品になっています。