「今日も、あの人来てる」ダンベルを並べ直すふりをして、鏡越しに目で追ってしまう。「フォーム、崩れてますよ」「はい、水分とって」紙コップを渡した指先が触れて、その熱が離れない。「意識しちゃってドキドキしちゃう」「ちょっと、こっち来て」「……給湯室、誰も来ないから」扉の鍵が、小さく鳴った。「お姉さんが……リードしてあげる」「無防備な私が悪いの……?」恥ずかしいはずなのに、口をついて出るのは逆の言葉。「見られてる……嬉しい」上に跨がって、腰を落として。「自分から、動いちゃう……」何度果てても、終わらせてくれない。「……もう、離れられない」翌朝のジムで、何もなかった顔で挨拶をする。「出した分、水分とって」と笑う顔だけが、昨日までと違う。「また給湯室で……会える?」無防備すぎる巨乳ジムトレーナーの、給湯室だけの顔。フルカラー。

