「管理人室で、また一人の夜……」誰もいないマンションで、スマホの画面だけが明るい。廊下の電球を替えていた夜、脚立を支えてくれたのは、住人のあの人だった。「手伝って頂いて、すみません」触れた指先に、胸が勝手に鳴る。雨の夜、気づけば時計は十二時を回っていた。「終電……逃しちゃった」「お言葉に甘えて、泊めさせて頂くわ」一晩だけ。そのつもりだったのに。「離れたくない……」「……いいよ。私も、そうしたいから」一度ほどけたら、甘える声が止まらない。「管理人としては、ダメだね」と笑いながら、腕をほどけない。「あったかい……満たされた……」朝は、何もなかった顔で管理人の仕事に戻る。それでも夜になると、またドアを叩いてしまう。「もう、毎日来ちゃおうかな」甘え上手な管理人のお姉さんの、誰にも内緒の夜。フルカラー。

