「(足音で、時間がわかる)」同じ建物に住む入居者の足音を、いつの間にか数えていた。「修理?……業者に言えばいいでしょ」冷たい大家。そう見られているのは、自分がいちばん知っている。廊下に転がった蜜柑を拾うとき、指が触れた。それだけで、胸がうるさい。玄関先でつまずいた体を、あの腕が抱きとめた。「帰ってほしくない」「いつも塩対応でごめんなさい」大家と入居者。越えてはいけない線の手前で、もう足が止まらない。「……いいよ。私も、そうしたいから」一度ほどけた顔は、もう元に戻らない。今夜は自分から、ドアを開けて会いに行く。「何回中出しされたか……もう分からない」翌朝は、何もなかった顔で「いってらっしゃい」。「塩対応も……あなたへの照れ隠し」塩対応だった爆乳人妻大家の、玄関の内側だけの顔。フルカラー。

