マンションの管理人をしている彼女に、隣の生活音が届く。誰かの暮らしが、家族みたいに思えるほど静かな毎日。夜、ひとりでスマホを開いても、送る相手はいない。「笑顔でいるけど……本当は寂しいの……」その夜、町ごと明かりが消えた。ろうそくを灯した部屋に、様子を見に来た住人の彼。「停電ですね……大丈夫ですか」「暗くて怖い……離れたくない……」「こんなに密着されたら……」肩が触れる距離から、もう戻れない。見えないから、余計に。自分から、触れてしまう。「収まっても……帰さないわ……」明かりが戻っても、その腕はほどかれない。翌朝の食卓には、ふたりぶんの器が並ぶ。そして夜になるたび、同じ言葉で呼び止められる。「今夜も帰さない……覚悟してね」寂しがりなおっぱいの大きい管理人の、停電の暗闇から始まった夜。フルカラー。

