神話の「淫魔」と同じバラ色の髪と紫色の瞳をもつ公爵令嬢ロザリンドは、外見への偏見から「悪女」と噂され、地味な装いに徹して目立たぬよう生きてきた。そんな彼女に、愚かな婚約者ラウルは身勝手な言い分で婚約破棄を突きつけ、そのあまりの理不尽さに今まで抑えてきた感情を爆発させたロザリンドは彼にシャンパンを浴びせてしまう。激昂したラウルに乱暴されかけたロザリンドを救ったのは、隣国リーンハイムの王太子であるルシアンだった。彼は王太子という立場にふさわしい華美な美しさを持っているものの、見た目とは裏腹に真面目で優しい植物学者だった。ルシアンは外見や偏見にとらわれず、ありのままのロザリンドの優しさや才能を評価してくれ、彼の誠実さに触れるうち、ロザリンドは次第に本来の自分を取り戻し、心を開いていく。しかしルシアンの一時帰国をきっかけに、ロザリンドは彼との身分差を痛感してしまい……。

