夏から秋にかけて咲く、白粉花(オシロイバナ)。「あの花は、人の秘密を吸って咲いている」――子どもたちの間では、そんな噂がまことしやかに囁かれていた。とりわけこの団地では、少女たちが「秘密」を共有することで、奇妙な連帯感を築いている。小学生らしい無邪気な話題から、大人びた下世話な噂、誰かの悪口まで、彼女たちの会話は目まぐるしく移り変わっていた。そんな秘密の共有に、どこか息苦しさを感じながらも、平穏な日々を過ごしていた「あつき」。しかし、儚く美しい少女「つみ」と交わしたある日のキスが、あつきの日常を静かに変えていく――。美しくも脆い、幼き少女たちが友情と恋の狭間で揺れ動く、切なく儚いガールズラブ。
