生贄として、人喰いの悪竜へ捧げられた亡国の王女シルビア。だが──「私の身体はくれてやるから知恵よこせ、この蛇とかげ!」「お主みたいな未熟でマズそうな人間、喰えるか!」悪竜ヴェールは彼女を喰わず、代わりに彼女に世界を見せる旅へ誘う。すべては彼女を「美味しく喰らう」ために。こうして始まった、竜と姫との二人旅。だが、国家、宗教、経済、難民、外交――世界を形づくる仕組みに触れていくうちに「世界を知る旅」は、「世界を背負う旅」へと変わっていく。やがて明らかになる、彼女の国と家族を殺した大いなる陰謀。竜と王女は、世界を巡る謀略に巻き込まれていき──剣ではなく交渉を。魔法ではなく謀略を。力ではなく知恵を武器に。これは、世界を知った少女が、君主になる物語。

