経営におけるアートの大切さが、改めて注目されている。そこには、科学万能主義への反省、方法論としてのロジックの限界、AIの超進化という3つの時代背景がある。かつて「デザイン思考」がもてはやされたことがあったが、これといった成果を生まずに経営の前景から姿を消した。それは、外受けをねらった表面的な技巧であったためだ。それに対して、「アート思考」は内発的な思いを表出させた人間性の発露である。それは「パーパス経営」との相性も良い。「パーパス=志」はいかに自分の熱い思いから出発しているかがカギで、そこはアートとも通底している。ただし、パーパスは実践しない限り、絵にかいた餅にすぎない。そして、そのためには、掛け声だけでなく、行動原理にまで落とし込まなければならない。著者は『パーパス経営』でWhyを、『エシックス経営』でHowの必要性を説いた。本書では、経営が実現すべきWhatとして「アート経営」を提唱する。企業変革と価値向上を実現するために、経営が全精力を傾けて内発的に創り上げたい未来はどう作るのか。AI、論理的思考を超える感動を生み出す経営について考える。

