明治半ば、時代に抗うひとりの芸妓がいた――
名妓・お良は向島に「理想の花街」を築く夢を追う。
「風烈廻り与力・青柳剣一郎」シリーズの小杉健治が
江戸前の誇りを貫く女の粋を、下町の四季とともに鮮やかに描く感動作。
明治半ば、住信銀行頭取の村岡喜平にひかされた名妓・お良は、庭先に現れた謎の男・政二郎と惹かれ合う。密かに逢瀬を重ねる中、元勲・伊藤博文が起こした事件に絡み、村岡が暗殺される。嫌疑をかけられた政二郎に、お良は別れを余儀なくされ……。
断ち切れぬ恋慕を胸に、向島に見世を持ち、理想の花街を築こうとしたひとりの女の愛と哀しみを描く連作集。
