この子たちの瞳の輝きを守りたい――。亡き父の遺志を継いだ笹代は、日本橋の福島町で手習い所の師匠となり、教え子である筆子たちの成長に、日々目を細めていた。ある日、皆で飼っていた兎が忽然と消えた。後日、近所の商家でそっくりの兎が飼われているとの話が耳に入り・・・・・・「ユメの帳面」。殺しの下手人とされた元教え子への疑惑を晴らすべく奔走する「疑われた元筆子」。笹代とともに暮らす身寄りのない筆子の一人に、養子の話が届く「巣立ちの朝」など、江戸の四季の風物を織り交ぜ描く、風味絶佳の連作短篇時代小説。文庫書き下ろし。
