出汁の塩梅を直すだけの、名もない舌だ

出汁の塩梅を直すだけの、名もない舌だ

作者:
出版社:
-
900
名の通った板前が、なぜか、仕込みと味見に、下働きの俺だけを離さなかった。橘悠成。言葉を惜しむ職人気質の板長。俺は菅野澪、二十五歳。出汁の塩梅を舌で見て、整え直すだけの下働きだ。味を見るだけの仕事に、名前は残らない。椀を握るのはいつも板長で、俺はその外側にいる。それなのにあの人は、お前の舌でなければ椀は出せないと言う。理由は言わない。俺は最後まで、知らなかった。あの人が、四年前の深夜の板場で一度だけ、俺の直した出汁に、包丁を置かずに済んでいたことを。抽斗の奥の柄のすり減った味見の匙が、俺の使っていたものだということを。本作は東雲そらの「名前の残らない仕事」シリーズ。一話完結・どこからでも。

名前の残らない仕事の他の巻を読む

一覧
  • 誰が書いても同じ棋譜のはずだった

    8月17日発売予定

  • この星の記録は、僕でなくても書ける

    8月17日発売予定

  • 僕の声は、ただ山の数字を読むだけだ

    8月17日発売予定

  • 直した痕は、どこにも名前が残らない

    8月17日発売予定

  • 僕は答えを出さない、確かめるだけだ

    8月17日発売予定

通知管理

通知管理を見る

販売後に設定できるようになります

名前の残らない仕事のレビュー

販売後に書けるようになります

出汁の塩梅を直すだけの、名もない舌だ

出汁の塩梅を直すだけの、名もない舌だ

900