名もなき職人BL

名もなき職人BL

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名の通った刀鍛冶が、なぜか、腕の劣る俺を名指しで、自分の刀の研ぎに呼んだ。鴇田尊。名前も、打った刀も、その世界で知らない人間はいない。俺は芹澤悠、二十七歳。刃を作ることはできない。ただ、研いで返すだけの研ぎ師だ。その人は、次の一振りも、その次も、わざわざ俺を指名した。用もないのに研ぎ場へ来て、飯に誘って、俺なんかを抱いた。理由は、たぶん、気まぐれだ。名のある人の、一時の。飽きたら、都合のいい研ぎ手を替えるだけだろう。——研ぎなんて、誰がやっても仕上がりは同じ。俺の名は、どの刀にも残らない。だから、先に、離れようとした。俺は最後まで、知らなかった。あの人が、八年前の冬の未明に、俺に一度だけ、生かされていたことを。あの人が、それを、俺には、一生、言わないつもりだということを。本作は宵野いとの「名もなき職人BL」シリーズ。一話完結・どこからでも。
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  • 研いだ刃に、俺の名は残らない

    8月15日発売予定

  • 白く抜くだけが、俺の取り柄でした

    8月16日発売予定

  • 火を読むのは、誰にでもできること

    8月16日発売予定

  • 彫らないのに、木の生死を分ける

    8月16日発売予定

  • 甘みは、俺じゃなく舌が決める

    8月16日発売予定

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