第2回アニバーサリー賞受賞作!!
「相崎斗真、二十二歳、切り替えが早いところが長所です! ふつつか者ですが、一生懸命魔法使いを目指しますので、どうぞよろしくお願いしますっ!」
就職活動連敗中の斗真の心は、五十社目からのお祈り(お断り)メールを受信したその日、ぽきりと折れた。友人たちが次々と新しい進路を決めていく中、誰にも選ばれない自分に絶望していた斗真は、「魔法使いにコネがある」と耳元で囁いた通りすがりの美女の(どう考えても怪しい)言葉に、乗っかることにしたのだった。
美女は『綴じ目の魔女』と呼ばれる魔法使いで、名をキリカという。彼女に促されるまま、某駅の関係者扉をくぐった瞬間、斗真の目の前には幻想的な景色が広がっていた。――そこは空中都市アークア。魔法使い本人と、彼らに招かれた〈魔法使いの素養のある〉人物だけが入れる町だ。つまり、斗真には素養があるらしいのだ。
ちなみにキリカの仕事は、魔法使いに「忘却の魔法」をかけること。長い時間を生きる魔法使いたちが、自分の抱えた記憶を重荷に感じたとき、魂の本『グリモア』にその記憶を移し、封じる。その手伝いをすることになった斗真だが――。第2回アニバーサリー賞受賞作!!
