味覚が同調する特殊なサブスペースを持つパティシエの俺・遥は、その才をオーナーシェフに盗用され潰され、二度と誰にも「暴かれない」ようニュートラルを偽装して生きてきた。だが三つ星フレンチ〈メゾン・ド・ノワ〉の総料理長・鷺沼匠——強すぎるグレアで厨房を凍らせ、誰も長く続かない「無言の料理長」と恐れられる特級Dom——だけは、俺の隠した適性を一目で見抜いた。彼のコマンドの下でだけ、俺は初めて“満たされた味”の菓子を作れる。そして俺の菓子だけが、亡き師の味を喪った鷺沼の渇きを癒す。暴かれた=また利用され捨てられる、と身構える俺に、寡黙な料理長は驚くほど甘い。「二度と手放さない。お前の味は、俺が全部受け止める」。合意とセーフワードとアフターケア——支配が庇護に上書きされていく、味蕾のグロウで満たし合うDom/Subバースの重執着溺愛BL、全10章完結。
