ルヴェンシア王国の名家・フォンテル子爵家の嫡子セリアンは、王家御用の「泉源鑑(せんげんかん)」——泉質や毒泉、水源の真贋を読み解く才を代々担う家に生まれながら、地味な役目ゆえに宮廷で過小評価されて生きてきた。ある日、王家霊泉に毒を投じた大逆者として、私は身に覚えのないまま断罪される。位階剥奪と家財没収、そして追放——けれど私は、この毒泉の冤罪の出所が山懐の霊泉領テルミナにあると見抜き、名を「ルーチョ」と偽って、湯治の郷の湯守下働きに、自ら潜り込んだ。汲み人として湯を運びながら、泉源鑑の才で贋泉と毒の混入を言い当て、湯治客の命を救ううちに、私は少しずつ頭角を現していく。だが、この霊泉郷を治める辺境伯——「凍嶺の主」と恐れられる霞城卿ガレアスは、最初から、偽りの名の下の私の正体を見抜いていた。「五年前、お前は俺を救った。ずっと、待っていた」。過小評価された泉源鑑の才が山懐で花開き、氷の辺境伯の重すぎる執着に、雌伏の日々が溶かされていく。やがて私は、自分を陥れた王都の毒泉捏造の水脈を解く——王家霊泉にすり替えられた毒水の出所から真の黒幕を暴き、断罪した者たちを見返す時が来る。断罪ざまぁ×身分差×潜伏立身×正体露見×重執着溺愛のロイヤルBL長編、全10章完結。

