グラウフェルト王国の名家・リンデンベルク伯爵家の嫡子カスパルは、王家御用の狩りと追い師を代々務めた家に生まれ、足跡や遺留品や獣道から真相を追う「追跡・痕跡鑑」の才を持ちながら、猟師の下賤な技と貴族に軽んじられて生きてきた。ある日、王家御狩場で王太子を狙う暗殺の罠を仕掛けた大逆者として、私は身に覚えのないまま断罪される。位階の剥奪と家財没収——処刑の代わりに、私は中央と半独立の狩猟辺境を結ぶ和平の証、政略の人質として辺境へ差し出される。大逆者を厄介払いされたのだと、私は駒として扱われる覚悟をした。だが私を名指しで所望したのは、「蒼鷹卿」と恐れられる狩猟辺境の辺境伯・トルステンだった。見せしめか慰み者にされると身構えた私に、苛烈な辺境伯は最初に人質の質状を焼き捨て——宝物のように、伴侶として大切に扱う。「五年前、お前は俺を救った。ずっと、迎えに行きたかった」。過小評価された追跡鑑の才が辺境の森で花開き、狩人の男の重すぎる執着に溶かされていく。やがて私は、自分を陥れた王都の陰謀の痕を追う——暗殺の罠の遺留品から真の実行者と黒幕を暴き、断罪した者たちを見返す時が来る。断罪ざまぁ×身分差×政略人質落差×重執着溺愛のロイヤルBL長編、全10章完結。

